労働者の安全を守るために不可欠な手続きとして、「フォーム05A-HSB:労災および職業病制度の解決を求める文書」が存在します。
職場での事故や職業病に遭ったとき、何をすればいいのか迷ったことはありませんか?そんなときに必要になるのが、「フォーム05A-HSB」です。
あなたの大事な従業員がどのようなものになにをどのように記載すればいいのか?提出された時にすこしでもお役にたてるような内容にしていきます。
この書類は、労災や職業病が発生したときに社会保険給付を受けるための大切な申請書。今回は、フォーム05A-HSBの基本情報から、具体的な使用例や記入のコツまで、わかりやすく解説します。
この記事のもくじ
フォーム05A-HSBって何ですか?
フォーム05A-HSBは、ベトナムで労災や職業病の際に社会保険給付を申請するための公式な書類です。この書類を提出することで、従業員は事故や病気に対する補償を受けることができます。
労働災害・職業病給付申請書(様式05A-HSB)(2019年1月31日付決定166/QD-BHXHに基づき発行)は、労働者が初めて労働災害または職業病に遭った場合、または既に労働災害の評価を受けた労働者が新たに労働災害または職業病に遭った場合に、社会保険機関に労働災害・職業病給付の支払いを申請する際に使用されます。
こんなときに使います!
以下のようなことが想定されるはずです。
初めて労災に遭ったとき
例:工場で作業中、機械に指を挟まれたAさん。勤務時間中に起きたこの事故に対して労災申請を行う際に、フォーム05A-HSBを使います。2回目以降の労災や職業病のとき
例:1年前に交通事故で給付を受けたBさんが、新たに勤務中の高所作業で落下事故に遭った場合、2回目としてこのフォームを使用します。職業病が発生したとき
例:長年塗装作業をしていたCさんが、有害物質の影響で呼吸器疾患と診断された場合、職業病として申請します。労災と職業病が同時に発生したとき
例:建設現場で足を骨折(労災)し、同時に長時間の騒音で聴力低下(職業病)と診断されたDさん。フォーム05A-HSBで両方を申請できます。
フォーム05A-HSBの主な内容
このフォームでは、以下の情報を記入します。
1. 個人情報
氏名、生年月日、住所、連絡先、社会保険コードなどを記入します。
2. 労災や職業病の詳細
事故や病気の発生日時、場所、状況(勤務時間中/勤務外など)を正確に記載します。
3. 給付の受け取り方法
- 社会保険機関での現金受け取り
- 銀行振込(口座番号・支店名を記載)
自分に合った受け取り方法を選びましょう。
フォーム05A-HSBの取得方法
2つあるようです。
方法1:オンラインでダウンロード:ベトナム社会保険ポータルの公式ウェブサイトから最新版をダウンロードできます。最新版は2019年1月31日付けの決定166/QD-BHXHで発行されたものです。法令改正は要注意ですね。
方法2:最寄りの社会保険機関で受け取る;直接社会保険機関に行き、フォームを受け取ることも可能です。最新版を希望することを忘れずに!
大きな流れは以下の通り。
- 従業員がフォーム05A-HSBを記入して申請書を作成。
- 雇用主に書類を提出。
- 雇用主が書類を確認し、必要に応じて補足後、社会保険機関に送付(受領から30日以内)。
- 社会保険機関が申請を審査し、決定を通知(6日以内)。
続いて記入の方法を詳細解説します。
フォーム05A-HSBの記入方法を解説!
労災および職業病給付申請のためのフォーム05A-HSBを正確かつ迅速に記入するには、以下の8ステップを意識してください。各項目の詳細と記入のコツを具体的に説明します。
1. 身分証明書番号または市民カード番号を正確に記入する
- 身分証明書番号の場合:「市民カード」という表記を省略してください。
- 市民カード番号の場合:「身分証明書」という表記を省略してください。
例:Aさんが市民カードのみを所持している場合、「市民カード番号:123456789」と記入します。
2. 住所を詳細に記入する
住所欄には、以下の情報を全て正確に記載してください:
- 家屋番号、路地(小路、横丁)、通り名
- グループ(村、集落)、社(区、町)
- 県(市、都市)、省(市)
例:Aさんの住所が「ビンタイン区3番通り45号」の場合、
「45号、3番通り、村ABC、ビンタイン区、ホーチミン市」と記入します。
3. 労災や職業病の発生回数を明記する
- 初めての場合:「初回」と記入してください。
- 2回目以降の場合:発生順に記載し、回数を明記してください。
例:Aさんが2022年8月30日に初めて労災を経験し、2023年7月5日に2回目の労災を経験した場合:
「1回目:2022年8月30日;2回目:2023年7月5日」と記入します。
- 未解決の労災が複数ある場合:すべての発生日時を記載します。
例:「1回目:2022年8月30日;2回目:2023年7月5日;n回目:年月日」と記載。
4. 労災調査報告書または診断結果を明記する
- 労災の場合:調査報告書の番号、記号、日付、および調査チームの名称(中央、省、施設レベル)を記載してください。
- 職業病の場合:診断結果や診断証明書の番号、記号、日付、および診断機関の名称を記入してください。
例:調査報告書番号が「2023/LAB/45」で、日付が2023年7月15日の場合:
「労災調査報告書番号:2023/LAB/45、日付:2023年7月15日」と記入します。
5. 労災のケースに該当するボックスにXを付ける
労災の状況に応じて、該当するケースを選択してください。
- 勤務時間内/外での発生
- 勤務場所内/外での発生
- 雇用主の指示に基づく業務中の事故
複数のケースに該当する場合は、すべての該当するボックスにXを付けます。
例:Aさんが勤務時間外、職場内で会社の指示により作業中に事故に遭った場合:「勤務時間外」「職場内」の両方にXを付けます。
6. 雇用主の指示による業務中の事故の場合
2015年労働安全衛生法第45条第1項bに基づき、雇用主またはその代理人の指示による作業中の事故の場合、具体的な状況を記載してください。
例:「2023年7月10日、雇用主の指示に基づき倉庫の整理作業中に事故が発生」と記入。
7. 交通事故が労災と認定される場合の記入
交通事故が労災と認定される場合は、以下を明記します:
- 交通事故調査報告書または現場検証報告書と事故現場図の番号、記号、日付。
- 上記書類がない場合は、警察機関の事故証明書の番号、記号、日付、および証明機関の名称。
例:「交通事故調査報告書番号:2023/TRAFFIC/78、日付:2023年7月20日」と記入します。
8. 給付の受け取り方法を選択する
- 現金受け取り:社会保険機関または委託サービス機関を選択可能です。
- 銀行振込:口座番号、銀行名、支店名を漏れなく記入してください。
注意:社会保険機関での毎月の現金給付は選択しないでください。
例:銀行振込を選択する場合:
「口座番号:123456789、銀行名:XYZ銀行、支店名:ホーチミン市支店」と記入。
まとめ
フォーム05A-HSBは、労災や職業病に遭った従業員にとって不可欠な文書です。この文書を正確に記入し、適切な手順で提出することで、迅速かつ正確な給付が可能になります。
最新の情報やサポートが必要な場合は、最寄りの社会保険機関やベトナム社会保険カスタマーサービスセンターにお問い合わせください。
また普段支援をお願いしているコンサルティングファームにもお願いするといいと思いますよ。