今日のテーマは「支払い期限が過ぎた購入のVATは還付されない?法的根拠を解説!」です。
最近発表された(2024年1月19日)税務総局の通達(No. 257/TCT-CS)では、支払期限内に適切な手続きを行わないとVAT還付が受けられないという厳しい条件が明確化されました。つまり、契約書上5月31日が支払い期限なのに6月に支払った購入分のVATは還付されないかも?ということです。
んなバカな!と思ったのは私だけじゃないでしょう。
この記事では、日系企業が陥りやすいポイントをわかりやすく解説し、支払期限を守ることの重要性と、企業が取るべき対策についてお伝えします。
この記事のもくじ
オフィシャルレター257/TCT-CSのVATに関する結論
まずオフィシャルレターの結論をお伝えします。
契約書等の支払い期限を過ぎた場合、付加価値税(VAT)の控除および還付の条件を満たさない」
- 還付済みのVATについても税務当局が回収可能。
です。ホーチミン市税務局およびタイビン投資貿易株式会社に出された通達ですね。 キューバ向け輸出契約において、支払い遅延が発生したケースが報告され、VAT控除および還付が認められないという判断が下されました。
うーん。という感じがしちゃいますね。
Based on the above provisions, in case the Company fails to provide payment documents for the contract or appendix of the export contract upon its payment due date, the conditions for VAT deduction and refund are not met. The Ho Chi Minh City Tax Department shall recover the refunded tax amount and handle it in accordance with the provisions of the Law on VAT and the Law on Tax Administration.
The General Department of Taxation replies to Thai Binh Investment and Trade Joint Stock Company and Ho Chi Minh City Tax Department for information and implementation./.
引用元:257/TCT-CS
では支払い期限が遅れると還付もダメの法的根拠は?
次に論拠です。オフィシャルレターを見ていくと以下の条文を引用しています。まあ個人的にはちょっと無理あるよなあという論拠ではあります。
- 13/2008/QH12(付加価値税法)
- 政令 No. 209/2013/ND-CP(および改正政令)
です。順に見ていきましょう。
付加価値税法
第12条:仕入付加価値税の控除条件
仕入VAT控除の条件は、以下が必須と規定:
- 非現金支払い証明書(銀行振込の記録)。
- 輸出品の場合、外国企業との契約書、販売請求書、税関申告書も必要。
支払い期限を過ぎて非現金支払いが行われない場合、これらの条件を満たさないため、控除対象外という論拠にしていると考えられます。
第13条:VAT還付の適用条件
月次または四半期ごとに未控除VATが3億VND(約160万円)以上であることが還付の条件。⇨ここがなぜ論拠になるか?は正直不明です。
政令 No. 209/2013/ND-CP(政令 No. 91/2014/ND-CP、政令 No. 12/2015/ND-CP、政令 No. 146/2017/ND-CP による改正および補足)
正直ここがまあまあ納得感のある論拠となります。
第9条:仕入VAT控除の条件
契約に基づき、銀行振込による支払いが行われていることが必要条件⇨支払いが遅れた場合、控除対象とならないと考えられます。
第10条:輸出取引に関するVAT還付の条件:輸出契約に基づく支払いが適切に行われた場合のみ、還付の対象となる。
支払期限を過ぎた場合、VAT還付を受ける資格が失われるんでしょう。
やっぱりそんなことないでしょ?他のオフィシャルレター
じゃあ本当に仕入れ先への支払いが遅れた?だけで還付できないのか?というとそんなことはありません。
公式通達 No. 1634/TCT-CS(2014年11月15日付) によると、以下のように通知されています。
契約に基づく支払期限がまだ到来していないため、銀行経由の支払証明書がない場合でも、企業は引き続き仕入れVAT(付加価値税)を申告し控除(仮払い税金として計上)することができる。
契約書に記載された支払期限が到来した時点で、企業がまだ顧客への支払いを行っておらず、銀行経由の支払証明書を持っていない場合、企業は控除(仮払い税金として借受税金と相殺)申告されたVATの金額を調整する必要はない。
実際に支払いを行う際、企業が銀行経由の支払証明書を持っていない場合(現金払いまたはその他の支払い方法による支払いが行われ、VATが控除されている場合)、その支払いが行われた税期間において銀行経由の支払証明書なしで控除申請を行う必要がある。
抜粋は以下の通り。
公式通達 1634/TCT-CS
上記の規定に基づき、2014年10月1日付の政令 No. 91/2014/ND-CP が施行された2014年11月15日以降、契約に基づく支払期限がまだ到来しておらず、銀行経由の支払証明書がない場合でも、企業は仕入れVAT(付加価値税)を申告・控除することが許可される。
契約で定められた支払期限が到来した時点で、企業がまだ顧客へ支払いを行っておらず、銀行経由の支払証明書を持っていない場合、控除申告されたVATの金額を調整する必要はない。
実際に支払いを行う際、企業が銀行経由の支払証明書を持っていない場合(現金払いまたはその他の形式のVATが控除された支払いが行われた場合)、その支払いが発生した税期間において、銀行経由の支払証明書なしでVAT控除額を申告・調整する必要がある。
公式通達 06/TCT-CS
上記の規定に基づき、契約に基づく支払期限がまだ到来しておらず、銀行経由の支払証明書がない場合でも、企業は仕入れVATを申告・控除することができる。
契約で定められた支払期限が到来した際、企業が銀行経由の支払証明書を持っていない場合でも、実際の支払いが行われるまでVAT控除額を調整する必要はない。
企業が銀行経由の支払証明書を持っていない状態で支払いを行う場合、その支払いが発生した税期間において、該当するVAT控除額を申告・調整しなければならない。
税務調査の結果後の銀行振込による支払いは大丈夫
こんなケースも紹介します。税務調査時は「支払い」してなかったけどその後に適切に「支払い」した場合です。この場合は還付を期待できるようです。
2018年の公式通達 28/TCT-CS を参照すると、以下のように規定されています。
公式通達 No. 28/TCT-CS(2018年)を参照:
「上記の規定に基づき、税務総局は、ロンアン省税務局の見解(公式通達 No. 1994/CT-KKT1)に同意する。以下の通りである:
税務当局が「還付不可(non-refundable)」の税に関する通知を発行した後、Binh Phu Company Limited は、規定に基づき、輸出された商品に対する未払い金額について、外国のサプライヤーへ銀行振込などの非現金決済によって支払いした
税還付申請の提出日時点までに未払いだった仕入付加価値税(VAT)の対応額について、該当日時点で条件を満たしている場合、企業は VATの申告・控除および還付を規定に従って行うことが認められる。」
引用元:28/TCT-CS
お役にたてれば幸いです!