ベトナムで個人所得税を申告・納税するには、個人税コードを登録する必要があります。
「どんな方法があるの?どのように登録すれば良いのか?」を知りたい人もいると思います。
この記事では、ベトナムで個人税コードを登録するための具体的な手順を詳しく解説します!
ベトナムの個人税コードとは?
まず定義についてです。日本でいうマイナンバーみたいなイメージです。
個人税コード(Mã số thuế cá nhân)とは、納税者を特定し、税務当局が税務管理を行うために発行する固有の番号です。この番号を取得することで、以下のメリットがあります。
- 税務手続きがスムーズになる
- 合法的な納税者として認められる
- 税務調査の際の信頼性が向上する
法的背景 2019年税務管理法第30条に基づき、事業活動を開始する前、または国家予算に対する義務が発生する前に、税コードの登録が必要なのですね。
ベトナム個人所得税のコードの作成の3パターン
現在、個人税コードを登録するには大きく以下の2つの方法があります。
- 直接登録(税務当局の窓口で手続き)
- 所得支払機関を通じて個人税コードを登録する方法
- オンライン登録(自宅やオフィスからインターネットで手続き)
このうち3の方法を解説していきます。この方法が効率的なのでおすすめです。
ベトナム個人所得税のコードのオンライン登録のガイダンス
個人税コードのオンライン登録は、自宅やオフィスから簡単に手続きできる便利な方法です。以下に、具体的な手順を詳細に説明します。ぜひ参考にして、スムーズに登録を進めてください。
ステップ0:情報を準備しよう
- パスポートの情報を入力するのでパスポートを準備しましょう。
ステップ1:税務総局のウェブサイトにアクセス
- 税務総局電子ポータルを開いてください。
- ウェブサイトが開かない場合、インターネット接続や入力したURLを再確認してください。
- メインページが表示されたら、次のステップに進みましょう!
ステップ2:ログイン
- ホームページ上部に表示されている「個人」メニューを選択します。
- システムにログインするため、登録済みのアカウントを使用します。
まだアカウントを作成していない場合は、「アカウント作成」ボタンをクリックし、必要情報を入力してください。
- ログインに成功したら、登録画面に進みます。
ステップ3:「初めての税登録」を選択
- ホームページのメニューから「初めての税登録」を探し、クリックします。
- 選択後、「申請書の記入と提出」の画面が表示されます。
ステップ4:「申請書の記入と提出」を選択
- 左上にある「申請書の記入と提出」ボタンをクリックします。
- このページで、登録に必要な情報を入力する準備をします。
ステップ5:登録対象を選択
- 登録対象に応じて適切な選択肢を選びます(例:個人、事業主など)。
- 対象を選択すると、それに対応するフォームが表示されます。
- 正しい選択ができているか確認してください。
ステップ6:必要情報を記入し「続ける」をクリック
フォームに必要な情報を入力しましょう。これは日本人からのパスポートの情報を利用します。
- 氏名
- 身分証明書番号(市民IDカードまたはパスポート)
- 発行日および発行場所
- 住所と連絡先
入力が完了したら、「続ける(Tiếp tục)」ボタンをクリックします。
ヒント:情報は正確かつ完全に記入してください。不備がある場合、申請が拒否される可能性があります。
ステップ7:フォームに必要な情報を記入し「申請完了」を選択しよう!
「税登録申請フォーム」に沿って、以下の情報を入力しましょう。
- 生年月日、性別、国籍
- 所得情報や納税者番号(該当する場合)
入力内容を確認し、修正が必要な場合は戻って修正します。
注意点:漏れや入力ミスがないよう、再度確認してください。
すべての情報が正しいことを確認したら、「申請完了(Complete declaration)」をクリックします。申請が完了すると、「登録完了」の通知が表示されます。取引コードとセキュリティコードを保存しましょう。これらのコードは申請状況を追跡する際に必要です!
追加のヒント:登録完了後、進捗状況を定期的に確認してください。必要に応じて、税務当局に問い合わせを行いましょう。
このあと無事、個人所得税の税コードが取得できます!
ベトナム個人所得税の税コードを受け取ろう!
申請完了後3営業日以内に結果の通知を受け取るか、ウェブサイトで直接検索できます。2019年税務管理法第34条第1項によると、税務当局が必要書類を受領してから3営業日以内に処理が完了するからです。
検索方法は以下!まあ、ベトナム人がよく使う機能で日本人には影響がないかもしれませんが。
- 「初めての税登録」セクションの「記録を検索」を選択
- 「取引コード」と「セキュリティコード」を入力して検索
よくある質問
なぜ個人税コードを登録する必要があるの?
申告書と紐づくので必ず必要と思ってください。ただ、個人税コードを登録すると、次のようなメリットがあります。
厳密に言えば、基礎控除を超える収入のある人です。2020年6月2日に発行された決議954/2020/UBTVQH14によれば、月収が1,100万VND以上(年間132万VND以上)の人は個人所得税の対象。
>>【図解!】ゼロから理解する 個人所得税の仕組み 日本とベトナムの比較表付き!
- 所得税の還付がスムーズに進む:多く支払いすぎた税金を簡単に取り戻せます。
- 免税の可能性:災害や火災、事故、重病の場合に税の減免が適用される
- 扶養控除が利用できる:扶養家族がいる場合、控除を適用して税金を節約できます。
- 税務当局から無料のサポートが受けられる:税務に関するアドバイスや手続きのガイドを無料で受けられます。
Circular 111/2013/TT-BTCの第9条によると、納税者が個人税コードを登録している場合、扶養家族に対して控除を受ける権利があります。
扶養家族が個人税コードを持っていない場合でも、納税者が「扶養控除登録フォーム」に記載した情報を基に税務当局が扶養家族の税コードを自動で発行します。規定(決議954/2020/UBTVQH14)では、扶養家族1人につき月額440万VNDの控除が適用されます。
>>【ベトナム個人所得税】ベトナムで扶養控除を適用するために必要な手続を解説
登録を済ませることで、税務手続きが効率化されるだけでなく、家計にも大きなメリットがあります!
誰が個人税コードを登録する必要があるの?
次のような人は個人税コードを登録する必要があります。
- 課税対象となる収入がある人:給与や報酬など、所得税の対象となる収入を得ている人。
- 扶養控除を利用したい人:扶養控除を申請することで節税を希望する人。
- 企業や団体の代表者:法人や組織を代表している場合にも登録が必要です。
駐在員で申告する必要がある人は必ず必要です。
個人税コードを登録しないとどうなるの?
税義務発生日から10日以内に個人税コードを登録しない場合、罰金が科されることがあります。以下はその例です:
- 1〜10日遅れ:軽微な警告や罰金が科される場合があります。
- 1〜30日遅れ:1〜2百万VND(約5,000〜10,000円)の罰金が課される可能性があります。
- 91日以上遅れ:6〜10百万VND(約30,000〜50,000円)の罰金が科されることがあります。
早めに登録を済ませることで、余計な罰則を回避しましょう。
会社の従業員の個人税コードを登録する際、XMLファイルが必要ですか?
従業員の個人税コードを登録する方法は以下の2つがあります。
- 方法1:税務総局のウェブサイトで直接登録
- 方法2:HTKK(税申告支援ソフト)を使用してXMLファイルを生成し登録
従業員数が少ない場合は方法1、人数が多いの場合は方法2を利用すると効率的です。私の印象だと方法2を適用しているケースが多いと感じています。
IDカードやパスポートからCCCDに変更した場合はどうするの?
IDカード、パスポート、CCCD(市民身分証)に変更があった場合など、個人情報が変更されると、税務当局への更新が必要です。日本人の場合はパスポートの更新でしょう。
- 10日以内に、税務当局に情報変更を通知してください。
- 必要な書類:
- 「税登録情報変更申請書(様式08-MST)」
- CCCDまたは新しいパスポートのコピー(認証はいらないと言われている。ただ実務はよく変わる)
正確な情報を届けることで、税務手続きのトラブルを防ぎましょう!
まとめ
個人税コードの登録は、日本人駐在員がビジネスを行う上で欠かせない手続きです。特にオンライン登録は、時間と手間を大幅に削減する便利な方法です。本ガイドを参考に、スムーズな税登録を実現してください!