ベトナムでビジネスをする方へ重要なお知らせ!

2025年2月18日より、ベトナム政府は 1,000,000VND以下の輸入品に対する免税制度を廃止 します。これにより、これまで免税対象だった低額輸入品にも 輸入税および付加価値税(VAT)が適用 されることになります。

EC市場が急成長する中、企業や個人事業主にとって、輸入コストの増加や通関手続きの変化は大きな影響を与えるでしょう。本記事では、過去の制度との比較や変更の背景、そして日本の制度との違いを分かりやすく解説します。

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過去の免税制度と今回の変更点

これまでの制度(決定78/2010/QD-TTg)

2010年11月30日に発令された 決定78/2010/QD-TTg により、以下のような免税制度が適用されていました。

  • 1,000,000VND以下の輸入品は輸入税およびVATが免除
  •  1,000,000VND超の輸入品には輸入税およびVATが適用

だいたい6000円くらいですかね。この金額程度の購入であれば税金がかからなかったんです。

この制度は、当時の通関手続きが手作業だったこともあり、業務負担の軽減や迅速な通関処理を目的 に導入されました。小さいものも作業していたら業務が回らなくなる!という実務上の要請ですね。

2025年2月18日以降の変更(決定01/2025/QD-TTg)

2025年1月3日に発令された 決定01/2025/QD-TTg により、

  • 1,000,000VND以下の輸入品の免税が完全に廃止
  • すべての輸入品が課税対象(輸入税およびVAT適用)

となるんですよ。

この制度の変更の背景と理由とは?

EC市場の急成長と税収確保!

ベトナムでは 電子商取引(EC)が急速に拡大 しており、毎日 約400万〜500万件の小額輸入品が中国から流入 しています。

たとえば、日本のAmazonやAliExpressで海外商品を購入すると、税関を通らずに直接届くケースがありますよね? ベトナムでも同じような現象が起こっており、ECプラットフォーム経由での輸入品が急増し、税収管理が難しくなっている のです。

毎日 約400万〜500万件の分の税収、漏れてない? それは損失だ!ということですね。

税関手続きの電子化、システムなんだから業務まわせる

従来の手作業による税関申告は、免税措置の根拠の一つでした。しかし現在では、

  • 🔹 VNACCS/VCIS(電子通関システム) により99%以上の手続きが電子化済み
  • 🔹 VASSCM(自動倉庫・港湾管理システム) で通関業務の効率化

これにより、免税措置を継続する理由が薄れ、適正な課税管理が可能になったのです。

 国内生産との競争環境の公平性

例えば、ベトナム国内の工場で生産されるTシャツにはVATがかかるのに対し、

  • 📦 海外ECサイトから直送されるTシャツにはVATが免除される

といった状況が発生し、ベトナム国内の会社が不利な立場 に置かれていました。

こうした 税制の不均衡を是正し、ベトナム国内産業を保護する ため、今回の制度変更が実施されることになりました。

変更後の影響 – 企業や個人への影響は?

じゃあこれにどんな影響がありそうなの?という分析が大事です。

1. 日本企業のEC・物流業界

  • 日系企業がベトナム市場でEC販売する場合、低額商品にも税金がかかるため価格競争が変化 
  • 物流コストや通関手続きの負担が増加
  • 消費者の購買行動が変わる可能性あり

売上が減るかもしれません。これは大きな影響ですよね。

日本人駐在員や個人輸入者

  • 海外ECサイトを利用する際、送料込みで1,000,000VND以下の注文にも税金が発生
  • 個人輸入での税務処理が煩雑になる可能性 
  • 少額輸入品の価格上昇により、購入コストが増加する可能性 
  • 通関手続きやコスト負担の増加により、小口輸入業者やECサイトでの取り扱い商品が減少する可能性、税金かかるなら購入しなくていいや!

日本の制度とのざっくり比較

実は、日本でも 2023年10月1日以降、海外ECサイトからの輸入品に対する課税が強化 されています。

項目ベトナム日本
旧免税基準1,000,000VND以下16,666円以下(CIF価格10,000円)
免税廃止時期2025年2月18日2023年10月から一部課税強化
変更の目的EC増加による税収確保、国内産業保護EC課税強化、国内企業との公平な競争
課税対象すべての輸入品一定額超の輸入品および越境EC事業者

日本では、AmazonやAliExpressなどの海外EC事業者が税金を徴収する仕組み になっていますが、ベトナムでは すべての輸入品に一律で課税 される点が大きな違いなようです。

まとめ – これからどう対応すべき?

  • 2025年2月18日より、1,000,000VND以下の輸入品にも税金がかかる
  • EC市場の急成長による税収管理と国内企業の競争環境の公平性を確保する目的
  •  日本と同様に、少額輸入品の免税廃止が進行中
  • ベトナムでの輸入ビジネスは、今後より厳格な通関・税務管理が必要になる

ベトナムでビジネスを行う方は、今後の輸入コストや通関手続きを見直し、戦略的な対応を検討することが求められます。今後の税制変更にも注意しながら、柔軟に対応していきましょう!