こんにちは!マナラボの菅野です。
今日は、2025年6月から本格的に始まる「POSレジからの電子インボイス義務化」に対応するために、どのPOS会社を選べばいいのか?を徹底的にわかりやすく解説します。
この記事のもくじ
2025年6月から、POSレジ連携が“義務”に!
政令70/2025/ND-CPによると、2025年6月1日から、飲食店・小売店・ショッピングモール・ホテルなどのB2C業者は、POSレジと税務総局(GDT)をオンラインで接続し、電子インボイスを取引ごとに発行する義務があります(第8条第3項)。
これまで一部で認められていた「1日まとめて発行」は廃止され、リアルタイムでの発行が原則に変わります(第9条第1項)。また、購入者情報欄の追加(氏名・税コードなど)も求められるようになります(附属書II)。
以下の記事でも詳細に解説しています。
>>【2025年6月施行】POSレジを使ってる会社は要チェック!政令70/2025の改正ポイントをやさしく解説【ローカルレストランも!】
対象になるのはどんなお店?
以下のような感じのビジネスです。ベトナムに進出している日系企業という意味ではそこまで影響はないかもです。ただ、最近は外資でレストランを実施する場合も増えてきてますからね。
- 年商1億VND以上の個人商店(屋台・小売店・カフェなども含む)60万円くらいなのでほとんどの飲食店が対象になりそうです。
- ショッピングモールやスーパーなど小売チェーン
- レストラン、ホテルなどサービス業全般
「ウチは小さいから大丈夫」…そう思っているあなたのお店(とくに飲食)も対象かもしれません。いまのうちに要チェックです。日系でもあるかもしれませんね。
義務対応だけじゃない、POSの導入メリットとは?
義務だから仕方なく…ではなく、POSにはこんな実務的メリットがありますよ。
- ✅ 売上・在庫・顧客データがリアルタイムで見える
- ✅ レジ締めが圧倒的にラクになる
- ✅ キャッシュレス決済にも対応しやすい
- ✅ 税務署への対応がスムーズになる(インボイスデータ即送信)
ベトナム主要POS会社6社の徹底比較!
比較してみますね
KiotViet(キオットヴィエット)|小売にも飲食にも強い!ベトナム最大シェア
- 導入実績:30万店舗以上
- 電子インボイス:◎ Viettelと直接API連携(無料で使える!)
- 在庫管理:◎ 商品属性(色・サイズ・賞味期限など)別に細かく対応
- 決済:◎ MoMo・ZaloPay・QR・銀行カードなど多様
- サポート:全国に電話+訪問サポートあり(地方の店も安心)
💡おすすめ店舗:小売店全般(アパレル、食品、雑貨など)、中規模飲食店も可
📌 特徴:「とにかく失敗したくない」「どこに相談すればいいか分からない」という人に最適。UIがシンプルで、登録作業もガイド通りに進めるだけ。業界標準という安心感あり。
Sapo(サポ)|ネット販売とリアル店舗をつなぐならコレ!
- 導入実績:23万社以上(EC含む)
- 電子インボイス:◎ 自社「Sapo Invoice」に加え、VNPT・MISAとも連携可
- 在庫管理:◎ EC在庫とPOS在庫を完全一元管理できる
- 決済:◎ 自社決済SapoPay、MoMo、銀行系の端末連携あり
💡おすすめ店舗:オンライン+実店舗を同時に運営している小売業
📌 特徴:ShopeeやFacebook販売などと在庫がリアルタイムで連携。オムニチャネル(多店舗・多チャネル管理)を実現したい人向け。「ネットと店の在庫、分けてるのが面倒…」という方に刺さります。
iPOS.vn(アイポス)|飲食専門ならまずはこれ!
- 導入実績:10万飲食ブランド以上
- 電子インボイス:◎ iPOS Invoice搭載、通達78号準拠
- 在庫管理:◎ 食材の発注点、原価管理、仕込み単位まで管理OK
- 決済:◎ MoMo公式連携で動的QR表示。カード、現金ももちろん可
- 機能:KDS(キッチンディスプレイ)やテーブル管理など飲食専用機能が豊富
💡おすすめ店舗:カフェ、レストラン、チェーン展開を考えるF&B事業者
📌 特徴:厨房からホールまで1つのシステムで完結できる設計。店長がいなくても「現場がうまく回る」仕組みが詰まってます。モジュール構成なので、必要な機能だけ追加できるのも嬉しいポイント。
PosApp(ポスアップ)|コスパ重視!中小企業に人気急上昇
- 導入実績:3.5万店舗以上(2025年時点)
- 電子インボイス:◎ 通達78号に準拠したPOS内蔵型
- 在庫管理:◎ 原材料の単位管理、SKUの自動更新も対応
- 決済:◎ MoMo、VNPay、ZaloPay、カード決済端末(mPOS)に柔軟対応
- 価格:月額無料〜から始められるプランあり
💡おすすめ店舗:コストを抑えてスタートしたい中小規模の飲食・小売店
📌 特徴:飲食/小売どちらも対応テンプレートあり。初期費用や月額費用を抑えつつも、電子インボイスや決済連携など基本機能は一通り揃っています。店舗拡大時にもスケールしやすい。
MISA CukCuk(ミサ・クックク)|税務・会計と連動する安心設計
- 導入実績:1.5万店以上(2020年時点)
- 電子インボイス:◎ MISA meInvoiceと完全連携(財務処理まで自動)
- 在庫管理:◎ 食材の入出庫と仕入原価を会計まで自動連動
- 決済:◎ MoMoと公式連携、銀行カードにも対応
- 特徴:会計ソフトMISA SME、AMIS ERPとの親和性が高い
💡おすすめ店舗:税務・財務も自社で完結させたい中堅以上の飲食事業者
📌 特徴:POSで打った売上がそのまま会計に連動。伝票起票やCSV出力不要。管理部門が強い会社や、経理が外注できない中小飲食に特に好まれます。
POS365(ポス365)|手軽さで選ぶならコレ
- 導入実績:小型カフェ・ミルクティー店などに多数
- 電子インボイス:◎ POSレジから直接発行OK。SmartPOS連携済み
- 在庫管理:○ シンプルな入出庫+売上連動引当
- 決済:◎ VNPay、MoMo、銀行QR、カードリーダーなど基本対応
- 価格帯:初期費用少なく、UIもわかりやすい
💡おすすめ店舗:カフェ・屋台など1人または少人数で切り盛りしている事業者
📌 特徴:「レジ打って、そのままインボイス発行。ミスも減るし速い」。そんな導入者の声多数。高度な在庫管理やCRMが不要な場合は、このくらいシンプルな方がむしろ安心。
POS会社名 | 電子インボイス対応 | 在庫管理 | 決済対応 | 特徴・強み | リンク |
---|---|---|---|---|---|
KiotViet | ◎ Viettel連携・無料発行 | ◎ 商品属性に対応 | ◎ MoMo, ZaloPay, QR, カード | 小売・飲食どちらにも対応。最大手でサポート体制も充実 | 公式サイト |
Sapo | ◎ Sapo Invoice+MISA/VNPT連携 | ◎ EC連携一元管理 | ◎ SapoPay, MoMo, 銀行端末 | ECと実店舗を両立できる構造。ネット販売と在庫管理が強み | 公式サイト |
iPOS.vn | ◎ 自社発行・法令準拠 | ◎ 原材料・レシピ単位 | ◎ MoMo公式連携、カード | F&B特化型。予約・注文・会計・厨房管理まで統合可能 | 公式サイト |
PosApp | ◎ 通達78号準拠・POS内蔵 | ◎ 飲食・小売向け両対応 | ◎ VNPay, MoMo, カード | 低コスト+高機能。中小事業者にとって柔軟性が魅力 | 公式サイト |
MISA CukCuk | ◎ meInvoiceと完全連携 | ◎ 会計・仕入と同期 | ◎ MoMo, 銀行カード | 会計・税務処理と連携。中〜大型の飲食店に最適 | 公式サイト |
POS365 | ◎ POSから即時発行可 | ○ 基本的な在庫管理 | ◎ QR, カード, SmartPOS | シンプルで導入しやすい。小規模カフェなどに人気 | 公式サイト |
導入までの流れも確認しよう
ざっくりとですが以下のような感じ
- 対応POS会社を選定(上記6社は政令70完全対応済み)
- 税務署にPOSでのインボイス発行を登録(第15条)
- テスト発行 → 本番スタート
- 発行データは10年間保存(通常通り)
① 対応POSソフトを選定する
まずは、電子インボイスに対応しているPOS会社を選ぶことが最優先です。今回紹介した以下の6社は、いずれも政令70/2025/ND-CPに対応済みかは確認しましょう!
⚠️ 注意:既存のPOSレジや古いバージョンでは、税務当局とAPI接続できないことがあります。政令70対応版にアップデートされているか、必ず確認しましょう。
② 税務署に「POS発行」の使用登録を行う
POSシステムを使って電子インボイスを発行する場合、税務総局(GDT)にオンラインで「使用登録」する必要があります(政令70/2025/ND-CP 、政令123/2020/NĐ-CPの第15条に関連する改正をチェック)。
提出方法:
- 多くのPOS会社は、POS画面上から直接申請できるメニューを搭載しています(例:KiotViet、MISA)
- または、電子インボイスプロバイダ(例:meInvoice, Viettel-Invoice)経由で登録するケースもあり
登録内容:
- 事業者情報(会社名、税コードなど)
- POSレジの台数・所在地
- 電子インボイスの発行開始日
③ テスト運用(サンドボックス環境)
登録後すぐに本番運用ではなく、テスト発行(試験環境)での動作確認が推奨されます。POSベンダーと税務総局間で次の内容を確認します。
- 電子インボイスのフォーマットが正しいか?
- GDT側のサーバーに問題なく接続できるか?
- 必須項目(税率、品目、購入者情報など)が正しく反映されているか?
✅ POS会社がサポートしてくれるので、ユーザー側は画面上の操作確認だけでOKなことが多いらしいですよ。
④ 本番環境での電子インボイス発行を開始
テストが問題なければ、税務当局から「承認」が下り、本番運用が開始できるんだとか。
✔️ 実際の販売時にPOSレジで入力された情報がそのままGDTに送信され、リアルタイムで電子インボイスが発行されます。
✔️ MoMoやQRコード決済とも自動連携され、決済完了と同時にインボイスが生成されます。
✔️ 印刷 or 電子形式(SMS・メール・QRなど)で顧客へ送付も可能になるようです。
実際にはどうなるんでしょうね。エンドユーザーはいちいちインボイス送られてきたりしても困りますし。
⑤ インボイスデータの保管(10年間)
発行された電子インボイスは10年間保存義務があります。政令123/2020/NĐ-CPの第6条やベトナム会計法。これは昔からあることですね。
保存方法:
- 自社のサーバー(オンプレミス)でもOK
- クラウド型(例:KiotViet、meInvoiceなど)は自動バックアップ付き
- 必要時に印刷・PDF出力できる体制が必要
⚠️ 電子インボイスは「会計帳簿の証憑」として扱われるため、破損・削除はNG。システム側で保全機能があることが重要です。
補足:POSレジの「電子署名」は不要?
はい、POSレジから発行される電子インボイスについては、販売者の電子署名は原則不要です(政令70/2025/ND-CP 第8条第5項)。その代わりに、税務当局から発行される「識別コード」で真正性を担保します。
まとめ:今こそ、最適なPOSを選ぶタイミング!
2025年6月以降、POSでのインボイス発行は「義務」ですが、見方を変えれば業務を見直すチャンスです。
- まだExcelでレジ締めしてる
- 現金とキャッシュレスの管理がバラバラ
- 紙の領収書が面倒…
そんな現場の悩みを、POSが一気に解決してくれます。
このブログで紹介した各社は、いずれも電子インボイス対応済み&現場での導入実績多数。あとは、あなたの業種・規模・目的に合わせて、ぴったりの1社を選ぶだけです。
「義務」対応を、「効率アップ」につなげましょう!
この記事は、政令70/2025/ND-CP、通達78/2021/TT-BTC、各POS会社公式サイトの一次情報に基づいて執筆しています。
※記載情報は2025年7月時点の内容を想定。今後の改正等がある場合は税務総局またはサービスプロバイダにて最新情報をご確認ください!!