こんにちは!マナラボの菅野です。
今回は、ダナンに“未来の特区”ができるよ!というお話。
そう、**自由貿易区(FTZ)**ってやつですね。

2024年に国会で決まった制度(決議136号)に続き、
2025年6月13日、ついに首相が**実行命令(決定1142/QĐ-TTg)**を出しました!

✅ 「で、結局どこにできるの?」

✅ 「何のビジネスが対象?」

✅ 「うちの会社に関係あるの?」

そんな疑問を持つみなさんのために、今回はこの決定1142号をわかりやすく整理していきます!

最初に概要も表にて説明しますね。

条数見出し(仮訳)内容の詳細概要
第1条ダナン自由貿易区の設立– 「Khu thương mại tự do Đà Nẵng(ダナン自由貿易区)」の設立を正式決定。- 総面積は1,881ヘクタール、ダナン市内の7つの非連続エリアにまたがる構成。- 各ゾーンには、製造、物流、商業サービス、IT・イノベーションなど、特定の機能が割り当てられる予定。
第2条各ゾーンの位置・面積・境界情報– 7つのゾーンそれぞれについて、所在地(地区名・町名)、面積(ha)、隣接する地理要素(河川・道路・既存施設)を詳細に記載。- たとえば:ゾーン1(100ha)はLien Chieu区にあり、Lien Chieu港や工業団地に近接。- 将来的な行政区画変更があった場合の対応にも言及(例:新しい町名への読み替えなど)。
第3条計画整合性と行政責任– 計画の整合性・実行の責任はダナン市人民委員会(UBND)にあることを明記。- 特に「ゾーンごとの整備内容」は、2024年国会決議第136/2024/QH15号第13条の規定と一致させることが求められる。- 区域計画、国・地域・都市の開発戦略に沿ってゾーンを構築する必要がある。
第4条施行日と関係省庁への指示施行日は署名日(2025年6月13日)=即日施行。- UBNDダナン市がゾーン境界の正確性を保証し、行政区画の再編時も内容の整合性を保持することが義務付けられる。- 関係省庁(計画投資省、建設省、自然資源環境省など)は、整備・運営の指針と連携協力を行う。

それでは行ってみましょう!

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1. 🏗 まずは背景から:決議136号と決定1142号の関係

分類内容
🧾 決議136号(2024年6月 国会)「ダナンに自由貿易区つくってOK!」と法律で制度化。税制優遇、戦略投資家、AI支援など幅広く規定
🏛 決定1142号(2025年6月 首相)「じゃあ、実際にどこにどうつくるか」を決定。ゾーンの位置、面積、方向性を明示。

つまり…

🧩 136号が「ルールブック」、1142号が「地図と設計図」

この2つが揃って、ダナンFTZが「制度」から「現実」へと動き出したんです!

 決定1142号の中身をざっくり言うと?

正式なFTZの設立!

  • 名前:ダナン自由貿易区(Khu thương mại tự do Đà Nẵng)
  • 規模:総面積1,881ヘクタール(東京ドーム約400個分!)
  • 特徴:7つのゾーン(非連続)で構成

2-2. どこにできるの?7ゾーンのざっくり整理!

ゾーン面積主要エリア想定機能
1約100haリエンチュウ港北部港湾物流・冷蔵倉庫など
2約77ha観光複合地域と隣接商業・観光向け複合施設
3約500ha経済回廊沿い大型工業団地・製造
4約559ha高台・災害に強いR&D・スマート製造
5約90ha森林と水源地帯高級リゾート開発地
6約154ha農村+交通接続良観光+アウトレット複合
7約401haバナ山エリアIT・医療・国際金融センター

💡 各ゾーンごとに「想定される産業分野」が違う点に注目です!


行政の責任体制も明記!

  • 実行責任者:ダナン市人民委員会
  • 計画や区画の調整も市が担当
  • 計画の根拠はすべて決議136号の第13条

ゾーンごとの整備方針はどうなってるの?

決定文の後半(設立趣旨・整備方針パート)では、
各分野ごとに「ダナンでこういう産業を育てたい!」という方向性が書かれています。

分野方向性
製造業グリーン製造、輸出指向、部品加工などを優先
物流港湾と一体化した効率的な国際物流ネットワーク
サービスハイクラスな商業・観光・MICE施設の整備
IT・AIスマート製造、AI、半導体、再エネ関連技術に力点

🎯 特に「AI・半導体」「再エネ・グリーン」など、ハイテク寄りの支援が手厚いのが特徴です!

戦略的投資家との接続ポイント

実はこのFTZ、戦略的投資家(Strategic Investors)向けに開放される優遇区域なんです。

国会決議136号第12条によると、以下のような「戦略案件」がFTZとリンクしてるんです👇

項目内容
最低投資額例えば4.5兆VND(270億円相当)の案件まで定義あり
対象分野AI、半導体、スマート製造、インフラ投資など
優遇内容税制優遇、土地取得の特例、通関優遇 など

>>🇻🇳【4つの注目制度】ベトナム国会決議136号で誕生する“特別ダナン”の中身とは?

日系企業が起こすべき行動とは?

アクション内容詳細なポイント日系企業へのおすすめ対応
✅ ① ゾーン適正の確認自社ビジネスとFTZ内7ゾーンの機能の相性を検討製造業=位置3(物流製造)、IT企業=位置7(デジタル産業)など業種ごとの適合ゾーンを整理し、進出候補地を絞る。不動産・進出支援企業と初期相談を実施
✅ ② 戦略的投資家制度の検討条件により税制・土地取得など大きな優遇あり資本金・業種・実績に応じて、戦略的投資家または戦略的パートナー該当の可能性あり資本要件や過去実績を照合し、専門家へ相談。条件を満たすよう中長期計画を見直す
✅ ③ 制度動向の継続的モニタリングFTZの「場所」は決まったが、募集・手続きは今後募集開始、土地手続き、交通・上下水インフラ整備の進捗を継続監視公式情報(人民委員会・商工会・専門ブログなど)をフォロー。予備調査出張も視野に
 
このようになるのかなと思います。

今後の注目ポイント

  • 各ゾーンの**「分譲開始時期」や「募集要項」**
  • 実際のインフラ整備の進捗
  • ダナン市の投資申請窓口や「行政ワンストップ体制」の整備

これから動き出す「現場」の方が、企業にとって重要です!

まとめ:1142号で、ようやく地図ができた!

FTZの制度(=枠組み)は136号、
そして、その中身(=どこに何を)を決めたのが1142号。

✨ これで、企業は「検討フェーズ」から「計画・申請フェーズ」に進めます!

ダナンあついですね!