こんにちは!マナラボの菅野です。
「うち、100%外資なんですけど…VNeID、まだ申請できませんでした」
「代表が日本人で、登録しようとしたら断られたんです」
最近、こんな相談がちょこちょこ増えています。
2025年4月に出された文書番号:1007/BQL-DN。これ、工業団地に入ってる企業なら見逃せない重要通知です。
でも、特に外資企業・外国人代表の企業にとっては、実はちょっと「やっかい」な内容になっています。
この記事のもくじ
まず、VNeIDって何?なんで登録が必要なの?
VNeID(国家電子識別アプリ)は、ベトナム政府が進めるProject 06(行政のDX化プロジェクト)の中核をなすアプリ。
法人や個人が電子的に本人確認を行い、あらゆる手続きをスムーズに進めるためのツールです。
税務申告、納税、インボイス、社会保険申請、事業許可の更新…
今後の行政手続きは「VNeIDアカウントなしでは進められない」世界になるのです。詳細は以下。
>>7月1日から完全移行!VNeIDがないとベトナムでの行政手続きにアクセス不可に?【企業必読!実務も解説】
文書番号:1007/BQL-DNってどんな通知?
発行日:2025年4月14日
発行機関:バリア=ブンタウ省 工業団地管理委員会
オフィシャルレターについては以下の通り。すべての会社に適用されるわけではないのでそこは要注意です。
>>【完全ガイド】ベトナムのオフィシャルレター(Công văn)とは?7種類の文書タイプと実例を徹底解説!
内容:
「工業団地内のすべての企業は、2025年6月30日までにVNeIDの法人登録を完了せよ」
つまり、「うちはまだ関係ない」は通用しません。すべての企業、つまり日系企業も100%外資も含む、ということです。外資系の意味については以下を参照のこと。
>>ベトナムにおける「外資系企業」の定義と実務対応【出資比率だけじゃないリアルな話、49%だからローカルは危険?】
【重要】でも…「外国人代表」(法定代表者)だと登録できないの⁉
ここが最大の論点かなとおもいます。日系企業にとっては。
実は、この通知の中には次のような一文があります。
✅ 「外国人が代表者である企業、または出資者に外国人を含む組織は、国内企業の登録処理が完了してから順次対応する」
つまりこうです👇
- ✅ ベトナム人代表の企業: 先に登録OK
- ❌ 外国人代表の企業: 登録は“保留”状態(6月30日には間に合わない可能性も)
なお、法的代表者については以下を参照のこと。
>>【ベトナム会社法を学ぼう!】社長と総社長の違いと「法定代表者」との関係
なぜ外資系(日系企業)は後回しなの?
理由は、レベル2の電子識別アカウントが前提だからです。
レベル2とは?
⇒ 顔写真・指紋データを公安省が認証した「強い本人確認アカウント」
しかし外国人の場合、
- 生体情報の未登録
- 外国パスポートでの本人確認の煩雑さ
…などがあり、登録処理が難航するのです。
>>ベトナムのVNeIDってなに?日本人にとってどう便利?どう影響する?【2025年7月1日から】
だから政府側も、
「まずは国内企業をさばいてから、外国関係は別ラインでやりますね」
という姿勢をとっています。
外資系はいつ登録できる?予定はあるの?2025年7月以降?
具体的な「再開日」は現在、発表されていませんが、
国内企業の処理完了 ≒ 2025年7月以降
それ以降、各工業団地単位で順次外資系へ処理開始
という流れが濃厚かなあと思います。
今、あなたの企業がすべき5つのアクションとは?
✅ 1. 法定代表者のレベルを確認
→ ベトナム人代表がレベル2アカウントを持っているなら、すぐ申請OK!
✅ 2. 外国人代表は、レベル2取得の準備を(ただし7月1日以降
→ 必要書類:
- パスポート
- TK01申請フォーム(政令69/2024/ND-CP添付)
- 指紋&顔写真登録のため、出入国管理局へ出向
✅ 3. 書類は早めに揃える
- 登記証(ERC)
- 会社所在地
- 電話番号と代表者メール
✅ 4. 登録場所は柔軟に選べる!
→ 居住地に関係なくどの省でも申請可能(政令69/2024/ND-CP 第10条)
✅ 5. 工業団地管理委員会との連絡を密に
→ 各団地で処理スケジュールが異なるため、「待ちの姿勢」では遅れるリスク大
🧾 実務チェックリスト(参考)
項目 | 対応済? | メモ |
---|---|---|
代表者のVNeIDレベル確認 | ✅ / ⬜ | レベル2が条件です |
TK01フォームの準備 | ✅ / ⬜ | 署名・指紋欄あり |
書類提出先を確認 | ✅ / ⬜ | 出入国管理局/省警察など |
工業団地への報告体制 | ✅ / ⬜ | 進捗を逐一共有 |
外国人代表の代行者検討 | ✅ / ⬜ | ベトナム人に委任可能? |
まとめ:「まだできない」で止まらないために
VNeID登録は避けられない流れです。
外資だからこそ、今のうちに「準備→申請→報告」の流れをつくっておくことが、ビジネスの安定運営につながります。
📣「登録できる日」を待つのではなく、「登録できる準備」をしておきましょう!
不安な方、会社としてどう進めるか迷っている方、マナラボでは実務支援今後もも用意しています。
お気軽に「VNeIDサポート希望」とご連絡くださいね!
ではまた!