こんにちは!マナラボの菅野です。
「うちは奥さんがベトナム人なんですけど、ワークパーミットっていらないですよね?」
こういうご相談、ちらほらあります
結論はこうです。
✅ ベトナム人配偶者がいる外国人は、労働許可証の取得が免除されます。ただし“免除証明”の取得手続きが必要です!
この記事では、法令の根拠を明記しつつ、**具体的にどうすればいいのか?**を実務目線で詳しく解説していきます。
この記事のもくじ
労働許可証って何?そしてなぜ免除されるの?
ベトナムで外国人が働くためには、「労働許可証(Giấy phép lao động)」が原則必要です。
でも、一定の条件を満たせば取得が免除されることが、政令で定められています。
📘 【根拠条文】
Nghị định 152/2020/NĐ-CP(政令152/2020)第7条第2項c
Nghị định 70/2023/NĐ-CP(政令70/2023)により改正
条文の抜粋(ベトナム語原文):
“Người nước ngoài kết hôn với người Việt Nam và đang sinh sống trên lãnh thổ Việt Nam không thuộc diện cấp giấy phép lao động.”
🔍 和訳:
「ベトナム人と婚姻関係があり、ベトナム国内に居住している外国人は、労働許可証の取得対象外である。」
「免除=何もしなくていい」ではない?
ここがよく誤解されがちなのですが、
免除対象=自動的に免除されるわけではありません。
企業が外国人を雇用するには、「この人は労働許可証が不要である」という**公的な確認書類(証明書)**が必要です。
つまり、
✅ 「私は労働許可証が要らない対象です!」と公式に証明してもらう手続きが必要です。
これが 「免除確認証明書(Giấy xác nhận không thuộc diện cấp giấy phép lao động)」 です。
免除申請に必要な5つの書類(2025年時点)
書類 | 詳細 |
---|---|
① Mẫu số 09/PLI | 労働許可証免除確認の申請書。政令152/2020付属の公式様式。企業が代理記入します。 |
② パスポート(コピー) | 有効期限内で全ページのコピー+公証(または企業印) |
③ 結婚証明書 | ベトナムの証明書なら原本、国外発行ならベトナム語訳+公証+領事認証が必要 |
④ 健康診断書 | 発行から12ヶ月以内。ベトナム国内病院推奨。認可された病院のリストあり。 |
⑤ 雇用関連書類 | 雇用契約や職務説明書など。※2023年改正により「雇用需要申告」は不要になりました。 |
📘 【根拠条文】
- Điều 9, Nghị định 152/2020/NĐ-CP
- Điều 2, khoản 7, Nghị định 70/2023/NĐ-CP(需要申告免除に関する改正)
ベトナムの健康診断って、どこで受ければいいの?
健康診断書は絶対に必要です。
12ヶ月以内に発行されたもので、企業提出用に整っている必要があります。
医療機関(ホーチミンの例):
- FV Hospital(外国人慣れしている)
- Columbia Asia Gia Dinh
- 115 People’s Hospital(コスト重視)
📘 【根拠条文】
Điều 9, khoản 1, điểm g – Nghị định 152/2020/NĐ-CP
注意! 海外の診断書は使えないわけではありませんが、
ベトナム語翻訳+公証+在外公館の認証が必要で手間と費用がかかります。
手続きの流れ(企業が主体)
- 📑 必要書類を企業と相談して準備
- 🏢 管轄の省または市の「労働・傷病兵・社会局(Sở LĐTBXH)」に提出
- 📬 正式受理から5営業日以内に結果通知
- ✅ 「Mẫu số 10/PLI(免除確認証明書)」が発行
- 🖊 雇用契約の締結が可能に!
📘 【根拠条文】
Điều 8, khoản 3 – Nghị định 152/2020/NĐ-CP
有効期間と更新について
✅ 有効期間は最長2年間(2 năm)
✅ 再雇用、契約更新がある場合は再度申請が必要
📘 【根拠条文】
Điều 10 – Nghị định 152/2020/NĐ-CP
この証明書が切れると、合法的な雇用ができなくなります。
配偶者ビザの延長タイミングと合わせるのがベストです!
よくある質問(実務ベースQ&A)
Q1:結婚証明書がまだ発行されていないけど申請できる?
→ いいえ、できません。婚姻届の受理証明だけでは不十分で、正式な証明書が必要です。
Q2:配偶者がベトナム人で、日本で結婚した場合もOK?
→ OKです。ただし、日本で発行された証明書はベトナム語訳+公証+領事認証が必須です。
Q3:配偶者と別居している場合は?
→ 条文では「ベトナムに居住していること」が条件。別居していると否認される可能性があります。
Q4:観光ビザで滞在してるけど、免除証明だけもらえますか?
→ いいえ。観光ビザでの就労は違法です。まずは配偶者ビザ(TTビザなど)への変更を。
まとめ:配偶者がいても“申請ゼロ”じゃない!
ベトナム人配偶者がいる場合、たしかに労働許可証は免除されますが、「免除されることを証明する手続き」が必要です。手続き自体はそこまで大きく変わらないように感じます。
手続きを怠ると、雇用企業が処罰されるリスクがあります。
💡実務ポイントまとめ
- ✅ 免除されるには「配偶者+国内居住」が条件(政令152/2020 第7条)
- ✅ 必要書類は5つ。特に健康診断と結婚証明書が重要
- ✅ 提出先は労働局。結果は原則5営業日以内
- ✅ 証明書の有効期間は最大2年。期限管理に注意!
最後に、2025年現在でもこの制度は**“手続き簡略化”の恩恵を受けられる代表的なケース**です。
該当する方は、うまく制度を活用してベトナムでのキャリアをスタートさせましょう!
この記事が「今ちょうど準備中…!」という方の参考になればうれしいです😊