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今回は『ベトナムの自然災害基金の内容と罰金、そして実務』についてお伝えします。

もしあなたの会社が突然、当局から自然災害基金についての徴収が来てしまうことがあるかもしれません。

ベトナムの自然災害基金とは?

まず定義等の基本的な考えを解説します。

ベトナムで発生する自然災害の予防および対策・支援活動を行うことを目的に設立された基金のことです。自然災害基金の根拠は以下の通りです。

  • 災害防止法(33/2013/QH13)の第10条
  • 自然災害の予防と制御のための基金の設立と管理について政令94/2014/ND-CP号
  • 災害管理基金の設立・運営に関する政令78/2021/ND-CP号
  • 自然災害防止分野関する規則に対する行政違反に対する罰則 政令104/2017/ND-CP
  • 自然災害対策、灌漑、洪水調節システムに関する規制に対する行政違反に対する罰則規定、政令03/2022/ND-CP号

基金の主な使途は以下のようになっています。政令94/2014/ND-CP号の9条に記載されています。

  1. 自然災害防止管理活動の支援:被災者への緊急支援や施設修復、衛生対策、避難所の修復などが挙げられます。1施設あたりの予算は10億ドンまでとされています。
  2. 自然災害対策活動の支援:危険地域からの避難支援や健康管理、食料・飲料水の提供、自然災害に関する情報発信等があります。
  3. 予防活動の支援:自然災害の予防と制御に関する法律の普及や、地元レベルでの予防計画の策定と訓練が支援の対象となっています。
  1.  

自然災害基金についての負担額

一定の例外を除いて、この自然災害基金を①会社と②個人が負担する必要があります。政令78/2021/ND-CP号に記載されています。なお、個人の拠出分も含めて、企業が個人より徴収して管轄の人民委員会に納付する義務を負うようです。

これに加えて企業は、毎年5月15日までに基金の納付等の計画について提出する義務を負います。

負担いくら?12条

いつまで払う義務があるか?第15条5項

企業

現存資産の総価値の0.02%(最低500,000VND、最高1億VND)。組織の運営費として計上される。なお、自発的な貢献、助成金、援助、金融支援も含め損金算入可能。

半分を毎年7月末、残りは11月末までに納付

個人

【労働者】企業で労働契約に基づいて働く従業員は、労働契約で合意した月間労働日数で地域ごとの法定最低賃金率の半分を支払う。

年間。毎年7月末

実際のインパクト

例えば、1億の資産を持っている会社であっても2万円です。個人負担も年間で数百円です。そこまで大きくありませんね。

自然災害基金についての罰則規定

政令03/2022/ND-CP号の第17条によれば以下のように規定されています。

  1. 災害管理基金への支払いを怠った場合の罰金は、300,000VNDから50,000,000VND。未納部分の金額に応じる。以下の表をご覧ください。
  2. 管理下の個人による支払いの徴収計画と災害管理基金へ納付のリストを提供しないまたは不十分に提供した事業組織には、5,000,000VNDから10,000,000VNDの罰金
支払うべき金額の範囲罰金
300,000VND未満300,000VND – 500,000VND
300,000VND – 500,000VND未満500,000VND – 1,000,000VND
500,000VND – 3,000,000VND未満1,000,000VND – 3,000,000VND
3,000,000VND – 5,000,000VND未満3,000,000VND – 5,000,000VND
5,000,000VND – 10,000,000VND未満5,000,000VND – 8,000,000VND
10,000,000VND – 20,000,000VND未満8,000,000VND – 12,000,000VND
20,000,000VND – 40,000,000VND未満12,000,000VND – 20,000,000VND
40,000,000VND – 60,000,000VND未満20,000,000VND – 30,000,000VND
60,000,000VND – 80,000,000VND未満30,000,000VND – 40,000,000VND
80,000,000VND – 100,000,000VND未満40,000,000VND – 50,000,000VND

例えば個人の負担額は年間で数百円ですから、未納の場合の罰金もそこまで大きくはありません。

ただ、納付の計画について提出しない場合には少し大きな金額かもしれません。

自然災害金の実務について

2017年以降以下に記載の通り、日系を含めた進出企業に対して自然災害基金)の徴収が強化されたという背景がありました。たしかに同基金については法令上の根拠が既にあるものの、実際の徴収は地方ごとに行われ、時期にもついてもバラバラでされない地方もありました。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/10/f7e83591552c7289.html

工業団地については2017年以降、ほとんどの企業が納付しているという印象が強いです。市内にあるサービス会社についてはまちまちです。まだ納付してない会社も少なくありません。

ただ、それ以外でも各自治体から自然災害基金の徴収を求める書面を受け取った場合、納付する必要があるでしょう。