みなさんこんにちは、マナボックスの菅野です。
2021年9月24日に116/NQ-CPという決定書が発行されました。
Covid-19により、経済及び社会に及ぼすネガティブな影響、特に労働者と雇用者の通常の活動への影響に直面しています。これに対応するためベトナム政府は、covid-19の流行の影響を受けた労働者と雇用者を支援する政策に関する決議番号116 / NQ-CPを発行しました。雇用(失業)保険基金に関連する
本政策の目的は、労働者の生活の安定化、雇用者のビジネス維持の支援、労働サプライチェーン中断の防止、社会保障の確保等々に貢献することです。
- ベトナムに進出しており、コロナに関連した補助金等の支援を知りたい。資金繰りの影響を知りたい
- ベトナム 人の従業員への支援についての具体的な手続きが気になる
それでは解説していきますね。
この記事のもくじ
雇用者側と従業側への2つのお金の支援がある。影響額も計算しよう!
繰り返しになりますが116/NQ-CPは、コロナによって影響を受けた(今回は全体)会社及び従業員のお金の補助の支援の決定書です。
- 雇用者:雇用保険の会社負担が1%から0%、2021年10月から2022年9月30日
- 従業員:給付金がもらえる(一回限り)VND1,800,000〜VND3,300,000
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まず雇用者、つまり、会社側への財務的な支援ですが「雇用保険」(UI)の会社負負担が1%から0%になります。失業保険ではなくて雇用保険という言葉で統一します。
2021年7月1日付けの「政府決議第68号/NQ-CP」による「労災・職業病の給付」では0.5% が免除となっていました。これとあわせると1.5%の減額となります。授業員を多く抱える会社にとっては小さくない資金繰への影響だと思います。年間で百万円を超えるケースもあるでしょう。
雇用保険(Unemployment Insurance)の場合、計算の方法として地域別最低賃金の20倍を上限としています。これは大体2万円くらいですので、上限は40万円です。この水準の人はほとんどいないと思います。そのため、雇用保険の会社負担額の影響として給与の1%が減額されてると理解していいでしょう。つまり、給与が1,000ドルの人の場合10ドルです。
そのため、従業員が1,000人など大きな会社では影響金額がそんなに小さくはないはずです。例えば、月に70,000USDの給与が発生している場合、すごく概算ですが、月700ドルの支払減額が見込めます。年間にすると8,400ドルくらいですよね。そんなに小さくはないのかなと。
保険の種類 | 上限額 |
社会保険(SI) | 公務員の最低賃金の20倍 (1,490,000VND) |
健康保険(HI) | |
雇用保険(UI) | 地域別最低賃金の20倍 |
続いて従業員側への影響です。以下の表のようになります。
保険の加入期間 | 一人当たり給付金(一回限り) |
12ヶ月未満 | VND1,800,000 |
12ヶ月から60ヶ月 | VND2,100,000 |
60ヶ月から84ヶ月 | VND2,400,000 |
84ヶ月から108ヶ月 | VND2,650,000 |
108ヶ月から132ヶ月 | VND2,900,000 |
132ヶ月 | VND3,300,000 |
対象者は以下の通りです。
- 2021年9月30日時点で「雇用保険」に参加している従業員(国家公務員・従業員を除く)および
- 以前は「雇用保険」に参加していたが、2020年1月1日から2021年9月30日までの間に労働契約の終了により加入を中止し、「雇用保険」から雇用保険の給付金を受け取っていない従業員(国家公務員・従業員を除く)
要するに現時点で「雇用保険」に加入している人と、2019年12月まで加入していた場合で雇用保険のお金(失業手当)をもらっていない人のことです。
上記の金額は個人にとって小さくはない金額ですのでベトナム人の間では話題になっているそうです。ただ、強制保険に加入している率は30%なんていう情報もありますのでこの給付金を貰えない人も多いはずです。
もしかしたら、強制保険の加入の啓蒙的な意味も入っているのかもしれません。
ベトナム人が気にしている!コロナ給付金申請の手続きの流れ
では、実際従業員の方はどのような手続きが必要になるでしょうか?2つの枠組みがあるので、その流れの概要を紹介します。
2021年9月30日時点で雇用保険に加入している場合
雇用主(会社)が関わる手続きが含まれますのでそこは留意しましょう。サインなど求められるかもしれません。
2021年1月1日から2021年9月30日までの間、失業保険への加入を停止している従業員
今日のまとめ
本日は、116/NQ-CPについて解説しました。
- 雇用主側の財務的な支援、会社が負担する雇用保険が1%→0%。
- 従業員へのお金の給付金の支援
の2つがありました。
是非資金繰りに影響させてみてくださいね。