こんにちは!マナラボの菅野です🌱

「少額の経費なら現金でサッと払えばいいでしょ〜」
…そんなふうに思っていませんか?

でも、ちょっと待ってください。
**2025年7月1日からは、たとえ2,000万VND未満でも“非現金で払わないと、VATの控除ができなくなる”**ってご存じでしたか?

2024年にざっくりと以下で解説していました。今日はそのうちどれくらい「お金」で使うことが許されるの?という観点の改正の解説です。

>>2024年付加価値(VAT)税法(48/2024/QH15)の改正点を詳しく解説!

「え?何それ?」「うちの経費、結構現金なんだけど…」という方のために、

今日は、ベトナムの新しい付加価値税ルールを、やさしく・わかりやすく解説していきますね!

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🧾 そもそも何が変わるの?〜法律でチェック!

まずは根拠条文をさらっと見てみましょう。

📘 付加価値税法2024(法48/2024/QH15)第14条第2項b号

「商品・サービスの仕入にかかる付加価値税は、非現金支払証憑がある場合に限って控除が認められる。政府が定める特別なケースを除く。」

つまり、これまでは現金OKだった2,000万VND未満の支払いでも、非現金じゃないとダメになるということ。

これは、現行法(2013年改正法)で認められていた“例外”がなくなるという、なかなか大きなインパクトのある変更です。

現金払いだとどうなるの?〜控除NGのリアルな意味

VAT控除ができないって、どういうことかと言うと…

  • 仮払VAT(いわゆるインプットVAT)として帳簿に記録できない
  • 売上にかかるVAT(アウトプットVAT)から差し引けない
    → 結果:VATをそのまま“余計に”納めることになる!💸

以下の知識が前提となるのでぜひご覧ください。

>>ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける!

たとえば、こういうケースです👇

  • 文房具を6,000,000VND分購入(VAT込み)
  • VATインボイスあり
  • 現金で支払い
  •  非現金支払証憑がない → VAT 600,000VNDは控除NG!

えっ…インボイスもあるのに…って思いますよね。
でも、それが新しいルールなんです。

 よくある「現金払い」って、どんな取引?

「いや〜、うちそんな大きい金額の買い物してないから大丈夫」と思ったそこのあなた。
実は、少額こそ落とし穴なんです!

よくある“現金で済ませがち”なシーンをまとめてみました👇

シチュエーション実際によくある現金支払い例
🥢 接待・会食その場で現金払い(1回8百万VNDとかも)
🧳 出張・旅費現地でのタクシー代、ホテル代を立替
🖨️ 備品購入プリンターや棚などの小規模な設備
🛠️ 修繕工事地元業者にちょこっと現金払い
👛 社内精算社員が先に立て替えて、後から現金精算

📌 金額の合計が500万VND(税込)を超えると、現金NGになる見込みです(政令草案より)。

🏦 非現金支払証憑って、何を指すの?

控除OKな支払方法は、次のような“証拠が残る”ものです👇

  • 銀行振込(送金指図書、集金指図書など)
  • 小切手(czech)(小切手って使っているのかしら)
  • クレジットカード、デビットカード
  • 電子マネー・SIMカード決済(正規eウォレット)
  • 委任支払(lệnh chi)
  • 契約に明記された三者間支払・債権相殺(※帳簿・契約・証憑ありが条件)
  • 国庫口座への支払(行政執行などによる第三者口座への振込)

よくわからないのもあるんですが銀行振り込みか?クレジットカードが良さそうですね。私もグラブや接待費はクレジットカードを使っています!

要は、「ちゃんと証憑があって追跡できる支払い」です。ややこしいのですが「認められる支払方法を具体的に列挙」はVAT施行細則にされているようです。

項目法令内容
原則付加価値税法2024 第14条第2項b号VAT控除には非現金証憑が必要(例外は政令で定める)
詳細VAT施行細則(第3次ドラフト政令 第10条案)認められる支払方法を具体的に列挙(銀行振込、カード等)

法人税(CIT)にも影響あるの?

はい、実はあります。

現時点ではまだCIT側の正式通達は出ていませんが、従来からCITの損金算入のルールはVATと連動しており、
今後も**「500万VND超は非現金でないと損金算入不可」になる可能性が高い**とみられています。

つまり…

💬「現金で払ったらVATもCITもダメになるかも…?」

そんな時代がすぐそこまで来ています。損金算入か?否か?については以下を参照してください。

>>ベトナム損金不算入のまとめ【37個を5つに整理】

いますぐ社内でできる5つの対応チェックリスト✅

やること説明
① 支払規程の見直し「500万VND以上は非現金」のルールを明文化
② 精算フローの変更社員立替もカード・振込に切替を
③ 会計システム調整金額に応じて支払方法を自動判定
④ 従業員教育「現金NGのライン」をしっかり共有
⑤ 取引先との調整現金取引の多い業者にも振込対応をお願い

まとめ|“少額だから現金でOK”はもう通じません!

項目旧ルール(〜2025/6)新ルール(2025/7〜)
現金支払の許容2,000万VND未満はOK500万VND以上は原則NG(予定)
VAT控除インボイスあればOK非現金証憑が必須
CIT損金VAT基準に連動する傾向同様の見直しが予想される

2025年7月1日以降は、“少額だから大丈夫”の思い込みが税務トラブルに繋がります。
でも今なら、社内制度と仕組みを整える時間はまだあります

この変化はピンチじゃなくて、
💡「業務の透明性を上げるチャンス」
💡「キャッシュレス&スマート経理への一歩」

と思って、前向きに取り組んでいきましょう!