こんにちは!マナラボの菅野です

今日は「様式第03号の雛形解説と記入マニュアル」についてお話しします。

様式第03号は、新しい労働許可証の政令に記載されてあるフォームのことです。

>>政令219/2025/ND-CPで何が変わる?外国人労働者の労働許可証手続き短縮と免除条件まとめ【2025年8月7日公布!】

この名前、ちょっと硬いですよね。でも、この書類、外国人労働者を雇うときに必ず通るゲートなんです。新規の発給、再発給、延長、どれでも出番があります。

この記事を読むと、

  • 「どこに何を書くのか」がはっきりわかります
  • 実務でよくやってしまうミスも避けられます
  • 提出後に「不備です」と返される不安が減ります

初めて書く人でも、迷わず完成できるはずです。
そして、経験者でも「あ、ここ見直さないと」という発見があるはずです。

なぜ「様式第03号」がそんなに重要なのか?

まず定義。

「外国人を会社で働かせたいときに、会社が『この人を雇いたい理由』と『許可をください』って役所にお願いするための紙」です。

もっと身近な例にすると、
学校の部活で「新しいコーチを外国から呼びたい!」となったときに、

  • この人がどんな人なのか(名前や経歴)
  • どんな役割で来てもらうのか
  • どうしてこの人じゃないとダメなのか

を先生(=役所)にきちんと説明して、OKをもらうための申請書、みたいなイメージです。

シンプルに言えば、**「外国人を雇うための理由書とお願い状をまとめた紙」**ですね。

一昔前は、雇用需要の報告労働許可証の申請は別々でした。
でも、政令219/2025/ND-CPで「ひとつにまとめよう!」という流れになったんですね。実際に効率化されるか?はまだわかりません。実務の影響はこれからわかっていくでしょう。

シンプルに言えば、

「この外国人を雇いたい理由」+「許可をくれという正式なお願い」
が、1枚の紙に詰まっているんです。

つまり、ここで書き漏れや間違いがあると、
「え?必要性が伝わらないんだけど…」と判断されてストップがかかります。


労働許可証のための「様式第03号」の全体像と構造

このフォームは、大きく3つのパートに分かれています。

  1. I. 雇用主情報
     会社や団体のことを紹介するエリアです。住所や従業員数、許可証の番号などを正しく書きます。

  2. II. 雇用需要の説明
     「ベトナム人を募集したけれど採用できなかった」という背景を説明します。求人広告の添付もここで関係します。

  3. III. 労働許可証の申請内容
     外国人本人の情報(氏名、国籍、パスポート番号など)や職務内容、雇用期間、学歴・職歴を記入します。

全体の見た目はシンプルですが、一つひとつの項目に落とし穴があります
図解にするとこんな感じです(※ここに雛形の日本語化レイアウトを掲載するとわかりやすいです)。

様式第03号の項目ごとの記入方法と注意点を解説!

I. 雇用主情報

  • 会社名・種類:登記名をそのまま。略称や省略はNGです。
  • 住所:番地・通り・区・市まで正確に。省略すると不一致扱いになります。
  • 従業員数:総数と外国人労働者数の両方を必ず記入します。
  • 営業許可証:発給機関名、有効期限を忘れずに。

💡 実務のコツ:提出前に、許可証の写しと照らして一字一句合っているか確認してください。


II. 雇用需要の説明

  • 「外国人を雇う必要がある理由」を書きます。
    ベトナム人を募集したが採用できなかった経緯を簡潔に。
  • 募集広告は申請日の直近(できれば3か月以内)がおすすめかも。

💡 よくあるNG例:「応募ゼロ」とだけ書いて証拠を添付しないケース。必ず広告のコピーを添付してください。


III. 労働許可証の申請内容

  • 外国人情報:氏名はパスポート通りに(英大文字)。国籍・パスポート番号も正確に。
  • 職位・職務内容:「管理者」「総支配人」「専門家」「技術者」のいずれかに明確に分類します。
  • 職務コード:首相決定34/2020/QD-TTgの職種コードを使います。
  • 雇用期間:最大2年。パスポートや契約期間と一致しているか要チェック。
  • 学歴・職歴:業務内容との関連性を示すことが重要です。

💡 実務のコツ:職歴は「会社名/期間/職務内容」の形でそろえると審査が早いかも。

【様式第03号】の内容

【様式第03号】項目ごとの記入方法と注意点(日本語翻訳付き)


I. 雇用主に関する一般情報

原文翻訳

  1. 雇用者名:………………………………………………………….

  2. 雇用者の種類²:……………………………………………………

  3. 雇用者識別番号(ある場合):…………………………………

  4. 総従業員数:…名
     そのうち外国人労働者数:…名

  5. 住所³:……………………………………………………………………

  6. 電話/Eメール(ある場合):………………………………………..

  7. 事業/設立/営業許可証番号:……………………………………………..
     発給機関:……………………………………… 有効期限:………………………
     主な事業/活動内容⁴:……………………………………………………………
     *条件付き事業分野がある場合:
     営業/事業許可証番号:…………………………………………………………
     事業/活動分野⁵:………………………………………………………………..
     発給機関:……………………………………… 有効期限:………………………

  8. 連絡担当者(電話番号・メール):……………………………………………

記入方法と注意点

  • 雇用者名:商業登記やライセンスに記載されている正式名称を使います。略称や翻訳した名称は不可です。
  • 雇用者の種類:国営企業、外資系、非営利団体など、政令の注記(2)にある分類に従って具体的に記載します。
  • 住所:番地から省までの完全表記が必須。略称や英語表記は受理されないことがあります。
  • 従業員数:外国人の数も正確に記入(労働局が照会する場合があります)。
  • 営業許可証情報:発給機関・有効期限を必ず記載し、添付書類と完全一致させること。
  • 条件付き事業:該当する場合のみ、関連許可証番号と分野を記載します。

II. 雇用需要の説明

原文翻訳

「申請書提出日の少なくとも5日前に、雇用者は外国人採用予定職種について、労働法第11条第1項の規定に従いベトナム人労働者の募集を告知している…(求人広告添付)。しかし、当該職位についてベトナム人を採用できなかった。」

記入方法と注意点

  • 簡潔かつ具体的に:「応募者なし」や「必要資格保持者がいなかった」など理由を明確に。
  • 募集広告の添付:求人媒体、日付、職務内容、条件が明記されている広告をコピーして添付。
  • 注意:募集からあまりに時間が経っている広告は無効扱いされる場合があります(目安:3か月以内)。

III. 労働許可証の申請内容

原文翻訳

  1. 基本情報

    • 氏名(大文字):……………………..

    • 生年月日:……………………………….

    • 性別(男/女):……………………………..

    • 国籍:……………………………………………………

    • パスポート番号:………………………………………
        有効期限:………………………………………

    • 個人識別番号(ある場合):……………………………

  2. 予定職務に関する情報

    • 職位⁶/職務内容:………………………………….
        具体的職務分野⁷:…………………………………..

    • 就労形態⁸:…………………………………

    • 技術・専門資格(ある場合)⁹:………………………

    • 勤務先(第I項と異なる場合):
        雇用者名/種類/識別番号(ある場合)

    • 勤務地(具体的に列挙)¹¹:…………………………

    • 就労期間:…年…月…日から…年…月…日まで

  3. 学歴・研修経歴(発給の場合)

  4. 職歴(発給の場合)

  5. 結果受取方法(オンライン/直接/郵送)

記入方法と注意点

  • 氏名:パスポート通りに。スペルミスは即差し戻しの原因になります。
  • 職位:政令の定義(管理者/総支配人/専門家/技術者)に沿って選びます。
  • 職務分野:首相決定34/2020/QD-TTgの職種コード(レベル3)を参照して記入。
  • 雇用期間:最長2年まで。パスポートや契約書と整合性が必要です。
  • 学歴・職歴:業務内容との関連性がわかるように書きます。証明書類と不一致だと却下されます。
  • 勤務先:複数勤務地がある場合はすべて明記。

添付書類チェックリスト

  • 健康診断書(発行後12か月以内、有資格機関)
  • 犯罪経歴証明書(発行後6か月以内)
  • 資格証明書(翻訳+公証済)
  • 写真(4x6cm、白背景、正面、無帽、眼鏡不可)
  • ベトナム人募集広告のコピー

添付書類チェックリスト

  • 健康診断書(12か月以内、有資格機関)
  • 犯罪経歴証明(6か月以内)
  • 資格証明書(翻訳+公証済)
  • 写真(4x6cm、白背景、無帽、眼鏡なし)
  • ベトナム人募集広告のコピー

様式第03号 提出前の重要チェック7項目も解説

会社名や住所は登記・許可証と完全に一致しているか?
 (略称や省略表記は不可)

外国人を雇う理由(ベトナム人募集→不採用の経緯)は書いたか?
 (求人広告のコピーは添付済みか)

外国人の氏名・パスポート番号・有効期限は正しく写したか?
 (スペルミスや期限間違いがないか)

職位と職務内容は政令の分類と職種コードに沿っているか?
 (「管理者」「専門家」など区分は正確か)

雇用期間は最大2年以内で、パスポートや契約と整合しているか?

添付書類(健康診断書・犯罪経歴証明・資格証明)は有効期限内か?

申請日と就労開始日の間隔は10〜60日以内か?
 (期限を外すと申請自体が受理されない)


よくあるミスと回避法

  • 健康診断書の期限切れ → 提出前に日付を確認
  • 職務内容と添付証明書が一致しない → 書類間の整合性をチェック
  • 雇用需要説明が空欄 → 「簡潔でも必ず記入」が鉄則
  • 住所の省略や誤記 → 登記住所と完全一致させる

提出とその後の流れ

  • 方法:直接/郵送/オンライン
  • 審査期間:最大10営業日
  • 不備通知:修正期限が短いので、すぐに対応

まとめ 〜すげの一言〜

様式第03号は、一見シンプルな紙ですが、雇用理由と許可申請の両方を兼ねた重要書類です。
型を理解すれば怖くありません。
期限管理と添付書類の一致、この2つを守れば、かなりスムーズに通ります。

最後に私からひとつ。
期限や有効期限はGoogleカレンダーやスマホのリマインダーに入れてください。
忘れないだけで、実務のストレスが半分減りますよ。