こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
「ビジネスってつまるところ人間の行動を理解するところから始まるわけじゃないですか」
これは出口 治明(ライフネット生命保険会長兼CEO)さんと高島 宏平(オイシックス社長)さんとの対談の一コマです。2013年くらいですけどね。
ドキっとしました。
ビジネス…。
この意味は幅広いです。いろいろ考えはあると思いますが、対外的と対内的に区分できると考えています。
1)対外的とは、マーケティングやセールスのことです。(顧客)
2)対内的とは、マネージメントのことです。(会社組織)
これは、海外で働いているあなたにも当てはまりますよね。社長、駐在員様、現地で採用されている方。みなさんです。
そして、大きな悩みの一つは、2の海外子会社マネージメントでしょう。
「海外子会社の会社内のマネジメントがなかなかうまくいかない、、、。」
日本でなら普通に進むことが、同じよう進まない。うまく伝わっていると思ったけど、全然伝わっていない。なかなか、パフォーマンスが上がらない。
そして、イライラして、怒鳴ってしまう。
「なんで、できないの?」
もしかしたら、あなたもこのような経験もあると思います。
マネージメントというと、固い感じがしますが、要するに「人に動いてもらう。人の能力を最大限に引き出す。」と言い換えることができます。
実際、海外において、日本人1人で出来ることには限界があります。(日本でも当然ですが)なぜならば、言語の問題や現地特有の問題があるからです。
海外生活が長い、ベトナム生活が長いあなたであれば「そうそう!」と感じるのではないでしょうか?
結局のところ、海外においても、“人に行動してもらう”というのがとても大事です。
本日は、組織としてハイパフォーマンスを上げるには?と言う点でまとめていきます。
なんだか、命令っぽくて、押しつけがましい感じもするかもですが、みんなの成長と言う視点でみればポジティブになれるはずですよ!
この記事のもくじ
【ロサダの法則】とは?
興味深い研究結果がある。アメリカの心理学者、マーシャル・ロサダ氏は、国内の60のマネジメントチームを対象に、その年間の目標設定、戦略立案などの様子を観察した。その中で彼は、コミュニケーションの中で使用された言葉がポジティブ・ネガティブのどちらなのかを記録・分析し、結果を数学モデルとして導き出した。結果によると、生産性・顧客満足度・社内評価等でハイパフォーマンスを叩き出すチームでは、ポジティブ要素・ネガティブ要素の比はおよそ6:1で算出された。さらに、平均的な水準で人間がハイパフォーマンスを実現するためには、ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1の比率で維持されることが重要だという結論を導き出した。そして、人間のコミュニケーションの中での「褒め」と「叱り」は、この感情に直結する重要な役割を持っている。
つまり、ハイパフォーマンスのためには褒める。ということ大事だということが実証されています。
誰だって、そうでしょう?
私だって、怒られるの好きじゃないです。嫌いです。褒められたいです。
そう考えると、あなたのスタッフも同じ感情をもっていると想像がつきます。
褒めることで結果が出ると主張している人たちの例
米・ノースウェスタン大学のリチャード・ミラー
米国ノースウェスタン大学のリチャード・ミラー博士の研究グループは、シカゴの小学校5年生たちに教室内を整理整頓させ、ゴミを散らかさないように説得するための実験を試みた。
あるクラスの子供たちには、ゴミを散らかすことがいかに悪いことかを説明し、教室をきれいにしていてほしいと先生から話し、用務員からもお願いした。
一方、別のクラスではこのクラスの生徒が学校で一番整理整頓ができており、最もきれい好きな生徒たちだと先生が話し、用務員もこのクラスが学校で一番きれいだと話すようにした。
その結果、前者のクラスではゴミの状況はいっこうに改善されなかったが、後者のクラスでは生徒たちがゴミを散らかす割合が激減した。
シカゴの小学5年生を対象に実施した研究を通して、「叱り」よりも「褒め」の方が生徒たちに対してポジティブな教育的効果を及ぼすことを証明した。さらに、「褒め」の教育的効果は、幼児よりも高校生以上の方が高い。人間は褒められると脳からドーパミンを分泌し、満足感・充足感が高まるという。「褒め」は脳への最大のご褒美だと言える。
ハイパフォーマンスのためには、褒めることが重要だと言っていますね。
デール・カーネギー
「人を動かす」というあまりにも有名な書籍の著者です。
人間は例外なく他人から評価を受けたいと強く望んでいるのだ。この事実を、決して忘れてはならない。深い思いやりから出る感謝の言葉を振りまきながら日々を過ごすーーこれが、友をつくり、人を動かす秘訣である。
カーネギー氏の考え方の基本は、
「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること」
です。
そのために「相手のほしがっているものを与える」ことが唯一の方法だと主張しています。
人がほしがっているものというのは、端的に言うと「自己の重要感」、つまり「重要人物たらんとする欲求」だと言えます。
「私って優秀なんだ。必要なんだ!」
みんな、褒められたい!と思っているのです。
主体的に行動してもらうには、褒めて→「自己の重要感」をもってもらうことが重要です。
小室淑恵さん
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長です。
まずはチームのメンバーを褒めることから始めてください。「助かったよ」「上手くやれたね」といった言葉をかけ続けるだけで、チームの雰囲気は驚くほど変わります。
褒めることが、重要と言ってますね。
忘れてはいけない要素…てんてんそれは、叱る
ここまでは「褒める」ことの重要性についてお話しました。
しかし、冒頭で述べた「ロサダの法則」のこの比率ですが、とても大事な要素があります。
勘のいいあなたは、お気づきですね。
それは、ネガティブの要素が、必ず含まれているということです。つまり、「叱る」ということです。
アメとムチと言い換えることもできます。
「どうしようもないミスや態度がなめきっている。」
どうしても叱らないといけない場面に必ず出くわします。この場合、「叱る」ということが必要になります。
なんとなく緩んだ雰囲気をピリッとさせる効果もありますからね。
褒め:10、叱り:0でもダメということが結果として出ています。
ロサダの法則の3つの効果
それでは、この法則を実践するとどのような効果が期待できるのか?
見て行きましょう。
リーダーシップのある人材が育つ!
なぜならば、主体性が生まれやすいからです。
リーダーシップは、リーダーにだけ求められる資質ではありません。
すべてのメンバーが、リーダーシップを持つことが重要です。そして、それが可能です。「採用基準」という書籍にも記載してあります。とても、いいことだなと思いました。
これは、国を問わず、共通することです。
「言われたことしかやらない。」では、ダメです。
メンバーがみんながそれぞれリーダーシップを持てれば、すさまじい!カッコいい!組織になるはずですよね。
結果的に仕事がすすむ!
「怒りに任せて、強制的に仕事をやらせる」
短期的には、いいかもしれません。時には海外の現場で、⚡を落とすのも必要でしょう。
しかし、それだけでは、根本的な解決にはなりません。長期的な視点で考えれば、やはり、ロサダの法則は正しいといえます。
こんな面白いエピソードを、出口さんは話していました。
まず、
1:意欲があってそこそこ賢い人と、2:そうでない人、ふたつの集合を考えます。人間は、かならずそのどちらかに入ります。
そもそも、1:意欲があってそこそこ賢い人の場合は、怒る必要がない。なぜなら、ひと言「ここが良くないね」と指摘さえすれば、後は自力で矯正できるので、怒る必要がないわけです。そして、もう片方の2:そうでない人の集合に対しても、怒ってはいけない。
なぜ怒られているかを理解できず、怒られている事実だけを恨みに思うからです。つまり2:そうでない人に、怒ってもムダ、なんです。
故に、「怒る人間は、みんなバカ」である。つまり「怒る」という行為は、どんな他人をもポジティブに動かさないというわけです。
なるほど…。
面白いですね。
メンバーがイキイキする!
私が、海外(アジア)で働いて感じることは、日本と比べてとっても“素直”な子が多いということです。
日本だと、褒めても「照れくさいなあ。」「どうぜ、お世辞でしょ。」となるケースがあるかと思いますが、
海外だと、それはもう、ヤバいです。
めちゃ喜びます!声にも顔にもすぐでます!メチャクチャ嬉しそうです!
会社が、笑顔で溢れれば、雰囲気もよくなりますよね。
・いつも、怒っているばかりの人。
・全く叱らない人。
いろんなタイプのマネジメントの人がいると思います。どれが正しい!なんて偉そうなことは言えません。
しかし、過去の偉人や著名人の言っていることを参考にすると、あなたのメンバーが、“変わる”はずです。
ちょっとだけ、想像してみたください、、、、、。
「チームのみんながやばいくらい成長していて、しかもハッピー。」
褒める:叱る。上手に利用して、あなたのスタッフがハッピーになることを祈っていますね!
それでは、また!