こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

ベトナムで働いている日本人の方で、USDで給与をもらっている人もいるかと思います。

ベトナムでUSDで給与をもらっている場合に、どのように課税所得を計算するのか?迷う事もあるのでは、ないでしょうか?

個人所得税は、ベトナム国において支払う義務があります。そのため、ベトナムドンに換算する必要があります。

個人所得税を計算するためのレートは、買いレートか?売りレートか?

この点、ベトナムでは通達(No.92/2015/TT-BTC)が発表されています。(これは、個人所得税の通達であるCircular No. 111/2013/TT-BTCを修正したものです。)

原文は、以下の通りです。

Article 13. Amendments to Article 5 of Circular No. 111/2013/TT-BTC:

“Article 5. Converting taxable income into VND

  1. Revenues and incomes subject to PIT are expressed as VND.

Revenues and taxable incomes received in foreign currencies must be converted into VND at the buying rate of the bank where the person opens the transaction account at the time incomes are earned.

In case a taxpayer does not have a transact account in Vietnam, foreign currencies shall be converted into VND at the buying rate of Vietcombank at the time incomes are earned.

The foreign currencies without rates of exchange into VND shall be converted into a foreign currency that has a rate of exchange into VND.

2.Non-cash taxable incomes must be converted into VND at the market prices of such products/services or the similar products/services when the incomes are earned.”

要約すると…。

外貨で受領した課税所得ベトナムドンに換算する際のレートは、納税者がその給与を受領するために口座を保有する商業銀行の買い相場である。

もし、納税者がベトナムに口座をもっていない場合には、Vietcombank(ベトコムバンク)が発表している買相場になります。

以下のような背景があるのでしょう。

Vietcombankは中央銀行の商業銀行機能のうちの一つ、”外国貿易部門“を民間へ引き継ぐ目的で設立された国営系の商業銀行です。

つまり、外国貿易専門の銀行のことです。以前は、海外送金や外貨両替は、ベトコムバンクしかできなかったそうです。

そのため、為替については、ベトコムバンクがスタンダードなのでしょうね。どの場合でも、“買相場”ですね。USDの場合には、USDからベトナムドンに換算する場合の買相場です。理屈は、正直よくわかりませんが、相場をみると、課税所得が大きくなるような相場であることは間違いありません。

売相場を使うよりも、買相場を使うほうが、ベトナムドンベースで“課税所得”金額が大きくなります。

☆本日のまとめ☆

☑ ベトナムでUSD(外貨)で給与もらっている場合の課税所得の計算では、ベトナムドンへの換算が必要

☑ 給与口座がある銀行が発表している買い相場を利用する。

☑ 給与口座がベトナムにない場合は、ベトコムバンクの買相場を利用します。

あなたの会社が、ベトナム個人所得税の理解を深めることにより、罰金やストレスから解放されることを祈っていますね。それでは、また!