双日はベトナムに強い。ベトナム政府がドイモイ政策をスタートさせた1986年、双日は日本企業初の駐在員事務所をハノイに開設。

経理実務テストKIPの導入背景や結果、今後の利用計画について、Financing, Accouting, HR & GA Deptの部長の本田氏にお話を伺いました。

概要
  • 業種:総合商社
  • 導入サービス:ベトナム人向け経理実務テスト「kip」
  • 受講人数:14名
  • 管理部長: 本田 将大氏

ここがポイント!

1.経理スキルの実力を評価するためのツールとして活用。

2. 会社にマッチした適切な人材を採用するためのツールとして利用していきたい。

3. 管理部門全体の底上げをあげるきっかけに。自発的に意見を言う「戦う管理部門集団」にしていく。

経理実務テストkipを導入した 背景と経緯は?

経理スキルを客観的に評価、スタッフ間のレベル感も確認したかった。

これまで経理や総務スタッフの現状、実力や知識を問うようなことはありませんでした。

現状のスタッフが本当にスキルを持っているのか?優秀なのか?また、それぞれのスタッフ間のスキルのレベルの差についてもわからないままでした。

このような状況の中、マナボックスのDMでKIPテストの存在を知りました。そして、これが、経理・税務スキルを評価するためにいいなと思ったんですね。

その後、本当に効果的なのか?ということを試すために、まず、トライアルという形でホーチミン及びハノイの経理のトップの人材にウェブ上でのKIP試験を受講してもらいました。

その結果、我々の目的を達成することができるができると判断し、全面導入することにしました。

kipテストの受験対象と教育上の位置づけは?

重要な基礎知識である経理知識を管理部門全体に対して客観的に評価する必要。

今回、KIPテストは、ハノイ及びホーチミンの経理部門だけでなく総務部門のスタッフを含めた合計14名に受講してもらいました。

「経理知識」は、世界共通のビジネス言語であり、重要な基礎知識です。

この「経理知識」については、経理部門以外のアドミスタッフであっても、最低限レベルの知識は持っているべきという考えが背景としてあります。

ただ、経理スタッフへ求めるレベルとは異なることから、総務スタッフに対してのテストは、ベーシックと位置づけ、基礎的な問題にカスタマイズして頂きました。 

Kipテストを受講することでどのような効果がありましたか?

スタッフの実力が数値でわかって安心した。嬉しい想定外もあった。

将来有望と期待している若手スタッフの実際のスコアが、いい結果でした。このことから、この若いスタッフが、やはり優秀であったということが認識できた点がよかったです。人事考課についても有効に利用できそうだと感じました。

逆に、そこまで期待していなかったスタッフがいいスコアをとっていたという面もありました。

ただ、よく振り返ってみると、その子は、夜勤務時間外に自分で経理の勉強をしていたという事実があったんですよね。努力している人の結果が、きちんとスコアに反映されているという点で、きちんと経理の基礎知識が身についてるんだと実感することができました。

さらには、人事総務のベトナム個人所得税の担当者が、PITのところについてきちんと点数を取れていました。PITのスキルに長けていることがわかり安心できました。

KIPテストは、項目毎に、スコアがわかるからいいですね。強み弱みがわかります。

一方で、優秀だと期待していた人のスコアが伸び悩んだという結果もありました。嬉しい想定外がある一方でそうでない想定外もありました。

kipテストを今後どのように活用していきたいですか?

現状スタッフのレベルアップのための動機付けと採用テストとして活用していく。さらには、自発的に提案する経営管理集団にしたい。

二つあります。

一つ目は、既存スタッフの経理・税務レベルアップを図るツールとして利用していきたいです。

例えば、今回のテストの結果から、個人ごとに目標を定めてもらいます。半年後くらいに再度KIPテストを受講してもらい、その目標の点数をクリアできたかを評価していきたいと思います。具体的な目標を定めることで、指標となりますし、達成できれば本人の自信にもなります。

二つ目は、採用テストとしての利用です。

例えば、マネジャー候補人材の経理・税務スキルを評価するための採用テストとして利用していく予定です。採用のミスマッチを防止できると期待しています。

今回のテストに対してのマナボックス、ロアンさんのフィードバックレクチャーにも期待しています。

今回のテストの結果、税金部分のところが総じて弱かったというのもありました。受講後のフィードバックレクチャーにより、結果を詳細に分析していき、効果的な改善、レベルアップにつなげていきたいです。

今年から、自己研鑽する、チャレンジするスタッフを高く評価するという方針に私が中心となって変更いたしました。

このようなこともあり、弊社のスタッフは、今回の結果に対して、もっと勉強して改善したい!というポジティブな意見が多く集まりました。

ポジティブなマインドがあるので、フィードバックレクチャーによる効果的な結果が期待できます。

さらには、管理部門のスタッフが自発的に意見をいう人材になることが必要です。現状、言われたことだけをやる、受け身なスタッフが、まだまだ多いというのが現状です。

日本人上司や営業部などに対して的確なアドバイスできるような人材、自発的に物事を言える人材育成の仕組みづくりを目指しています。

そのためには、どうしても、“経理知識”というビジネスとしての基礎知識が必須です。私が、4年超、ずっと一緒にやってきた経理トップのチーフアカウンタントは、自発的に意見や提案をするような人材に育ってきています。

今後は、管理部門の全員が、このようなマインドを持つようになって

「戦う管理部門集団」

にしていくことが目標です。