ベトナムでビジネスが拡大していくなか、正しい会計数値を適時に報告するということが課題となった。そのような状況の中、マナボックスの経営管理支援をどのように利用したのか?その効果とは?ベトナム歴8年の小野社長に聞く。
- 業種:製造業、印刷業
- 従業員:約300名
- URL:https://shoei-v.com/
- 導入サービス:ベトナム経営管理コンサルティング、A3見える化、経理見える化・標準化・ベトナム人向け経理実務テスト「kip」
- 社長: 小野 和夫氏
社長の小野和夫氏のNIKKEIのインタビュー動画。クリックすると再生されます。SHOEI様のビジョンと小野社長の熱い想いが伝わります。
この記事のもくじ
ここがポイント!
1. 日本向けに作成している月次決算書をベトナム人の経理担当者が作成できるようになった。第3者だから、改善する最大のきっかけに。
2. 月次決算の締めが、2ヶ月以上かかっていたのが、今では、翌月20日以内に!
3. 数値から合理的な意思決定ができるようなり、損益が改善した。現場を知っていて、敷居が高くない人柄だったから、いろいろ相談できた。PLを見るのが楽しくなった。
マナボックスの経営管理支援を導入した 背景と経緯は?
–信頼できる人からの紹介だったから。
ハノイのUCSマンキチの平山保典さんの紹介がキッカケです。信頼している人の紹介だったので、興味を持ちました。あとは、フジヤの松尾さんがマナボックスの経営管理の支援を受けていたことも興味をそそりました。
–長年勤めてきたチーフアカウタントの退職が決まっていたから。
あと、5年以上も務めてきたチーフアカウンタントの半年後の退職が決まっていたんですね。これまでは、そのチーフアカウタントに頼りっきりで、正直言ってブラックボックス化していました。経理のトップが、退職してしまい、業務が回らなくなっては、支障があるので、「仕組み作り」をしなくてはいけないと思いました。
ベトナム人の特徴として、どうしても自分の業務をブラックボックス化させて、自分の価値を高めたいって思う傾向があるんですよね。私がいなきゃ困るでしょ。というような感じです。マナボックスが仕組み作りを支援していると聞き、興味がさらに深まりました。
–決算早期化が必要だったから。
また、決算の締めの遅かったのを改善したいと感じていました。月次決算の締めまで2か月以上かかっていました。これでは、いろいろ改善したくてもタイミング的にどうしても遅くなってしまいます。これを課題と感じていました。
–現場の経験のある会計の専門家に相談できるから。
さらにいうと、マナボックスの会計の専門家である菅野さんが、製造現場の経験者であったことですね。そのような現場の実務経験もあり、専門家の視点から会計についてのノウハウをおしみなく、個別で提供してくれるという支援というのもきっかけの一つとなりました。
その結果、どうなりましたか?どんな効果がありましたか?
3つあります。
1)月次決算が早期化!2か月から翌月20日以内に!
新しいチーフアカウンタントを採用するときKIPテストを利用しました。このKIPによって、本当にいい人材を採用できたのが、かなり大きいです。
面接段階で、2人に絞ってから、KIPテストを受けてもらいました。しかし、そのうち一人はKIPテストの当日、試験を受けずに帰ってしまったのですね。実は、その一人は、経理部メンバーの一押し、お薦めの人でした。しかし、私の面接では、今、採用しているもう一方の人の方がいいなと印象だったのです。
もし、KIPがなかったら、テストを受けてない人を採用してしまった可能性もゼロではありません。そう考えると、KIPサマサマですね(笑)。
本当にいい人を採用できました。
また、チーフアカウンタントの引継ぎがスムーズにいったことも大きな理由の一つです。
マナボックスの支援によって、経理部門の業務を、To Do化し見える化したことや、業務マニュアルを作成することによって、チーフアカウンタントの業務の引継ぎがうまくいきました。もし、このように見える化・標準化していなかったら、不十分な引継ぎで逆に決算が締まらなかったと思いますね。
効果的な引継ぎを経た優秀な経理トップのもと、経理体制がどんどん改善していきました。決算の締めの期間もどんどん短くなり、いまでは、月末後、20日以内に締まるようになりました。日本の銀行向けの説明や質問への回答もスムーズにできるようになりました。というのも、時間に余裕をもって、決算書を読んでいたからです。
第3者であるマナボックスだから、これができた。というのはありますよね。内部だけの力では、絶対達成できていなかったかと思います。
2)日本向け月次決算書をベトナム人のチーフアカウンタントが作成できるように。
もともとは、本社の日本人の担当者が、ベトナムの決算書をもとに、作成していました。しかし、今では、ベトナム人の経理担当者が作成できるようになりました。
これはかなり大きいですね。これまでの事を考えると、これは、画期的といってもいいです。本当にすごいと思いました。
支援の最初の段階で、マナボックスの会計士の菅野さんに、日本向けの決算書とマンキチソフトウェアのつながりを明確にしてもらいました。数ヶ月は、菅野さんに作成を依頼していました。しかし、マニュアル化してもらうことや、1日時間をとってレクチャーしてもらうことにより、今では、彼女が、自分で作成できるようになりました。
3)会社の損益の数値が実際に改善した。
支援から、数ヶ月経ったところで、実際に、決算書の数値が改善していきました。
菅野さんと月一回、打ち合わせをFace to Faceで行い、会計、経営分析について教えてもらいました。基礎的なところも含め、難易度が高い経営分析についても学んでいきました。いい意味で敷居が高くないんですよね(笑)。菅野さんは、海外子会社の経営管理を本気で変えたいという想いがすごく強くて、それが感じられました。“気持ち”があったんですね。
税務的で知識を中心としたコンサルはたくさんあるのですが、数値を使って経営改善しよう!という人は今までいませんでした。その想いが、伝わったことも、数値を改善できた理由の一つだと思います。
正しい決算書が、適時に私のもとにあがってくること、そして、効果的な経営分析ができたことにより、改善する方法が明確になりました。
後は行動するだけです。
その結果として、数値がどんどん改善していきました。そのうち、損益計算書を見るのがだんだん楽しくなってきましたね。見てきちんと理解できるからです。
マナボックスをどのような人に薦めたいですか?また、今後の目標について教えてください。
–データから経営を変えていきたい人で、行動できる人。
数値から経営をしていき、会社の現実を変えたいと思っている人です。一緒に会社の決算書を見ながら考えてくれるので、あとは実際に行動できる人ですね。
損益計算書の状況や財政状態が改善してきたとはいえ、もっと、改善していく余地はあります。SHOEI Vietnamのメンバーと一緒になって、改善に取り組み、さらに、経営改善していきたいです。
そして、社員旅行は、昨年よりも、いい場所に行ければ最高ですね。
また、利益計画も、今は、短期間で設定していますが、たとえば、5年後の長期経営計画も策定できるようになれるといいなと思います。