- CFOと経理責任者の違いを簡潔に知りたい。
- ベトナムでCFO候補者を採用しようとしているが、どんなスキルが必要か知りたい。
このような疑問に回答していきます。
こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
会社のお金について理解することはとても重要です。なぜならば経営の根幹だからです。
その仕事は、経理部門が実施していると大半の人が思っていると思います。
でも、たまに聞くCFO……。 これってなに?と思う方もいるかと思います。もちろん、CFOって有名ですから、聞いたことある人もいると思います。
しかし、具体的に何が違うのか?というと言語化できないひともいると思います。
本日は、経理責任者とCFOの違いはなにか?という点を解説していきます。もし、あなたがCFOを採用する時に有用となるはずですよ!
この記事のもくじ
CFOの意味とは?
CFOとは、Chief Financial Officerの略称です。
日本語にすると、「最高財務責任者」と翻訳することができます。
経理・財務部門に求められる大きな4つのエリア
経理財務部門の役割は多岐にわたります。まずはこれを整理していきましょう。
整理すると以下の4つのエリアに整理できます。これは、EYが提唱しているモデルがとても参考になります。これをもとにちょっと私の方で修正・変更しました。
1:プリペアレラー、情報倉庫業(財務諸表や申告書を作成し報告できる人)
2:アドバイザー・助言者(経営分析し、数値を使って改善案も提案)
3:リスク管理者(ガバナンスや内部統制)(仕組みを作れる人)
4:企業参謀、ビジネスパートナー(より経営に携わる。直接的意思決定できる人。)
これは、企業価値という視点で、2つに整理することも可能です。
それは、①企業価値を保持する(守り)すること②企業価値を高めること(攻め)です。
この視点をもう少し詳しく解説していきます。
1:プリペアレラー(作成者)
いわゆる、アカウンティング・経理業務の事です。
過去の記録を正しくつけて、それを振り返るための、スコアキーパーの役割から始まっています。
要するに、正しい記帳を行って、正確な財務諸表を経営者に提供する役割です。また、正しい税務申告を行う役割です。会計帳簿(スコアキーパー)だけでなく、さまざまな文書(定型的な)を作成することからプリペアラーとしました。
経理・財務の基本的で基礎となるスキルと言えます。
2:アドバイザー
出来上がった財務諸表から、会社の状態を、数値を使って説明できる人の事です。加えて、改善案やKPIを考えることが出来る人です。
いわゆる、計数感覚を持っている人材です。また、管理会計の知識にも長けています。
具体的には、以下の業務です。
・経営分析してコメントし、CEOに進言することが求められる。
3:リスク管理者
会社のガバナンスをリードする役割です。コンプライアンス、コーポレートガバナンス、内部統制、会社の規程を作成、構築する役割です。
財務リスクや税務リスクを事前に防止するような仕組みも含まれています。不正防止もそこに含まれるでしょう。
4:ビジネスパートナー
これは、より、経営サイドの役割です。社長の事業に関する意思決定をより直接的に支援する役割です。COOとの強い連携も必要になります。
例えば、投資に関する意思決定や新しいビジネスの開発などの意思決定です。
より企業価値を高めるための、経営の意思決定です。
4つのエリアを4象限マトリックスにて表現すると以下のようになります。視点も記載しておきました。
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経理部門責任者とCFOの役割の違い、マトリクスで解説
次に上記で求めた求められるスキル・役割を4つのエリアという視点で両者を比較していきます。
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★まとめ★CFOと経理責任者のスキル比較表
CFOと経理責任者のスキル比較表にて記載します。やや羅列気味ですいません。
経理責任者 | CFO | |
主なミッション | 正しいFSを作成し報告 (集計屋) | 企業価値最大化 (会社の時価評価を上げる) |
正しい財務諸表・申告書を作成する(仕訳力、レビューできる。)
| ◎ (強みでないとけない。専門家) | ◯ 基礎知識で十分 読み取れるスキルが必要 |
経営分析を実施して、経営者にアドバイスができる。 | ◯ | ◎ 深い洞察により、適切な助言が求められる。 |
コンプライアンス・ガバナンス | △ (そこまでできない。) | ◎ (企業価値が下がらないように保全する) |
投資家(資本市場)とのコミュニケーション | × (してない。) | ◯ (投資家からフィードバックを聞くスキル) |
COOとの関係 | × | ◎ (重要、車の両輪) |
自社ビジネスや事業環境の理解 | △ 深くなくても務まる | ◎ 経営者なみに深い理解が必要 |
ファイナンス思考 | △ (基本過去) | ◎ (未来を見ている。次の一手) |
ソフトスキル (仮説構築力と検証力、コミュニケーション能力、GRIT(粘り強くやりきる力)) | △ | ◎ |
編集思考 | △ | ◎ (コネクトするスキルが必須) |
最近、何かと話題の“編集思考”ですが、このスキルがCFOにはとても重要です。
つまり!CFOには幅広い経験が必要
このように見て行くと、CFOには、経理責任者より幅広い知識・見識が必要なのです。
また、 日本と欧米のCFOの属性を比較したデータがあります。
◎日本:経理または財務出身者が多くを占めていました。
◎欧米企業:事業サイドを経験している人が多かったり、投資銀行やコンサルタント出身者もあったりなど、より多彩だった。
テクノロジーが発展すると、①のプリペアラーの業務はAIなどが代替します。これは避けられません。記帳も、申告もテクノロジーが実施していく世界が待っています。
つまり、より付加価値が高い業務が求められることから、日本に限らずベトナムのような東南アジアでも欧米のように、経理出身ではなく、ビジネスに詳しい人、編集力がある人、未来を見れる人のニーズが高まりそうです。
本日はCFOと経理部長、責任者の違いを説明させて頂きました。
CFO人材を採用したいけど、実際どんなスキル?が必要なのか?という疑問の回答が整理されたのではないかと思います。
なかなかCFOとして適材か?という評価は、難しいかと思いますが、一つのきっかけになれば幸いです。
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