こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

ベトナム・人材、よく聞きます。日本は、人手不足が問題となっていますしね。

人材紹介はよく聞きます。では、”派遣業”はどうでしょう?こちらも最近、質問が増えてきました。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムへ進出、会社設立を考えている。
  • ベトナム人材派遣業ができるか確認したい。合弁?独資?
  • ベトナムで人材関係でビジネスを拡大したい

本日は、ベトナムにおいて派遣業のライセンスが取得できるか?難易度につい手の概要を解説したいと思います。

その前に少しおさらいです。人材派遣とはなんでしょう?

人材派遣とは、人材を派遣することです。具体的には、人材派遣会社が特定の人材を雇用し、その人材を欲しがっている企業に提供する事です。

人材紹介との異なるのは、「雇用契約を結ぶ会社」と「実際に労働する会社」が違うという点です。

例えば、ABCという人材派遣会社があり、THUさんをDEF会社に派遣するという取引があったとします。

この場合、THUさんはあくまでABCという会社と雇用関係があります。しかし、労働はDEF会社に提供します。

人材紹介の場合は、THUさんをDEF会社という会社に紹介し、DEF会社と雇用関係を結びますよね。

前提はこれくらいにしてさっそくベトナム進出した際に派遣ができるの?という点について見て行きましょう。

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ベトナム進出で、”派遣業”のライセンスが取得できるのか?

結論から申し上げますね。外資つまり日系で設立できるのか?が気になりますよね。

 

100%の外資は問題ない。ただし、実務上かなり難しい。

※現在、労働派遣に関する法律(案)があり難易度は将来的に変わってくる。

ライセンス名(臨時労働提供VSIC 7820 、労働力の提供及び管理(VSIC7830)

ベトナムで実施できるライセンス、事業については様々の法律や協定等が影響します。

例えば、下記です。

  • ベトナム企業法
  • ベトナム投資法
  • WTO(世界貿易機関)
  • 日越投資協定
  • 政令(例えば、派遣であれば、29/2019/ND-CP)

です。

ベトナム人材派遣の会社設立までの大きな流れ

1
IRC(投資登録証明書)の申請・取得

IRCを申請して取得する。5ヶ月程度 

2
ERC(企業登録証明書)の申請・取得

ERCを申請して取得する。1ヶ月程度

3
人材派遣ライセンスの申請・取得

サブライセンスの取得6ヶ月以上

このような感じです。

参考記事:ベトナムの投資登録証明書(IRC)をどこよりも詳しく徹底解説! 【保存版】

参考記事:どこよりも詳しく、ベトナムERC(企業登録証明書)を徹底解説してみた!

このライセンスですが、外資系企業にとって、簡単か?難しいか?で言うと、繰り返しになりますが、かなり難しい部類になります。

なぜならば、役所との交渉が多くあったり、弁護士も必要だからです。賄賂も必要になるかもしれません。

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ベトナム”人材派遣”会社の許認可取得の条件(基準)とは?

ベトナムにおける人材派遣営業ライセンスを取得するための主な基準は以下の3つの通りです。(細かい条件は無視しますね。)

  1. 預託金(財産基準)
  2. 適切な人材(派遣責任者に関する基準)
  3. オフィスに関する基準

なお、関連する法規は、No. 29/2019/ND-CPです。

①約1,000万円の保証金が必要になる!

20億ドン(日本円で約1,000万円)の保証金が必要になります。かなり大きいですね。

下記は、原文です。

Article 5. Licensing requirements

The enterprise has made payment of deposit of VND 2,000,000,000 (two billion) at a commercial bank or a foreign bank’s branch duly established and operating in Vietnam.

一方で日本では以下のようになっています。

  • 基準資産額が2,000万円以上
  • 資産のうち1,500万円以上が現金
  • (資産ー負債)=負債の1/7以上

上記3つすべての要件をクリアする必要があります。

資産総額から負債を引いた額が2,000万円を超えている必要があるようです。それにとどまらず、現預金で1,500万円以上必要です。また、純資産の基準もあるのでかなり厳しいですね。

派遣元責任者に関しても要件もあり

派遣事業を行う事業主に関しても、要件が定めてあります。

  • 社長が、3年以上派遣事業の経験を持つこと。(直近5年で)(日本人でもいいようです。)
  • 無犯罪であること。

下記は原文となります。

Article 5. Licensing requirements

  1. The legal representative of the enterprise applying for the license for the outsourcing service must satisfy all of the following requirements:
  2. a) Being the manager of the enterprise;
  3. b) Having no criminal records;
  4. c) Having working experience in the field of outsourcing or labor supply of at least 03 years (or 36 months) or more during the last 05 years preceding the date of submission of the application for the license.

一方で日本では、以下の基準が必要となります。

  • 雇用管理をした経験(3年以上)があること
  • 派遣元責任者講習の受講後3年以内であること
  • 名義借りではないこと
  • 未成年でないこと
  • 住所が一定していること
  • 健康な状態であること
  • 他人を不当に拘束・束縛しないこと
  • 公共の場にふさわしくない業務でないこと
  • 在留資格があること(外国人の場合)
  • 労働者派遣法6条の第1号から第12号に定める欠格事由に該当しないこと

なんだか日本の方が厳しそうですね。

日本の方が、より厳しいですね。

③場所に関する要件

こちら29/2019/ND-CPに明確な記載は見当たりませんでした。

一方で日本では、以下の基準が必要となります。

  • 事業所の面積が20㎡以上
  • 風俗業の密集地帯は避ける

大きさがありますね。また、風俗があるような場所もダメなようですね。これは面白いですね。

★まとめ ベトナムと日本の比較表(人材派遣)★

  • ベトナムで日系企業が人材紹介会社を設立する事は法的根拠的には可能。しかし、実務上はかなり難しい。
  • 流れは、IRC⇒ERC⇒サブライセンス(派遣)。
  • 期間は6か月以上は最低かかる。
項目ベトナム日本
財産に関する基準
  • 約1,000万円の保証金
  • 基準資産額が2,000万円以上
  • 資産のうち1,500万円以上が現金
  • (資産ー負債)=負債の1/7以上
責任者に関する基準
  • 無犯罪であること
  • 直近5年で3年以上の経験者
  • 雇用管理をした経験(3年以上)があること
  • 派遣元責任者講習の受講後3年以内であること
  • 名義借りではないこと
  • 未成年でないこと
  • 住所が一定していること
  • 健康な状態であること

など。

オフィス(場所)に関する基準特に明確な規定がない(政令上)
  • 事業所の面積が20㎡以上
  • 風俗店の密集地帯は避ける
個人情報の管理要件特になし
  • 個人情報を取り扱える職員以外のアクセスを防止する措置がある
  • 個人情報を業務以外の目的で使用や漏洩をしない
  • 派遣労働者から求められた場合、個人情報の開示・訂正・削除に関する規定がある

などです。

いかがでしょうか?

ベトナムの派遣業自体は、今のところ、そこまでニーズが強いわけではありません。

派遣で働くということ自体、ベトナム人にとって、そこまでポピュラーではありませんし、すぐ辞めてしまう傾向もあるんですよね。

しかし、そのうち、派遣も重要になってくる可能性があります。

あなたの会社が、ベトナム法律を正しく理解することにより、正しい意思決定が出来ることを祈っていますね!