こんにちは、すげのです。
ベトナムなどの海外に赴任しているが、たまに一時帰国する。その際の日本での所得税がどうなるのか?が気になる。
このような疑問に回答していきます。
例えば、ベトナムなどの海外に赴任していて、その国の居住者として、納税している場合でも、たまに日本に帰ってくることありますよね。
原則は、【国外源泉所得】に該当する。しかし……。
結論はこうです。
原則、非課税。なぜならば、海外勤務中に日本本社から支払われる給与は、【海外での勤務での対価】(海外のために汗流した)として、【海外源泉所得】に該当するから。
しかし、一時帰国して、日本で業務を行ってしまった場合には、日本本社から支払いがされている給与等は、【国内源泉所得】扱いとなり、20.42%の源泉徴収される可能性がある。
ポイントは、だれのために汗かいたか?働いたか?です。
日本側からしたら、一時帰国でも、日本で働いて対価を貰っているのであれば、所得税払ってよ!ってことです。
一方でこんなルールもございます。
金額が小さい場合には、申告が必要ない。
所得基本通達においては、金額が小さい場合は、申告しなくていい。と解釈できる規定があります。
以下原文です。
所得税基本通達 161-41 勤務等が国内及び国外の双方にわたって行われた場合の国内源泉所得の計算
非居住者が国内及び国外の双方にわたって行った勤務又は人的役務の提供に基因して給与又は報酬の支払を受ける場合におけるその給与又は報酬の総額のうち、国内において行った勤務又は人的役務の提供に係る部分の金額は、国内における公演等の回数、収入金額等の状況に照らしその給与又は報酬の総額に対する金額が著しく少額であると認められる場合を除き、次の算式により計算するものとする。
実際には、明確な解釈はあいまいですので、その判断には留意する必要があります。
一時帰国時の所得税の実務はこうだ!
私の意見も入っているのですが、こうです。
日本での所得税は、支払わない。あくまで、休暇で帰国している。仮に、業務をしていも、現地のための業務と主張する。
一時帰国の理由は、様々だと思います。例えば、以下があります。
- 健康診断
- 休暇
- ご家族のお祝い事(入学式や卒業式)
- 本社での会議
内容からして、日本本社の業務に従事していない場合は当然論点になりません。
でも実際には、1日、2日くらい本社に出社することもあります。
それでも、「国内源泉所得」ではありませんよ。っていう主張です。例え、日本に帰国しても、海外のための業務しかしてません!っていうストーリーにします。
実務はほとんどこうだと思います。
しかしながら、年間滞在が100日とかになるとちょっと説明が難しい場合もあるかもしれません。
その場合は、日本勤務期間の所得相当については、20.42%の税率で源泉徴収することを検討します。
★本日のまとめ★
・ベトナムなどの海外駐在者が、一時帰国した場合の所得税の取り扱い
・海外業務しかしてなければ、すべての給与は、「国外源泉所得」になり、日本では所得税が発生しない。
・実務上も、そういうストーリーにしている会社が多い(私見)
・ただ、日本滞在期間が多い日は留意
いかがでしょうか?
あなたが、海外赴任者であり、日本に一時帰国の期間が長い場合には、注意が必要かもしれません。
税務についても事前にリスクを認識しておくことで、本業にも影響でますよ!