こんにちは菅野です。
NewspicksのWeeklyOCHIAIをよく見るのですが、今回のはとても興味深い内容でした。
というのは、経営者としての自分にも直接インパクトするお話ですし、おそらく日本のビジネスパーソン全ての人に影響があると思ったからです。なので、まとめ・感想を記事にしたいと思います。私は会計コンサルティングファームの代表をしているのですが、その視点での意見も記載していきたいと思います。
今回のテーマは以下でした。
日本企業を〝大改革〟せよ!
以下は、NewsPicksの番組概要です。リンクも貼っておきますね。(Newspicksの回しものではありません。)
https://newspicks.com/live-movie/784/
今回はコロナショックにより世界が大きな変化を迎える中、日本企業がコーポレートトランスフォーメーションを進めるためには何が大事なのか?どう日本企業を変えればいいのか?リーダーには何が求められるのか?日本企業のトランスフォーメーションについて考えます。 〈ゲスト〉 冨山和彦(経営共創基盤CEO) 及川美紀(ポーラ代表取締役社長) 安宅和人(慶應SFC教授/ヤフーCSO/シン・ニホン著者)
出演者
この記事のもくじ
大改革のためには、3つのフェーズでの議論があった
熱い話をグルーピングしますと、以下の3つというステージで議論があったのかなと思います。
- 社会
- 企業・会社
- 人
まず、大きな観点での社会・世の中という大きなレベルです。「社会を変えたい」「どのような社会が望ましい」など。
そして、2番目に次に会社・企業という箱のお話です。
3番目に、人・人材の話ですね。主にコロナショック後(これにはデータ✖️AIの時代、ゲームチェンジも含まれます。)にどういう人材が求められるか?変化する必要があるか?という視点です。
これら3つのフェーズは、それぞれ独立している論点ではなく、複合的に絡んでいます。
最初に全体のマップを貼っておきます。
それぞれまとめていきたいと思います。
1 、社会におけるゲームチェンジ、しかも、その速度は速い!
スポーツを例にしていました。
野球からサッカーに変わった
そして、サッカーも長くは続かない
ゲームが変わった。という言い方もしていますね。
具体的には、以下のようなことだと思います。
前(野球) | 後(サッカー) |
巨大な資金によって大きな工場 モノ・カネ(実数)のスケールの時代 | 「データ✖️AI時代」「デジタル革命」 |
自動車 | 電気自動車 |
所有 | 共有 |
限界費用あり、スケールメリット | 限界費用ゼロ |
オンプレミス | クラウド |
時代が大きく変わったということです。
馬車の時代から車の時代に。ちょんまげの時代からその終焉。みたいな。
こちら、安宅さんのシン・ニホンでも同様のことが書かれています。
参考記事:ミドル世代視点での【シン・ニホン AI &データ時代における日本の再生と人材育成】の感想・まとめ 1枚のマップにしました!
そして、サッカーも永遠じゃない。
「指数関数的に世界が変わる。」とも言われます。ゲームのルールが変わる周期です。
つまり、次の変化がとても早いってことです。
これまでは、100年に一回大きな変化が生じていたのが、テクノロジーの発達により、それが10年に一度くらいのペースで訪れます。
ということは、我々はずっと学んで行く必要があるということですね。
つまり、ずっーと変容していく必要がありますね。この点については、出演者でもある冨山さんが書籍を出されています。こちらおすすめです。
会計コンサルティングファームだってそう。記帳代行という業務がAIで自動化される時代も到来。IT会社が記帳代行する可能性だって大きくある。
2、企業・会社は溶かせ!溶けるのを止めるな!
次のレベルとして、企業・会社の部分です。前提として、上記の社会が変わった。ゲーム・チェンジが起こってしまった。ということがあります。
以下のように整理してみました。
- バリュー・チェーンの変化
- 会社を溶かせ。バラバラにしろ。粉々able
- 会社の価値ってなんだ?そもそもその企業って価値あるのか?価値の変化
バリューチェーンの変化
安宅さんはこうおっしゃっておりました。
ミドルの人が限りなく、いらなくなってしまった。(というのがわかってしまった。)
ミドルというのは以下の人たちです。
バック
ミドル
フロント
真ん中の人いらなくない?みたいなのが、コロナによるテレワークでわかってしまったんですね。会社が、テレワークでもまわってしまったケースがあるので。
会社を溶かせ!粉々able
ゲームチェンジが起きてしまった以上、今までのルール、やり方では勝てない。なので、いったん会社を溶かせ!そして、つくり直そうということです。
粉々ableとか、KT(壊して作る)という言葉もありました。
これは冨山さんをはじめ、そう主張している人はいたと思うのですが、既得権益があることから進んでいませんでした。
「日本人の変わらないは異常」
と「日本人の勝算」(著者デービット・アトキンソン氏)
参考記事:【感想・まとめ】日本人の勝算ー人口減少×高齢化×資本主義 大変革時代の生存戦略のヒントとは?「一目でわかるマップ付き!」
それが、コロナショックで、より認知されたという意味で前進しています。コロナショック大歓迎とも言っていました。
日本人の良さが失われるのではないか?
という疑問に対しても、冨山さんは、一掃しています。
「明治時代や戦後の、日本人を見てご覧なさいよ。」
確かに、過去の日本の歴史と見ると、ピンチを乗り越え、その後、物凄い成長しています。
変わるのは怖い・遅いけど、窮地に追い込まれたらすごい!
そのためには、第4次産業革命時代のイノベーションについていけない、阻害するじゃまオジの人はジャマしてはいけないです。そして、そのじゃまオジにならないように気をつけないといけません。
もう一つ印象的だったのが冨山さんの言葉です。
経営者が社員の生活を守るなんておこがましい。大きな変化が早い。そもそも守れないんだから、無責任なことを言うもんじゃないよ。
みたいなニュアンスの言葉です。これは、本当にそう思います。私自身、出資者であり経営者でありますが、「経営者が社員の生活を守る」「食べさせる」ってすっごい違和感しかなくて。もちろん、すばらしいことなんでしょうけど。
公平感がないし、無責任な言葉だと思っていました。
「会社は従業員を守れません」「でも、生きるための武器を入手してください」ってスタンスがお互いウィンウィンです。
会社の存在価値は?そもそも価値ある?
そもそも会社の存在価値があるのか?ないなら存続させる必要はないのでは?というのをゼロから考えるべきだということだと思いました。
- 化粧品会社の価値は?
- 自動車会社の価値、存在価値は?
などですよね。
これは、社会との関連が強いです。
「こんな社会にしたい」「社会を変えたい」
という思い、ビジョンから会社が生まれるからです。
あの松下幸之助さんも、そうでした。
主婦の人が手洗いで洗濯していたのを見て「主婦を家事労働から解放する」と想いで洗濯機を製造したのです。
海外における会計コンサルティングファームの場合は、記帳を効率的に。正確に作成する。
から、財務数値から会社の健康状態を読み取り経営に活かす支援。それが価値。という方向性に変わらないといけないのかもしれません。
3、人。中間管理職でなく中間経営者。変容し続けろ!
最後に人レベルでのお話でした。
こちらは以下の5つに整理しました。
- 同質な人ではダメ。変容できる人。
- 中間管理職でなく中間経営職はめっちゃ必要。
- 5つのリーダーシップ。これがない人が70%?
- 問いを立てることができる人。浅瀬じゃなくて深いところを泳げる人。それには“間”が必要だ。
1、同質な人ではダメ。変容し続けることができる人
ゲームが変わったからです。そして、今後も短いスパンでゲームが変わる可能性があるからです。
環境が変わらず、連続的な環境であり、大量生産していれば儲かる昭和の時代はよかったのでしょう。
サラリーマンをして、「同質的な人」が出世して社長になることが、日本的経営モデルでした。
しかし、「野球がサッカーに変わった」状況では、このような人がうまくできることはできません。
ルールが違うからです。
このような場合「異人」が必要で、多様性ももっと積極的に認める必要があります。
経営者自身がプレーヤーとして、インプットし続け、変容し続ける。
2、中間管理職でなく「中間経営職」はめっちゃ必要
中間管理職は、限りなく必要ない。でも、中間経営職は必要。
このように言っていました。
中間管理職とは、社内調整とかを主にやっている人というイメージです。営業部門と管理部門の繋ぎとか、社長と部門の間に入る人です。
昭和の時代・失われた30年の時代であれば、中間管理職でも食べていけました。ある意味理想的なキャリアプランでもあったようです。
しかし、今後は難しいです。上記で記載した通り、ゲームチェンジがなされ、コロナショックにより、「いらなくないか?」ってことがバレてしまったからです。厳しいですね。
こんな言葉が印象的でした。
管理職で付加価値を出すのがすげー大変。給与分の働いてない。
めっちゃ厳しい…。辛い。
それでも、現実から目を背けてはいけませんよね。
では、どんな人なら将来も必要か?
それを、
中間経営職
と言っていました。要するに社長の変わりになる人です。組織が大きくなると当然社長が全部意思決定できません。
そこで、
- 自分で考え、
- 判断して、
- 責任を取る
人が中間経営職として必要なのです。自主性がある人ですね。
優秀な人には、自主性を持ってもらい、決定権を与える。
3、5つのリーダーシップ
安宅さんは以下の5つをリーダーシップとしてあげていました。
- 課題解決
- いい人を採用して育てる
- お客様を握る。いい関係を構築・維持
- 外の人と繋がる
- 変化を起こす
この中で最低2つくらいはやってほしい。けど、どれもやっていない人が70%疑惑らしいです。こういう人材だと厳しいということですね。
とくに今後は5が大事になると思いました。
4、問いを立てることができる人
宮田さんの発言が印象的でした。
方程式を解く人ではなく、「問いをたてることができる人」が重要になる。
これまでは、「問題がたくさんあって、解決策が少ない」時代が中心でした。「不満、不便、不安」がたくさんありました。
- 移動に時間がかかる
- 情報が少ない
したがって、問題解決能力がとても重要で中心だったのです。
しかし、テクノロジーの発展を中心として、ほとんどの「不満、不便、不安」が解決されました。
そのため、問題を提案できる人、問いをたてることが人の価値が上がっていくというのです。
こんな表現も興味深かったです。
「世界のフェーズは、浅瀬ではなく、深いところを泳げる人」
そのためには“間”が必要
会議やら忙しすぎると、間がなくずっと、分単位でスケジュールが埋まってしまいます。
これがダメだと言っていました。
新しい時代のためのアイデア、変化、深いところを泳げる人。
これらにつながってくる話です。じっくり考えたり、
ちなみに、過去の有名な発明家等のアイデアは、シャワーを浴びている時に思いつくケースが多かったようです。
これも“間”ですよね。
コロナの影響により、せっかく移動時間が削減できたのに、会議でぎっちりスケジュールが埋まるというのは本末転倒です。
これは、「7つの習慣」の第2領域の時間という話ともリンクしてきますね。
私は、サウナにいくことで間を作っています。また、意図的に雑音を廃止して集中時間を作っています。
参考記事:人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?【書評・感想】
本日は、Weekly ochiaiの日本企業がコーポレートトランスフォーメーションのまとめと感想について書きました。
最後にマップを再掲しますね。参考になれば嬉しいです。がんばっていきましょう!