こんにちは、公認会計士の菅野です。

経営者や独立した個人事業主にとって、会社のビジネスを理解し、財務諸表を読めるスキルはとても重要です。必須のスキルと言っていいでしょう。

では、どのような書類から財務諸表の情報を入手できるのでしょうか?

例えば、上場会社であれば、有価証券報告書って物凄い分厚い報告書があります。100ページから200ページを超える場合もあります。

ガチの投資家であるならば、これを読み込む必要があります。でも、大半のみなさんはそうではないと思います。投資の神様のウォーレンバフェット氏の名言を紹介しますね。

「あなたは数え切れないほどの企業の年次報告書と財務諸表を読まなければならない」

「『プレイボーイ』を読む連中もいるが、わたしは年次報告書を読む」

かなり、ストイックです。さすが神様です。前述の通り、有価証券報告書などのオフィシャルな報告書は、読んで理解することの難易度が高いです。

そこで!

企業の財務諸表をわかりやすくグラフ化などして説明しているウェブサイト、サービスが結構あります。これについて紹介したいと思います。2023年だとOPEN AIが出しているCHAT GPTでグラフ化もできるはずです。

数値だけでなくてグラフ化すると財務諸表が楽しく感じるはずです。ウィリアウム・プレイウェアという人はこんなことを主張しています。

「一見してチャートの見方がわからない人」でも、「最初のチャートに書かれた数行の指示を読めば、すべての困難が完全に消え去り、図の表で永続的に記憶に刻むのに丸一日かかるような情報を、5分で得ることができる」のです

“the few lines of directions facing the first Chart, after which they will find all the difficulty entirely vanish, and as much information may be obtained in five minutes as would require whole days to imprint on the memory, in a lasting manner, by a table of figures

「1日かかることを5分で!」って画期的ですよね。そういった意味でグラフのパワーは計り知れません!

以下のような視点で、コメントをします。なお、本日、紹介するのはどれもすばらしいサイトばかりです。

  • 財務諸表の可視化・見える化の精度
  • 経営分析の指標の内容
  • その他

それでは、はりきっていきましょう!

Strainer 

まずは、こちらです。

株式会社ストレイナーさんが提供しているデータベースです。

気になる会社を選択して、グラフ化で主要な経営指標がグラフ化で見ることが可能です。ただ、単一の指標(例えば、経常利益率)をそれぞれみるって感じなので、一覧生と言う意味ではちょっとだけ不便かもしれません。

ストレイナーの経営指標のグラフ化の種類

【損益計算書】

  1. 売上高
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 純利益
  5. 営業利益率
  6. 経常利益率
  7. 利益率
  8. 売上成長率
  9. 営業利益成長率
  10. 経常利益成長率
  11. 純利益成長率
  12. 従業員数

【バランスシート(貸借対照表)】

  1. 株主資本
  2. 総負債
  3. 総資産
  4. 現金及び現金同等物
  5. 流動市場性有価証券
  6. 流動資産
  7. 固定資産
  8. のれん
  9. 流動負債
  10. 長期負債
  11. 利益剰余金
  12. 自己資本比率

【キャッシュフロー計算書】

  1. 営業キャッシュフロー
  2. 投資キャッシュフロー
  3. 財務キャッシュフロー
  4. 営業CFマージン
  5. フリーキャッシュフロー
 
ニュースとセットになっているので会社のストーリーとリンクさせたい人はおすすめ。プレミアムプラン(有料)もあるようです。
 
引用元:ストレイナーウェブサイト

Strainerのウェブサイトはこちら!

バフェット・コード ワンストップで効率的な企業分析ができる無料のツール

こちらも有名です。なんて言っても見やすいですね。主要な経営指標がまとめて1つの画面で見れる点も便利です。

類似企業比較もあったりでかなりいい!

バフェット・コードの経営指標のグラフ化の種類

  • 売上高
  • 売上高総利益率、売上高総利益額
  • 営業利益率、営業利益額
  • 純利益率、当期純利益額
  • ROE
  • EPS
  • 配当
  • 自己資本比率、ネットD純利益倍率
  • セグメント
  • 比例縮尺財務諸表(BS,PL)

比例縮尺財務諸表がかなりいいです。PLとBSの大きさが一目瞭然だからです。これで資産効率性とかわかりますよ。

“会社の詳細”という場所で有価証券報告書の重要なところがタブ形式で見れるところが便利です。

バフェットコードのウェブサイトはこちら!

見やすい!「グラフで決算」

財務諸表の業績数値を同じグラフに並べて表示。企業の損益(売上・利益)と、規模(資産・負債・内部留保)をわかりやすく分析します

とウェブ上のトップに記載されているように主要な財務情報及び財務分析は、すべてグラフ化されています。なので、とっても見やすいですね。また、業界別にも分類整理されています。

引用元:グラフで決算

「グラフで決算」の経営指標のグラフ化の種類

【損益計算書】

  • 売上高
  • 売上高総利益額
  • 営業利益額
  • 当期純利益額

【貸借対照表】

  • 流動資産、固定資産
  • 流動負債、固定負債、純資産

【キャッシュ・フロー計算書】

  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • 財務キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー

利益と資産を同じ縮尺で比較したグラフ】

基本財務表の情報ですね。利率はグラフ化されていませんでした。BSは資産と負債をセットの方がいいかなと思いました。

グラフで決算のウェブサイトはこちら!

財務諸表ハック

こちらもグラフ化がかなりわかりやすいです。しかも、財務分析がかなり充実していますね。

ほぼ網羅されているところもいいですね。おすすめ!

業界別で、パッケージ見たいな感じで、比較している点もいいですね。

引用元:財務諸表ハック

「財務諸表ハック」の経営指標のグラフ化の種類

主なグラフ化は以下の通りです。

【損益計算書】

  • 売上高
  • 売上総利益額・利益率
  • 営業利益・利益率
  • 経常利益・利益率
  • 税引き前当期純利益・率
  • 税引き後利益・率
  • 販売費及び一般管理費
  • 営業外費用・収益
  • 特別損益
  • 売上原価
  • 売上推移

【貸借対照表】

  • 流動資産、固定資産
  • 流動負債、固定負債、純資産
  • 自己資本比率

【キャッシュ・フロー計算書】

  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • 財務キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー

利益と資産を同じ縮尺で比較したグラフ】

【財務分析】

  • 資産回転率
  • 流動比率
  • 利益率
  • 債権回転率
  • 仕入債務(回転日数)
  • 棚卸回転日数
  • 会計利益先行率
  • 長期有利子負債比率

財務諸表ハックのウェブサイトはこちら!

Chat GPTsなどのAIでのグラフ化も!

2023年からChatGptなどが話題になり、グラフ化の選択肢も増えましたしかなりパワーアップしました!!やばいですね。

『Code Interpreter』という機能活用することで、グラフ作成や数値の解析などの作業を、簡単な文章だけでChatGPTに作業してもらうことが可能になったんです。もちろん、会社の企業機密情報をアップロードすると大きな問題が生じてしまうので、公表されている決算データなどを用いるといでしょう。

GPTsでもそのようなツールが生まれています。

このGPTsとは、ChatGPTを特定の目的にあわせてカスタマイズできる機能です。日本時間2023年11月7日に行われた、OpenAI初の公式イベント「OpenAI DevDayでその概要が公開。

このGPTsを使えば、あなたの言語を入力することでChatGPTの機能を内蔵した新たなシステムを作れるようです。とくに、エンジニアの高度なスキルのコーディングを必要としないので、エンジニア以外の方でも気軽にシステム開発を行えるのが画期的です。私もいくつか作っています。

カスタムしたGPTsからおすすめのGPTsを教えてくれるGPTがあります。

>>best-custom-gpts-directory

上記からおすすめのGPTsを以下のリンクなどで探してみるといいかもしれません。GPTsのリストがあります。いろんな人がすでも作成して公開しているということです。

>>gptstore.ai

以下のようなGPTsがおすすめだそうです。

  • Dr. Graph: 調査されたデータを使って正確なグラフを作成するのに長けています​​。
  • Data Analysis;Drop in any files and I can help analyze and visualize your data
  • IFRS-GPT: 国際財務報告基準(IFRS)と一般に受け入れられている会計原則(GAAP)に関する専門知識を持ち、決算書、原則、および分析に関するアシスタンスを提供します​​。
  • Financial Report GPT: 詳細な財務報告書の分析と投資の洞察に長けています​​。
  • Market Analyst: 任意のチャートを即座に分析する能力があり、チャートの画像を貼り付けたりアップロードするだけで、多くの指標を含めることができます​​。
  • Financial GPT: 米国、香港、中国の株式、ファンド、マクロデータ、商品、FXなどの金融分析に長けています​​。

⭐️各サイトのグラフ化のまとめ⭐️

4社のグラフ化をおおまかにまとめたいと思います。

大項目項目ストレイナーバフェットコードグラフで決算

財務諸表ハック

貸借対照表流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
総資産
現金及び現金同等物
流動市場性有価証券
のれん
自己資本比率
比例縮尺財務諸表(BS,PL比較図)
損益計算書売上高
粗利
営業利益
経常利益
税引き前純利益
純利益
販売費及び一般管理費
営業外費用・収益
特別損益
売上原価
キャッシュフロー営業キャッシュフロー
投資キャッシュフロー
財務キャッシュフロー
営業CFマージン
フリーキャッシュフロー
その他ROE
EPS
配当
ネットD純利益倍率
セグメント
売上成長率
営業利益成長率
経常利益成長率
純利益成長率
従業員数
資産回転率
流動比率
利益率
債権回転率
仕入債務(回転日数)
棚卸回転日数
会計利益先行率
長期有利子負債比率

 

【ベトナム】公表されている財務諸表を閲覧する方法も紹介します

日本のようにグラフ化、経営分析がされているサイトはあまりありません。私は探せませんでしした。ベトナム人の専門家や友人などに聞いてリサーチしました。

以下がありました。

  1. VIETSTOCK
  2. cafef
  3. stockbiz  (ちょっとした棒グラフあり)
  4. vietequity  

一番のおすすめは、VIETSTOCKです。というのは、推移表だったり、単位を変えれたり使い勝手がよかったからです。私はこのサイトを使って調べる事が多いですね。

本日は、財務諸表を可視化・見える化しているウェブサイトのまとめと言う事で紹介させて頂きました。

グラフ化すると見やすいですし、スッと頭に入ってきますよね。