こんにちは、公認会計士のすげのです。

本日は、書籍のまとめ・感想です。

社会派ブロガーのちきりんさんの書籍、「マーケット感覚を身につけよう (これから何が売れるのか?わかる人になる5つの方法)」です。

マーケット感覚を身につけよう!を読むべき人

ずばり、個人も含め、これからの時代に束縛されず幸福度をあげながら稼ぎたい人の全てです。稼ぐって言うと、ちょっと印象が悪いかもですが、自分の価値で世の中に貢献してお金をもらう人になりたい人という言い方でもいいかもしれません。また、変化を恐れるのではなくむしろ楽しめるようになりたい人も読むべき書籍です。

背景としては、以下の2点があるのかと思っています。

  • 環境の変化が激しく、企業の寿命が短い
  • 人生100年時代

この2点があるからです。

この書籍の全体像

マーケット感覚を身につけよう!は、まとめると以下の3つのグループに分類されます。

1
WHAT

そもそもマーケット感覚とはなんなのか?

2
WHY

なぜ、マーケット感覚が大事なのか?

3
HOW

どのように身につけるのか?5つのステップで解説

それでは、それぞれ骨格となる部分を解説していきますね。

マーケット感覚とは?

これは、一言で言うと、以下のような感覚のことです。

売れる価値に気づく能力

商品やサービス売買されている現場のリアルな状況を想像できる能力

どんなもの、サービスがマーケットにおいて売れるか?ということですね。

ここでのキーワードは、想像力です。この想像力は、普遍的なスキルだと感じました。

できるビジネスパーソンにとって、どんなにテクノロジーが発展したとしても、このスキルだけは陳腐化しないからです。

>>現代人にとって必要なスキル!行動・情報・想像と【7つの習慣】の3つのセットの関係性 一番大事なスキルとは?

マーケットについての基礎知識

では、マーケットとは一体なんでしょうか?こちらについて整理していきたいと思います。

マーケットという概念は、とても、大事です。なぜならば、これについて理解してないとあなたの周りの人に価値を提供できないですし、稼ぐことも難しくなってしまうからです。マーケットとは、以下の事です。

-不特定多数の買い手と売り手が

-お互いのニーズを充してくれる相手とマッチングして

-価値を交換する場所

買い手がもしいなければ、それは、魚のいない海と同じです。そして、マーケットを理解するための要素は以下の通りです。

【市場の構造を理解するための要素】

  1. 取引される価値(最も大事!)
  2. 買い手=需要者
  3. 売り手=供給者
  4. 取引条件(価格)

【市場の動きを理解し、予測・利用するための要素】

  1. 買い手と売り手が取引する動機
  2. それぞれの要素に起こりうる今後の変化
  3. 市場の中で選ばれるための方法

要するに、「どのような価値が、誰と誰との間で取引されるのか?」と言う事です。例えば、あなたが4,000円のうなぎの蒲焼をハノイで食べる。というのは、レストランとあなたとの間でうなぎの美味を味わうという価値が取引されているのですね。

あのダイレクトレスポンスマーケティングの権威であるダンケネディも、3M、すなわち、「マーケット(Market)」、「メディア(Media)」、「メッセージ(Message)」の3つの要素がマーケティングに必要であると言っています。

実際の事例でマーケット感覚をイメージしてみよう!

書籍には、マーケット感覚について、具体例を用いて解説していました。よりイメージできるようにこれについて紹介しますね。私が感じている例も加えています。

飛行機の価値

離れた場所を高速に移動するという価値

物理的に離れた場所で、なんらかの体験を得るための価値(会議、現場を見る、調査)

オンライン会議システムやスマホ、VR、調査会社が競合となる。

江戸時代のコメとスイカの価値

コメは、食卓に不可欠な主食という価値

スイカは、デザート(替えがある)

軽自動車とフェラーリの価値

楽に移動できる

豊に見えるという価値

英語人材??英語で経理?英語でITサポート?

日本人にとって英語スキル必要?大事?

フィリピン人やインド人の英語人材の方が英語のスキルが高く、給与が安い

給与が安くて英語スキルが高い方が価値が高いと言えます。したがって、日本人で英語ができる人の価値が高いか?と言われるとそうでもないという考え方もできます。

旅行会社の価値

日本人に対してサポート

海外からインバウンドが増える。海外の人にとって有用なサービス

海外の人が喜ぶ支援の方が高い方が価値が高いと考えることもできます。

ニュースの価値

いい情報を提供

自分もコメントできるの楽しいと言う価値。コメントの方が価値がある。

具体例としてニコニコ動画やNewspicksがあると思います。

通信販売の価値

いいものを販売する

信頼できる人が、アドバイスする・勧めてくれる価値。

例えば、信頼できる大好きな孫はおすすめする商品だから購入するなどです。糸井重里さんの「ほぼ日」などもそうです。

また、好きな人信頼している人が使っているのだから、私も欲しいっていうことありますよね。

書籍の価値

本を自分で選んで情報を得る。

プロがあなたのために書籍を選んでくれる価値。

これも上記と同様に選んであげるという価値と言う意味で同様かと思います。

野球の価値

高いレベルのプロ野球。勝敗。優勝。技術

高校生が努力する物語、ストーリー

AKB48も同様だと言えます。歌や容姿が極端に飛び抜けてなくても、ひたむきに頑張る姿をみせることに価値があると判断し、成功した事例だと言えます。

世界遺産の価値

歴史的に価値のあるの認定や自然保護(ユネスコの本来の目的)

ユネスコが世界遺産として認定したものを見に行く体験

観光客を増やすためには、世界遺産として認識されることが重要な価値の一つだと言えます。

サウナの価値

スッキリしたい

自律神経を整えて、仕事の生産性を向上させたい

目的によって価値が異なってきます。

海外での日本食の価値

美味しい。ちょっと高いけど。

ベトナム人経営の安くて美味しい日本食

日系のレストランだけでなく、ローカルの日本食も競合になってきます。

価値を見極める

価値を見極めることがとても重要です。

なぜ、マーケット感覚が大事なのか?

2つあります。

  1. 市場化しているから
  2. 時代の変化が激しくしかもそのスピードが、早い今の世の中、価値を見つけるという「マーケット感覚」がないと、世の中に価値を与えることができず、幸福になることができないから。不幸になるから。

だと思います。

1:市場化しているから

これは、要するに、マーケットが広がったということです。言い換えると、選択肢が多くなったと言う表現もできます。

例えば、就職活動であれば、昔であれば、近所の会社での就職活動であったのが、今では、インターネットを通して、世界中の会社へ就職できるチャンスがあります。選択肢が広がっていますよね。

このような市場化されている現状では、価値を伝えることがより重要になってきます。選ぶ方も選ばれる方も選択肢が広がったているからです。

日本で1番という序列よりも、グローバルで1番になると言う視点になってきています。

2:世の中に価値を与えることができれば、あなたの幸福度が上がる

2点目は幸福度との関連です。価値があるか?どうか?を見極めることができる「マーケット感覚」があれば僕らは幸せになれます。

貢献し、信用され、それがお金になる。

世の中に価値を与えるということは、人から必要されると言うことです。人間の幸福の一つの要因は、他者への貢献です。貢献を継続することによって幸福につながるんですね。そして、その積み上がった信用が、お金になる。という流れかなと。

時代の変化は早い時代に…。早い変化・長い人生という背景

変わらなければ、替えられる。

とちきりんさんも言っていますが、本当にそうだと思います。ある話では、

今の情報の90%は、2年以内の情報

とも言われています。それくらい時代の変化が激しいのです。「現代人は平安時代の人の一生分の情報量を1日で得ている」とも言われているようです。

過去の歴史を振り返っても、ぼくら人間は、必ず変化することによって成長してきました。

そして今は、その変化をしなければならない、時間軸がとても早くなっているのです。

そのため、変わるという変化をしない人や組織は、マーケットから見限られる。つまり、捨てられる。という悲しい結末になってしまうのです。

マーケット感覚があれば、「変わる」という事に、恐れを抱くのでなく、「変わる」ことについて楽しむ感覚になれます。というか、変化しないと死んでしまいます。

加えて、人生100年時代とも言われており、人生は長くなっていきます。これも、マーケット感覚を身につけつつ、「変わる」必要性があると言う事が言えます。

どのようにマーケット感覚を身につけるのか?

ここのパートはとても大事です。どのようにマーケット感覚を身につけるのか?これには、5つあります。

  1. プライシング能力
  2. インセンティブシステムを理解する
  3. 市場に評価される方法を選ぶ
  4. 失敗と成功の関係を理解する
  5. 市場性の高い環境に身を置く

こちらについて、海外ビジネスという観点からもまとめていきたいと思います。私がベトナムでコンサルティングファームの経営者をしているからです。

プライシング能力

まだ、商品化されていない「何か」について、独自の基準を持って、「これには大きな価値がある」と判断できる能力

需要者・消費者が妥当だと感じる価値に気がつく能力

感動などの非伝統的な価値にも気がつく能力

その価値は、客によって異なる価値と気づく能力

のことです。

値札や相場は、他者の判断結果です。自分独自の判断基準を持たない人は、他者が決めた値段で判断するしかありません。

値決めは社長の仕事と経営の神様である稲盛和夫さんが仰っていますが、このこととも関連します。

この方法を具体的に紹介していたいのでそれについて紹介しますね。コストから考えるのではないとと言うのがポイントです。

1
Who?自分にとって

自分にとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?

2
Who?他の誰かにとって

他の誰かにとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?

3
Who?そのまた別の誰にとって

そのまた他の誰かにとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?

4
How much?もっとも高く評価する人

商品(サービス)を最も高く評価する人はどのような人か?

5
How much?誰が一番高い?

誰に向けて売れば、価格は一番高く売れるのか?

【海外経営管理と関連させると?】

ベトナムにおける日本人のコミュニケーションコストを効率化させ、本業にコミットしてもらう価値など。バリューってなんなの?と価値について常に考えなければいけない。

インセンティブシステムを理解する

人が行動した時のその背景にある要因や、その要因が言動につながる仕組みのことをインセンティブ、動機付けの仕組み。

自分の欲望に素直になって、他者の欲望や人間全体に共通するインセンティブシステムを理解する。「どうすればみんな自発的に、望ましい方向に動いてくれるだろう?」と考える。

することが必要です。

インセンティブについては、馬の目の前につり下げられた人参のこととイメージするとわかりやすいです。営業の人がなぜがんばるか?一つは営業成績によって、給与が変動するからです。

また、別な言い方をすると、「行動経済学や心理学」とも言えます。人間の泥臭くて複雑な人間の仕組みの理解です。

マーケット感覚にも使えますが、マネジメントスキルの一部でもあります。

【海外経営管理と関連させると?】

ベトナムにおけるコミュニケーションコストを効率化させる価値

市場に評価される方法を理解する

「組織」と「市場」の意思決定スタイルの違いを理解し、組織に評価されるのではなく、市場に評価される方法を学ぶこと。

組織による評価から市場による評価

誤解を恐れず言いますと、無能かもしれない変な上司(一人や少数の)に評価されるより、「市場」から評価される方法のことです。公正性も高まりますしね。

背景としては、組織の寿命が短くなってることや、市場化が挙げられます。会社がずっと続かない可能性が高い、特定の上司の好き嫌いの影響を受けてしまうと損してしまうと言うことですね。

「ずっと、ごますって来たけど、会社がなくなったら意味ないじゃん!」という感じです。上司のことをリスペクトすることは、とても大事です。ただ、あなたが我慢してまで、気をつかってしまう(過度な忖度)と損する可能性が高いです。

また、「とりあえずやってみる」という、「やってみてから→決める」という市場型の意思決定方法が現代では特に有効です。結果的に成功率も高まりますし、物事が進むからです。

【海外経営管理と関連させると?】→普遍的な考え方

経営者として、市場から評価されるように個人のスキルを磨き続ける

スタッフも市場の評価を気にすべきという文化にする

失敗と成功の関係を理解する

「失敗経験のない人など、まったく、評価しない。失敗経験のない人は、「成功するのに必要な学びを得ていない」と評価。

市場から学ぶ方法は、「やってみて、失敗し(もしくは否定)その失敗や経験から学ぶ」

失敗が大事とは、有名な経営者も言っていますよね。失敗をしてきた人は、やっぱり、深いです。

学びには、2つあります。

  • 組織から学ぶ(正しい方法を習い、反復練習)
  • 市場から学ぶ(学んだことを実践し、現実的な環境下で成果が出せるように経験を積む)

そして、後者が特に大事だと言うことです。これには、失敗が当然に付きまといます。

【海外経営管理と関連させると?】→普遍的な考え方

どんどんアクションを起こす。市場からフィードバックを得て改善する。

市場性の高い環境に身を置く

「市場性レベル」があることを理解し、意識的に市場性の高い環境を選ぶ。

市場性の高い場所とは、需要者と供給者が価値を交換する現場や、人間のインセンティブシステムが直接的に働く場所、組織的な意思決定ではなく、市場的な意思決定方法が採用されている環境。

人がどんな時に、どんなモノにいくらお金を出すのか?

「お金がチャリン」と鳴る瞬間を日々を見ることが大事だと言っています。

【海外経営管理と関連させると?】

スタッフに、価値と収益性の理解をしてもらう。

本日は、ちきりんさんのマーケット感覚を身につけよう!のまとめと感想、そしてアクションまで書かせていただきました。マップもごらんください。

ちきりんさんのおっしゃる通り、「どんな分野であれ10年も働いたら、「自分には売れるモノなど何もない」なんてことはありません。

マーケット感覚を身につければ、我々の人生の幸福度は間違いなく向上するはずです。是非、意識していきましょう!私もがんばります☺️