こんにちは、公認会計士の菅野です。

本日は、ベトナムの「監査報告書」の提出方法やその部数についてわかりやすく解説していきたいと思います。

ベトナムにおいて外資系の会社は、基本的に会計監査を受けなければいけません。ちなみに会計監査と税務調査は違いますのでご了承ください。

>>3つの”会計”の意味と社長様が最も留意すべき会計とは? 財務会計・税務会計・管理会計

ベトナムで現地で社長をしている人であれば、なぜ、そんなにたくさんの部数の監査報告書に署名する必要があるのっていう経験があるかもしれません。

だって8部くらいですからね。私も、署名しますけど、これが結構時間かかるんです。

本日のお話を聞いていただければ、納得して頂けるはずです。

ベトナムでの監査報告書を法的に提出しなければいけないのは3つ

あなたが署名して製本した監査報告書をどのように提出するのか?を解説していきます。どこに提出されるのでしょうか?それは以下の3つの場所です。

  • MOF(ベトナム財務省)
  • 統計局
  • 税務当局

それぞれ解説していきますね。

監査報告書のMOF(ベトナム財務省)への提出

こちらMOFには、2部の監査報告書を持って行きます。こちらはベトナム語になります。

  • 提出用
  • 確認用

提出後、確認用に、スタンプと押印をもらいます。

以下は、ベトナム財務省のウェブページです。

https://mof.gov.vn/webcenter/portal/btcvn

監査報告書の統計局への提出

次に統計局への提出です。上記と同様に、2部の監査報告書を持って行きます。こちらもベトナム語になります。

  • 提出用
  • 確認用

確認用には、スタンプと押印をもらいます。MOFと同様です。この確認用ですが、上記のMOFでスタンプ等をもらった監査報告書を利用します。

こんな感じですね。

監査報告書の税務当局への提出

税務当局への監査報告書は、オンラインで提出できます。

 

その他、監査法人と自社のために保管する

上記の他に、監査法人用と自社用に保管します。

目的

部数と種類

監査法人用

※監査法人による

英語版1部

ベトナム語1部

自社用

会社による

英語版1部

ベトナム語1部(MOFと統計局のスタンプや押印あり)

ベトナム監査報告のまとめ

表にしてまとめてみましょう。一目瞭然でわかりやすいかなと思います。

目的

部数と種類

法律に基づく

MOF(財務省)

ベトナム語2部

※そのうち1部は、確認用として会社残す分⭐️

統計局

ベトナム語2部

※そのうち1部は、確認用として会社残す分⭐️

税当局

オンラインで提出(スキャンで提出。この場合、会社側の署名・押印だけで取り急ぎ提出することも可能です)

参照用、リファレンス用 ※監査法人によって日本語も準備してくれる

監査法人用

※監査法人による

  • 英語版1部
  • ベトナム語1部

自社用

会社による

  • 英語版2部
  • ⭐️ベトナム語1部(MOFと統計局のスタンプや押印あり)

結果、合計として

  • ベトナム語バージョンが、4部(MOF、統計局、監査法人、会社)
  • 英語バージョンが3部(監査法人、会社2部)

になります。ただ、あなたがお願いしている監査法人によって要求する監査報告書の数は異なるかとは思います。

本日は、ベトナムにおける監査報告書の提出方法について解説させて頂きました。お役にたてると幸いです。