こんにちは、マナボックスの菅野です。

ベトナムで進出する日系企業のパターンで、商社、いわゆる、輸入して、販売するパターンがよくあります。

この場合、輸入する側(Non-EPE)は、付加価値税(通称輸入VAT)が発生します。これは、輸入品の金額に、輸入関税(ものによって税率が違う)を足した金額に、基本的に10%を乗じた金額となります。

例えば、10,000ドルの輸入品で、関税が、5%の場合は以下のようになります。

  • 関税は、10,000✖︎5%=500ドル
  • 10,000ドルプラス500ドル=10,500ドル
  • 10,500ドル✖︎10%=1,050ドル(付加価値税)

本日は、この関税と付加価値税のスキームと会計処理についてお伝えします。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムの子会社を設立してそこを商社としてビジネスをしたいと思っている
  • ベトナム税務がわからなくて、不安
  • 資金繰りも不安

国内取引の付加価値税との違いや支払いと会計処理

ビジネススキーム整理して図解すると以下のようになります。

ポイントは、輸入関税と付加価値税は、仕入れ先でなく、直接、税関に支払うということです。

簡単な事例を想定してみましょう。関税の金額は無視しました。

  • 取引額:1,000ドル
  • 付加価値税:100ドル

この場合の会計処理やエビデンスと関連させて理解を深めます。

対象誰に?

エビデンスは?

会計処理

取引額1,000ドル仕入先

インボイス(セールスインボイス)

借方:仕入れ

貸方:買掛金

税金100ドル税関

Customs declaration税関申告書等

借方:付加価値税(仮払金税金)

貸方:未払金

税関申告書のサンプル。ここに付加価値税の金額が記載される
税関申告書のサンプル。ここに付加価値税の金額が記載される

感の言い方はお気づきかもしれませんね。

通常の国内の仕入れの場合は、上記の例で言えば、1,100ドルを仕入れ先に支払います。この点が違うので、知っておくといいと思います。

VATの還付という論点が生まれる

会社がNon-EPEで、販売先が、EPEまたは輸出の場合は、還付という論点が生まれる可能性があります。可能性という表現をしているのは、すべてがそうでないからです。

仕入れする時にインプットVATは払うけど、販売する時は、アウトプットVATが生じないためです。

 

入りのVATあるけど、それにぶつける、出のVATがないというイメージです。これは付加価値税の仕組みを理解するといいかと思います。

>>ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける! 

そうすると、ぶつける相手がいない!というのが以下のようなイメージができるのではないでしょうか?

この場合、粗利と資金繰りに留意する必要があります。例えば、粗利が、10%以下ですと還付ができない場合、還付ができないと資金が減り続けることになりますよね。

付加価値税及び関税の支払い方法のスキームは2つある

これは、

  • あなたの会社が、直接に税関に支払う
  • フォワーダーさんが立替する場合

があります。ただし、いずれも付加価値税と関税のエビデンスは、関税申告書になります。通常は、銀行からの支払いになります。

本日のまとめ

本日は、輸入に際しての、付加価値税の支払い先とそのエビデンス、そして、会計処理、と留意点をまとめさせて頂きました。

初めて、輸入する場合には、きちんと、誰が(あなたの会社?フォワーダー?仕入れ先?)どんな書類を?準備するのか?をきちんとイメージするといいと思います。

お役に立てれば幸いです。

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