こんにちは、公認会計士の菅野です。

今日のテーマは、『ベトナムの社会保険による会社負担と手取りが減少する場合』というテーマでお話したいと思います。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに進出しておりベトナム強制社会保険の話題が気になっている
  • 会社の資金繰りがやっぱり気になる
  • ベトナムで働いており、ベトナムの社会保険によって手取りが減少するかもと不安

最近気になる話題だと思います。2018年より外国人も社会保険の加入が強制になったからです。

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企業内転勤以外の日本人がいる場合は影響あり【誰が?】

親会社から出向でない場合、ベトナムの社会保険に加入する必要性があり、2022年1月より年金部分を支払う必要性がある

こちらが結論です。

したがって、以下のようなケースは、①会社負担が増え②該当する日本人の手取りが減ります。(労働契約があるなども条件になってきます)

  • 現地採用の人
  • ベトナムで起業(個人出資や名義貸し)
  • 出向元と親会社が違う場合(例:日本本社から出向しているが、ベトナム現地法人の出資者が違う(香港やシンガポール、名義貸し)

※最終判断は、普段コンサルを依頼している専門家にしてください。

ベトナム社会保険の種類と金額的なインパクトとは?手取りが減る可能性

ベトナム強制保険は3つある。①社会保険②失業保険③健康保険

このうち①の社会保険はさらに3つに分類される。

  • 「退職年金、遺族給付」
  • 「労災・職業病の給付」
  • 「疾病給付、妊娠出産給」

2022年1月から「退職年金、遺族給付」が適用される。会社負担14%、個人負担8%

ただし、計算する際に「上限金額」がある。

図解するとわかりやすいです。なお、コロナによる影響に配慮し、一部免除されていますのでそこはご留意ください。

>>【コロナの影響】116/NQ-CPによる雇用主と従業員へのお金の支援【資金繰りへ影響あり】

会社負担も個人負担も、桁違いに大きいですよね。2018年から適用されていますが、料率が小さいというのと個人負担がなかったため、影響額がとても小さかったのです。

では、どれくらいの金額的のインパクトなのか?が気になりますよね。

ベトナム社会保険の「退職年金」の影響額を計算してみよう!

「退職年金、遺族給付」について試算してみましょう。前述した通りみなさんへの影響が大きくなる可能性があるからです。

ポイントは、上限額がある点です。どういうことかと言うと、月収20万円の人であれ、月収100万円の人であれ、社会保険の金額は固定されます。

社会保険の金額の計算が、「標準報酬額✖️社会保険率」で計算され、「標準報酬額」に上限があるのです。

ではどのように上限額を計算するのか?

それは、「公務員の最低賃金」の20倍です。留意点は公務員という点です。みなさんの会社のスタッフにも影響のある「地域の最低賃金」とは異なるので留意しましょう。

この「公務員の最低賃金」ですが、現時点では149万ドンです。おおよそ7,500円です。とても低いですよね。

公務員等および軍人の基準賃金に関する政令38/2019/ND-CP(2019年5月9日公布)に規定されています。これによれば、2019年7月1日以降は149万ドンとなっています。ただし、随時向上していくという点は留意する必要があります。

ざっくりと計算すると以下のようになります。

  • 「公務員の最低賃金」→7,500円
  • 上限額の20倍→7,500円✖︎20=15万円
  • 15万円✖️8%=21,000円/月(個人)
  • 15万円✖️14%=12,000円/月(会社)

図解すると以下の通りです。

つまり、あなたが経営者なら年間で一人につき約24万円ほど会社負担が増えます。そして、あなたが当事者なら、月12,000円程度手取りが減少します。

そこまで小さくない影響だと思います。

ベトナム退職年金を日本人はもらえるのか?社会保険一時給付金 

年金とは、あなたが引退した後に、老後の生活のためにもらえる金額です。外国人である我々がもらえる可能性はあるのでしょうか?

なさそうですよね。引退するまでに帰国している可能性がかなり高いでしょう。

では、「払いっぱなしなのか?」という疑問が生まれると思います。これに対して、社会保険一時給付金制度というのがあるそうです。

つまり、定年にならなくても納めた「年金」が戻ってくるそうです。

社会保険料納付年数に基づいて計算1 年強制社会保険に加入すると、加入期間の平均給与2ヶ月分という規定だそうですが、実際どうなるかわかりません。

今日のまとめ

本日は、ベトナムの外国人の社会保険についてお伝えしました。

  • 2022年1月より「退職年金」部分についても開始する
  • 企業内転勤(出向者)以外の外国人が対象
  • 計算基礎金額には上限があり
  • 上限額はおおよそ15万(将来変動する可能性あり)
  • 概算額、会社負担21,000円/月で個人負担12,000円/月

お役にたてれば幸いです。