こんにちはマナボックスの菅野です。

今日は『VAT(付加価値税)の申告方法』の流れをお伝えします。VATの基礎概念については以下を参照ください。VATとは日本で言う消費税のことです。

>>ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける!

この記事はこんな人のために書いています。

ベトナムに進出しており、管理責任者として赴任していて、VATの申告の流れを理解したい。

今日のお話しを聞いて頂ければ、VATの申告の流れの概要をスッキリ理解することができます。

なお、申告書の内容については以下をご覧ください。もしあなたが申告書をチェックする必要がある場合にはその構造が理解できるのでスッキリするはずです。

>>ベトナム、付加価値税(VAT)申告書の内容(01GTGT)をわかりやすく徹底解説!

VAT(付加価値税)の申告の大きな4つのステップ

まずは、申告までの全体の大きな流れを見ていきましょう。

1
会計ソフトウェアから情報をダウンロードしよう

正確な記帳が大事です

2
インプットとアウトプットをチェックしよう

形式と実質要件をチェックしよう

3
HTKKで「申告書」を作成してみよう

ベトナム税務当局が要求するソフトウェアで実際に申告書を作成しよう

4
「申告書」を提出

E-taxシステムを利用してオンラインで申告しよう

まず会計ソフトウェアから「インプット」と「アウトプット」ダウンロードしよう

会計ソフトウェアから「インプット」と「アウトプット」の情報を出力します。

日々、会計担当者は取引を会計ソフトに入力しています。その時、VATの情報も正しく入力しなければいけません。

VATを申告するための情報を出力できるメニューがありますのでそこからダウンロードが可能です。

「インプット」とはあなたの会社が仕入れ先などに支払った時に生じるVATです。「アウトプット」とはあなたの会社がお客様に売上した時に預かったVATです。日本だと仮払い消費税、預かり消費税といったりします。

例えば、1,000(税込み1,100)のモノを購入した場合、以下のような仕訳になります。この100の情報をダウンロードするのです。

借方金額

貸方

金額
モノ

1,000

買掛金1,100
VAT(仮払いVAT)

100(ここが重要)

これはFASTという会計ソフトを利用した場合です。

>>ベトナムの会計ソフト事情がわかる!日系企業が留意すべきポイントも解説【厳選9選】

❗️会計ソフトウェアへ正しい入力が大事ですので仕訳の標準化等の仕組み化を進めることが大事です。

日系企業では「アウトプット」が生じないスキームがあります。例えばオフショア業務など。

インプット・アウトプットの情報の正確性をチェックしよう【専門的な知識とビジネス知識が必要】

正しいVAT申告書を作成するための「情報」を整理するための大事な手続きの場面です。最も大事なステップでしょう!

以下の2つの視点があります。

  • 形式的なチェック
  • 実質的な要件のチェック

まずは形式面のチェックです。例えば会社名・住所などですね。こちらはERCなどの情報ときちんと整合しているか?を確認します。また税率のチェックも含まれるでしょう。

とくに「インプット」は大事です。というのは「インプット」は納税額を減らす役割があるからです。そのため、税務担当官は「そのインプットは本当に税金

VATの納税額の構造をもう一度見てみましょう。それは、

「アウトプット」-「インプット」です。この差額をベトナムに納めるわけです。そうすると「インプット」を疑いたくなってしまうものなのです。否定したいんですよね。これは控除できませんよ。という視点です。

別な言い方をすると「インプット」は国へ支払うVATの金額を減らすパワーがあるのです。そのため、資産に計上されるのです。

このような理由から「インプット」インボイスを詳細にチェックする必要があります。

  • ホアドンがあるのか?
  • その取引は登記簿のビジネスと関連しているのか?事業活動に関連している費用なのか?

です。法人税の損金算入のお話しと似ていると思います。ここのチェックがキーでしょう。

❗️専門家の知識やチェックリストで確認することが大事です。

ベトナム税務リスクを評価して罰金を防止し本社との争いを避けませんか?

ベトナムの税務リスクは日本のそれより高いです。日本の常識は通じません。しかし、指摘されやすい箇所というのはある程度パターン化されています。これを事前に評価することで、大きな罰金を減らせます。またベトナム歴10年以上の専門家(日本公認会計士、ベトナム公認会計士)で実務に精通しているプロフェッショナルから助言を受けることで安心して本業に集中できます。

サービス案内はこちら

HTKKというソフトウェアで「申告書」を作成しよう!

税務申告支援ソフトウェアHTKKでVAT申告書を作成します。先ほどのステップで必要な情報を準備しましたので、この情報を「埋める」作業です。以下の手順で進めます。

  1. HTKKにログイン(PCにインストールしている必要があります)
  2. VAT申告書の種類を選択する
  3. VAT申告書の期間や会社の種類を選ぶ
  4. ⭐️VAT申告書の雛形に基づいて金額を埋める
  5. XML形式でダウンロードする(提出するための情報)
ログイン画面です
申告書の種類を選びます

❗️専門のソフトウェアに埋める作業です。漏れなく正確に埋めていきましょう。なお、「申告・提出」前であれば何度も修正可能です。

「VAT申告書」を電子申告しよう!

最後は「申告」(提出」のステップです。このステップで無事、申告が完了します。

  1. 電子申告のサイトにアクセスしログインしよう
  2. 電子申告のUSBTokenをパソコンに差し込もう
  3. VAT申告書を提出しよう
  4. 正しく申告されたか確認しよう
電子申告するための専用のURLがあります。
E-tokenをPCに差し込みます。
作成した申告書(XML)を利用します。
きちんと提出されたか?を確認して完了です

申告されていなかったケースもあるので最後にきちんと確認しましょう。

本日のまとめ

本日はベトナムのVAT申告方法の流れについてお伝えしました。

  1. 会計ソフトから必要な情報をダウンロード
  2. チェック
  3. HTKKで申告書を作成
  4. 電子納税のウェブで申告書を提出

ソフトウェア上でのやりとりはいわゆる事務作業ですが、インプットVATの確認では、高度な判断も含まれます。

この点は留意しましょう。

あなたの会社が正確なVAT申告書を作成し申告できることを祈っていますね。