こんにちはマナラボの菅野です。
本日のテーマは『駐在事務所から現地法人に移行した時の個人所得税の申告の論点』というテーマでお伝えします。
駐在事務所時のたとえば市場調査は終了し、いよいよ法人化するというパターンがあると思います。その際、日本人駐在員もベトナム人メンバーも駐在事務所から現地法人に転籍することがよくあります。
その時にいろいろな論点があるんですけどその一つである「個人所得税の申告の方法」がどうなるのか?という論点が生まれます。
所得税の確定申告には「会社」と「個人」がある
今日のお話しの前提として個人所得税の申告書のパターンを知っておく必要があります。
- 「会社」の確定申告で完結するケース:05/QTT-TNCN
- 「個人」が確定申告する必要があるケース:02/QTT-TNCN,
これです。このどのパターンで実施するのか? が条件によって変わってくるのでその解説をします。申告書のパターンについては以下を参照してください。以下のあたりが参考になります。
>>個人所得税の確定申告の構造を徹底解説【02/QTT-TNCN】
会社の確定申告にしたい場合の3つの条件
もし駐在事務所(個人じゃなくて法的組織)があなたのベトナム人スタッフの確定申告をするとしたい場合には以下の条件を満たす必要があります。
- 確定申告時の期間ににその駐在事務所や会社に在籍すること
- 3ヶ月以上の労働契約があること
- 他の会社から収入があり源泉徴収されててもそのままなにもしなくていい(ただ金額の制限、月平均収入が1,000万VNDなど)
この3つです。
1つ目は、例えばですが12月中にその駐在事務所から法人に転籍してしまった場合には条件を満たさないので「個人」で確定申告することになります。逆に翌年の1月に転籍した場合には確定申告の対象期間、要するに12月31日まではその駐在事務所に在籍しているので「会社」の確定申告で完了です。
労働契約についてはその期間で3ヶ月以上の契約なので特に大きな問題にはなりません。
他の会社で収入がある場合で月平均収入が1,000万VND超える場合位や、期中10%の個人所得税を源泉徴収されそれを確定申告で還付したい場合には「個人」で申告となります。
ではケーススタディでも確認しましょう。
- 駐在事務所に2024年1月まで所属
- 労働契約書は3ヶ月以上
- その他の収入(パートなど)はなし
この場合に2023年(2023年1月から12月までの期間)の個人所得税の確定申告はどうなるでしょうか?答えは「会社」の確定申告だけで完了できることになります。なぜならば条件を満たすからですね。
今日のまとめ
今日は『駐在事務所から現地法人になった場合の個人所得税申告の方法の選択肢』というテーマでお話ししました。
駐在事務所での確定申告で完了させた場合(個人でなく)には
- 確定申告の期間に会社に在籍すること(12月31日まで在籍)
- 労働契約書が3ヶ月以上
- その他の会社から収入がないこと(1,000千万ドン超えないこと)
- 他の会社から収入があることから合算して確定申告しないこと(源泉所得10%を還付するためなど)
お役に立てれば幸いです。