マナラボの菅野です。
今日のテーマは『Chat GPTが及ぼす仕事への影響』です
先日以下の記事をみつけました。
https://www.weforum.org/publications/jobs-of-tomorrow-large-language-models-and-jobs/
様はChat GPTのような大規模言語モデル(LLMs)が私たち人間にどう影響をあたえるか?といった話です。
この記事(ホワイトペーパー)によれば
「タスクと職種の影響の可能性の特定」では、19,000以上の個々のタスクを分析し、867の職種におけるそれぞれのタスクが大規模言語モデル(LLM)の採用にどのように影響を受けるかを評価しています。まあすごい量のタスクを分析したということですね。867の職種が気になります(笑)
このワールド・エコノミック・フォーラムの「明日の仕事:大規模言語モデルと仕事」に関するホワイトペーパーは、特に大規模言語モデル(LLMs)のような生成型AIが将来の労働市場に与える変革的な影響に焦点を当てています。
主要なポイントは以下の5つ:
LLMsによる仕事への影響: 言語ベースのタスクが占める仕事の62%において、ChatGPTのようなLLMsが幅広い職業に大きな影響を与えると予想されます。この論文は、LLMの導入による潜在的な自動化または拡張の可能性を評価するために、867の職業にまたがる19,000以上のタスクを分析しています。
仕事の変容: LLMsによって自動化される可能性が高いタスクは一般的にルーチンで反復的なものですが、高い拡張可能性を持つタスクはしばしば抽象的な推理や問題解決スキルを必要とします。自動化の可能性が高い職業には、クレジット承認者、チェッカー、クラーク、管理アナリスト、テレマーケター、統計アシスタント、テラーなどが含まれます。逆に、保険アンダーライター、バイオエンジニア、バイオメディカルエンジニア、数学者、編集者などの職業は、補完される可能性が高いです。
職業の置換ではなくタスクベースの変容: LLMsは、職業全体を置換するというよりは、職業内のタスクを変容させる可能性が高いです。これは、これらの「明日の仕事」に備えるために、労働力を準備するための積極的な戦略を必要としています。
新しい役割と業界への影響: LLMsの導入によって、AI開発者、インターフェースおよびインタラクションデザイナー、AIコンテンツクリエーター、データキュレーター、AI倫理およびガバナンススペシャリストなどの新しい役割が生まれる可能性があります。金融サービス、IT、メディアなどの業界は、自動化と拡張の合計潜在的露出(オートメーションプラス拡張対策)が最も高いと予想されています。
- 労働市場の動向: この発見は、労働市場のシフトを示している2023年の「仕事の未来レポート」と一致しています。LLMsによる高い自動化ポテンシャルを持つ職業は、銀行の窓口係やデータ入力係、管理およびエグゼクティブの秘書など、ビジネスリーダーによって今後5年間で雇用が減少すると予想されています。一方、高い拡張ポテンシャルを持つ職業は、AIおよび機械学習スペシャリスト、データアナリスト、科学者、データベースおよびネットワーク専門家など、成長が予想されています。これら2つの出版物は、技術変化と労働市場変容の間の顕著なテーマを特定し、再確認しています
2軸マップでタスク整理する
このレポートによればタスクの分類は以下のようになっています。
- 1. 自動化の可能性が高い
- 2. 補完の可能性が高い
- 3. 自動化または補完の可能性が低い
- 4. 影響を受けない(非言語タスク、体を動かす)
です。表にすると以下のようになるでしょう。
カテゴリ |
| 職業の例 |
---|---|---|
#1高い自動化の可能性 |
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#2高い補完の可能性 |
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#3自動化または補完の可能性が低い |
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#4非言語タスク(影響を受けない) |
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なお、「自動化」と「補完」の違いは以下の通りです。自動化はタスクをAIに完全に置き換えることを意味し、補完(拡張)はAIが人間の能力を強化し、より複雑で創造的なタスクの実行を支援することを意味します。自動化は時間と労力を節約するのに対し、補完は人間のスキルや能力の向上を目的としています。
これらを2軸マップ(4象限マトリクス)にまとめると以下のようになります。
右下のところは「ロボット」(例えば介護とか料理とか、運搬)になるかもしれませんね。最近だと以下のようなものあるそうですよ。
- ロボットが食材を切って料理。
要は「人間だもの」と「体」を使う仕事のニーズが高まる
じゃあ、これから私たち人間はどうすればいいのか? というのが我々の悩みですよね。
上記の4章限マップでいえば「自動化」「補完」されないタスクを得意とすることが重要そうです。
人間だもの
我々は人間です。機械でありません。そのため「感情」があります。これが人間たらしめている要因だと思います。あいだみつおさん的な要素が絶対に必要でしょうね。
- 感動する
- 悲しい
- 嬉しい
- 楽しい
- 好きだ、嫌いだ
人間関係に関するスキルがもっともっと重要になるってことですよね。IQの高さで給与稼げた時代は終わりになりそうです。なので「なんかこの人好きやわー」「この人、チャーミング〜」「なんか好きやわ〜」みたいなことが大事ってことですね。
体を使う、ブレイキングダウンがそうだ!
もう一つこれからの時代にニーズが高まりそうなのは「体」を使って感動を生むものです。このようなもので私たちがまず最初に思い浮かぶのは以下ではないでしょうか?
- 野球
- サッカー
- 陸上
- 格闘技
このような人間の「体」を使うものの価値は高まっていくでしょうね。そして、このホワイトペーパーを読んだ時に私の脳裏によぎったのがBreaking Downです。Youtubeで見たことありません?
ブレイキングダウンとは、「格闘技や格闘家のありきたりなイメージを壊し続けること」をテーマに発足した「1分間最強」を決める格闘技イベント
要は素人(プロでない人)の喧嘩なんですど。これが今の時代とマッチしてるんだなあと思ったんですよね。本日紹介した内容(タスクの変容)とも関連してきませんか?
歴史から学ぶといういう意味ではローマ帝国時代の剣闘士とリンクしました。剣闘士(グラディエーター)とは、古代ローマの時代に見せ物として、観客の前で闘技場で戦っていた剣士のことです。
そして2000年以上が過ぎた今でも、私たちはその魅力に取りつかれています。古代ローマの剣闘士は、奴隷や罪人などが多くを占め、専門的に訓練されたアスリートであり、殺し合いよりも観客を楽しませるパフォーマンスが重視されていたようです。各種類の剣闘士がおり、養成所で徹底的な訓練を受けていました。人気剣闘士はスターとして親しまれ、時には自由を勝ち取ることもあったと。死に至る戦いは少なく、女性剣闘士も存在していたことが記録から明らかになっています。
要するに「人間の本能」としてこのようなエンタメを好む傾向があるのでしょう。遺伝子に組み込まれているのかもしれません。そしてこれは「体」を使っています。非言語です。ゲームのように擬人化されたケース(ストツーとか)でさえ背後には人間がいますよね。
会計・税務コンサル業界はどうなるの?
マナボックスベトナムは多くの会計士メンバーで構成された事務所です。じゃあ、我々はどうなるの?という疑問が思い浮かぶでの調査してみました。とても気になります。
会計士や会計事務所の職員は、大規模言語モデル(LLMs)の導入による影響を考慮すると、主に「高い自動化の可能性」と「高い補完の可能性」の両方のカテゴリに分類されるでしょうね。
具体的には…。
高い自動化の可能性:
- 会計士や会計事務所のスタッフは、データ入力(仕訳)、基本的な計算、財務報告の作成などのルーチンタスクを行います。これらのタスクは自動化ソフトウェアやAIツールによって効率化や自動化される可能性があります。
- トランザクションの監査や基本的な税務申告などのプロセスも、技術の進歩により自動化される可能性があります。
高い補完の可能性:
- 複雑な財務分析、戦略的な税務計画、財務アドバイスなどの高度なタスクでは、AIツールがデータの洞察や分析を提供することで、会計士の判断や意思決定を補完することができます。
- 会計士はAIツールからの情報を利用して、より戦略的なアドバイスや決定を下すことが可能になります。
したがって、会計士や会計事務所の業務は、一部のタスクが自動化される一方で、より複雑で判断を要するタスクにおいてはAIによって補完される可能性が高いと考えられます。つまり、AIが私たちを助けてくれるということです。
これにより、会計の専門家はより価値の高いアドバイザリー業務に集中できるようになるかもしれません。
要するに一段ステージ上にいけ!ということです。
なるほど〜。
ということでマナボックスベトナムは「温もりのある人間くさい事務所」「AIと友達になる」「エンタメ性のある会社」そんなところをめざしていければと思います。
- #1:自動化を徹底的に取り入れ
- #2:AIに補完してもらい(AIは友達)
- #3:人間くささ、ユーモア、エンタメを大事にする
- #4(まだ頭に思い浮かばないけどなにかあるはず!)
そんな感じに変化していければと思います。
最後に…。
It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化する者である。
チャールズ・ダーウィンの進化論からの引用です。変化しないと滅びちゃうので変化していきたいです。年齢を重ねても変化を恐れずにいきたいですね。