こんにちは、ビジネスリーダーのみなさん!ラボの公認会計士の菅野です。
ベトナムへの進出を考えている、もしくは既に進出した日系企業の社長や、日本にいるベトナムの経営管理部門の皆様にとって、就業規則は非常に重要なテーマです。ベトナムの就業規則を理解し、適切に運用することで、円滑な事業運営が可能になります。本記事では、ベトナムの就業規則の基本情報と、実際に活用できるテンプレートを紹介します。
この記事のもくじ
ベトナムの就業規則とは?
就業規則の基本
ベトナムの就業規則は、労働法に基づいて企業が定める規則であり、従業員と雇用者の権利と義務を明確にするための重要な文書です。例えば以下のポイントが含まれます。
- 労働時間と休憩: 一般的な労働時間は週40時間、1日8時間です。休憩時間は1時間以上が推奨されます。
- 給与と手当: 基本給、残業手当、通勤手当、住宅手当などの詳細が記載されます。
- 休暇制度: 有給休暇、病気休暇、産休などの休暇制度が規定されます。
- 労働安全と衛生: 安全な労働環境の確保に関する規則や、従業員の健康管理に関する指針が含まれます。
労働契約の種類
なお、ベトナムには以下の3つの主要な労働契約の種類があります。ここはよく論点になるのでおさえておきましょう。
- 無期限契約: 定められた期間がなく、従業員が定年まで勤務できる契約。
- 有期限契約: 一定期間(通常1~3年)で終了する契約。
- 季節・プロジェクト契約: 一時的な業務や特定のプロジェクトのための契約。
就業規則の作成手順
ステップ1: 基本情報の収集
まず、企業の基本情報を収集します。会社の正式名称、所在地、設立年月日などを明記します。また、ベトナムの労働法や関連する規定を確認し、法的要件に適合するようにします。
ステップ2: 就業規則のドラフト作成
収集した情報を基に、就業規則のドラフトを作成します。以下の項目を含めることが重要です。
- 会社の基本情報
- 労働時間と休憩
- 給与と手当
- 休暇制度
- 労働安全と衛生
- 罰則規定
たとえば以下のような目次です。
- 一般規則: 就業規則の基本的な概要と適用範囲について説明します。
- 第1章:雇用及び採用活動: 採用手続き、試用期間、労働契約の締結についての詳細。
- 第2章:労働契約: 労働契約の種類、履行停止、解除に関する規定。
- 第3章:賃金: 賃金の構成、給与計算期間、支給日、賞与、保険など。
- 第4章:労働時間、休憩及び休暇: 労働時間、休憩、時間外勤務、年次有給休暇などの詳細。
- 第5章:会社の秩序: 労働時間中の行動規範、社外応対、接客規定。
- 第6章:労働安全・労働衛生: 労働安全と衛生に関する従業員の義務と会社の責任。
- 第7章:会社の財産及び経営技術情報の保護: 財産保護、機密情報の取扱い、違反行為。
- 第8章:懲罰: 譴責、昇給時期延長、降格、解雇、一時停職の形式と手続き。
- 第9章:物的責任: 損害が生じた場合の責任範囲と手続き。
- 施行: 就業規則の施行に関する一般的な情報。
ステップ3: 従業員との協議
ドラフトが完成したら、理想的には従業員代表と協議します。従業員の意見を反映させることで、規則の受け入れやすさが向上します。
ただ、このあたりは会社によります。弊社もトライアンドエラーというか試してみてあわなそうであればやめるみたいなことを繰り返して意味のあるルールづくりをしています。
ステップ4: 公式な採用
従業員代表との協議が完了したら、就業規則を公式に採用します。従業員全員に周知し、適切な運用を開始します。
なお一定の場合は登録しないといけません。
就業規則の就業規則テンプレートの紹介
ここでは、ベトナムでの就業規則のテンプレートを紹介します。このテンプレートは、日系企業がベトナムでスムーズに就業規則を作成・運用できるように設計されています。
なお弊社顧問向けのフルパッケージは以下から閲覧できます。
>>【M-Lab】_ベトナム就業規則の基本雛形(テンプレート)
FAQs
Q: ベトナムの労働法に従って就業規則を作成するための重要なポイントは何ですか?
A: 労働時間、休暇制度、給与と手当、労働安全など、法的要件を満たすことが重要です。また、従業員代表との協議を通じて、従業員の意見を反映させることも大切です。
Q: 就業規則はどのように従業員に周知すればよいですか?
A: 一般的には就業規則は従業員に印刷物として配布するほか、会社のイントラネットや掲示板に掲載するなどして周知します。ルールがあっても利用されなければ悲しいですもんね。
まとめ
ベトナムの就業規則を理解し、適切に作成・運用することで、企業と従業員双方にとってのメリットが大きくなります。本記事で紹介したステップとテンプレートを活用して、スムーズな就業規則の導入を目指しましょう。ベトナムでのビジネスが成功することを願っています!