ベトナム法令ニュースです。

ベトナム進出を考えている日系企業にとって、税務は避けて通れない重要なテーマです。特にベトナム税務を適切に遵守することは、ビジネスの安定と成長に大きく関わってきます。今回は、ハイフォン市で開催された企業の表彰式を通じて、ベトナムの税務環境と遵守のポイントについてご紹介します。

ハイフォン税務局の表彰とその意義

2024年10月10日、ベトナム・ハイフォン市で、税法を遵守し国家予算に貢献した企業や事業者を称える表彰式が行われたようです!

この表彰式は、ベトナム起業家の日の20周年を記念して行われたもので、ベトナム全体でも評価されるべき取り組みとして注目されています。

特に今年の表彰は、台風による被害からの復旧を急ぐハイフォン市の企業家たちにとって、税務遵守が地域社会にとっての重要な役割を果たしていることを改めて認識する場となりました。

ハイフォン市人民委員会のレ・アイン・クアン常務副委員長が納税者に賞状を授与しました。この会議での発言において、ハイフォン税務局のグエン・ティエン・チュオン局長は、最近の地政学的な状況の不安定さが国内経済全体および特にハイフォン市に影響を与えていると述べました。ハイフォンの市内では、不動産市場が低迷し、生産や事業の回復が安定せず、国家予算への貢献能力が減少しています。

しかしながら、税務局は常に財務省、税務総局、市党委員会、人民評議会、人民委員会からの迅速で密接な指導を受けています。また、関係機関、地方自治体、党支部、当局との協力と、税務職員および公務員の団結、努力、強い決意が貢献しています。

ハイフォン税務局は、事業者支援の一環として、台風第3号で被害を受けた納税者に対し、延長、免除、減税手続きの詳細を説明しました。また、台風通過後すぐに、納税者がこれらの措置を十分に活用できるよう、具体的な指示とガイダンス文書を発行し、迅速な支援を行っています。

さらに、ベトナム起業家の日を祝う場で、レ・アイン・クアン常務副委員長は、企業と事業者が地域発展のために果たす重要な役割について触れました。ハイフォン市は、企業が活動しやすくなるように様々な支援を行っており、税務当局も手続きの簡素化を進めています。このような努力の結果、市は過去10年間、毎年10%以上の成長を記録してきました。

ベトナムの税務環境とハイフォンの達成度【年間で約2,608億円?】

ハイフォン税務局のグエン・ティエン・チュオン局長は、地政学的な情勢の影響が国内経済に波及している中で、税務局がどのように企業と協力しているかを強調しました。不動産市場の低迷やビジネスの回復の不安定さがあるものの、税務当局の指導と連携により、予算目標を大幅に上回る収入を達成しています。

昨年の2023年のハイフォン税務局の収入は43,472億ドン(約2,608億円)に達し、見積もりの138%を達成しました。また、2024年9月末時点での地域の国内予算収入は38,828億ドン(約2,330億円)に達し、市人民評議会が割り当てた見積もりの86%を達成し、平均的な予算の進捗を確保したようです。

ハイフォンの税収って3,000億円弱なんですね。ということがわかります。

グエン・ティエン・チュオン局長は、この成果は地域の組織および個人の継続的な努力と貢献の結果であると強調しました。企業や事業者は、常に国家予算への税金を完全に申告し、速やかに支払うことを意識しています。

ベトナム税務調査の心構え【こんな考えを持ってください】

では私たち日本人の管理者はどのように管理すればいいでしょうか?以下で解説しています。

>>結局ベトナム税務調査は運!? 税収と理不尽さは反比例

また少し深い内容の分については弊社のお客様限定のコンテンツとしてお届けします。

>>【M-Labo】限定動画 ベトナム税務調査の実態【論理より感情だ!】

税務調査は「感情」が強いです。

日系企業にとっての税務遵守の意味合い

税務遵守は、ベトナムで事業を展開する日系企業にとっても重要な要素でしょうね。やっぱり。この件は正直悩ましいところはあります。外資とローカル企業へ税務調査の厳しさは全く異なります。格闘技の喩えて説明するのであれば

  • 外資:UFCルール(要は厳しい)
  • ローカル:地方の格闘技のルール(要はザルかも)

みたいな感じかなと。要は土俵が違うのだから「準備」も異なるでしょう?ってことです。UFCであれば相手も強いし、めちゃくちゃトレーニングしなければいけませんね。

日系企業は税務ヘルスチェックをして全体的にキャッシュアウトを減らす必要があります。

>>ベトナム税務調査の心構えを解説【私の頭の中マップ】

税務を適切に処理し、必要な申告や支払いを怠らないことで、信頼性の高いビジネスパートナーとしての評価を受けることができます。

また、ハイフォン税務局のように、税務遵守に対して表彰や支援が行われることもあります。例えば、自然災害などで事業が困難に直面した場合には、税務の延長や減免措置が適用されることがあります。これにより、日系企業も、予期せぬ事態に対応しやすくなるため、事業の安定が図られます。

まとめ:ベトナム税務を理解するのが大事

ベトナムにおける税務遵守の重要性を理解し、必要な措置を適切に講じることは、日系企業が現地で成功するための鍵となります。サッカーで言うと「守り」、ディフェンダーの役割です。メッシがいてもディフェンダーがいなければ試合には勝てません。

「守り」もきちんと充実させてベトナムビジネスを成功させましょう!

これからベトナム進出を検討している企業の皆さまは、ぜひ税務についての理解を深め、長期的な視野での事業展開を目指していきましょう!