「突然の発熱で仕事に行けない……。でも、病気休暇をどう申請すればいいの?」
そんな疑問を持つ従業員のために、ベトナムの病気休暇制度についてわかりやすく解説しますね。
この記事では、病気休暇の申請手順、支給される手当、そして会社の対応まで詳しく説明します。
この記事のもくじ
ベトナムの病気休暇制度とは?
病気休暇は労働者の権利だ!
ベトナムでは、病気やケガで仕事を休む場合、社会保険に加入している従業員は「病気休暇手当」を受け取ることができます。
これは、日本の「傷病手当金」に似た仕組みで、一定の条件を満たせば給料の75%が補償されます(社会保険法2014年第28条)。
つまり1,000ドルの給与の人であれば750ドルをもらえる権利があるのです。
病気休暇の申請方法(わかりやすい手順つき!)
「風邪を引いたので休みます!」と口頭で伝えるだけでは、正式な病気休暇になりません。
会社の規定に従い、きちんと手続きをする必要があります。
📌 突然の病気休暇の申請手順
1️⃣ まずは連絡!
→ 上司または人事部門に電話やメッセージで「インフルで熱が出たので休みたい」と伝えましょう。
2️⃣ 申請書を作成
→ 後ほど提出するため、病気休暇申請書を記入します。
3️⃣ 必要なら診断書をもらう
→ 1日や2日の軽い風邪なら不要ですが、長期の休暇が必要な場合は医師の診断書が必須です(社会保険法2014年第25条)。
4️⃣ 書類を提出して正式に承認をもらう
📌 計画的な病気休暇(手術・長期療養)の申請手順
手術などで事前に休むことがわかっている場合は、休暇の1週間前までに会社に申請書を提出し、業務の引継ぎを済ませましょう。
病気休暇申請書の書き方(テンプレートつき)
項目 | 記入方法 | 記入例 |
[1] 宛先(承認者) | 会社の内部規則(就業規則・休暇手続きなど)に従い、病気休暇申請を承認する権限を持つ者の氏名を記入 | ホアン・バン・トゥン(人事部長) |
[2] 氏名 | 申請者の氏名をフルネームで記入 | グエン・ヴァン・アイン |
[3] 役職・業務内容 | 申請者の役職と業務内容を記入 | 営業部・アカウントマネージャー |
[4] 休暇理由 | 会社が休暇申請を検討・承認するための基準となるため、詳細な病状を記入 | 具体的には、ウイルス性の発熱にかかり、医師から2日間の安静を指示されました。 |
[5] 休暇日数 | 休暇日数を具体的に記入 | 2日間(2024年5月10日~5月11日) |
[6] 業務引継ぎ担当者 | 業務を引き継ぐ担当者の氏名と所属部署を記入。引継ぎができない場合はその旨を記載 | ファム・ミン・チー(営業部) |
[7] 必要書類の提出 | 会社の規則を確認し、病気を証明する書類の提出が必要かどうかを確認し、必要ならば、提出を約束する内容とする | 医師の診断書を添付し、復帰時に提出します。 |
[8] 承認者 | 休暇申請を承認する権限を持つ者を記入([1]と同様) | ホアン・バン・トゥン(人事部長) |
病気休暇中の給与の具体的な計算方法(いくらもらえる?)
「病気で休んでも、給料がなくなるんじゃ……?」という不安を感じる人も多いですよね。
実際には、病気休暇中でも給料の75%が支給されます!(社会保険法2014年第28条)
計算式はこちら:📌 病気休暇手当の計算方法
病気休暇手当 =(前月の社会保険給与 ÷ 24日) × 75% × 休暇日数
💡 例えば……
・前月の給与が2,400万VND(約14万円)の場合、1日あたりの支給額は100万VND(約5,800円)
・これが75%になるので、1日休むと75万VND(約4,350円)支給される
何日まで休める?(最大の日数)
法律では、以下のように病気休暇の日数が決められています(社会保険法2014年第26条)。
勤務環境 | 社会保険加入年数 | 最大病気休暇日数 |
---|---|---|
通常の仕事 | 15年未満 | 30日 |
15年以上30年未満 | 40日 | |
30年以上 | 60日 | |
危険・有害な職場 | 15年未満 | 40日 |
15年以上30年未満 | 50日 | |
30年以上 | 70日 |
また、長期療養が必要な病気(ベトナム保健省の指定リストに記載)の場合は、最大180日まで休むことが可能です。
企業側の対応は?(会社の視点も考えよう)
企業にとっても、病気休暇の管理は重要です。
良い会社の特徴: ✅ 病気休暇の規定を明確にしている
✅ 従業員がスムーズに休めるようサポートする
✅ 業務の引継ぎをスムーズに行う体制がある
一方で、申請手続きを怠ると、会社が「無断欠勤」と見なす場合もあるので、ルールを守ることが大切です。
まとめ:病気休暇を正しく活用しよう!
- 病気休暇は労働者の権利であり、適切に申請すれば手当も受けられる
- 突然の病気でも、まずは上司や人事部門に連絡し、申請書を提出しよう
- 長期間の休暇が必要な場合は、事前に準備し、診断書を添付すること
- 会社の規定を事前に確認し、スムーズな手続きを心がけよう!