国際的なビジネス展開や投資活動が増加し、企業や個人が複数の国で所得を得るケースも多くなりました。しかし、こうした国際的な活動に伴い、同じ所得に対して複数の国で課税が行われる「二重課税」の問題が発生することがあります。例えばベトナム赴任の社長が日本でも役員であったりする場合ですね。これが典型的な例でしょう、
二重課税回避協定(DTA)やその他の国際条約は、このような課税の重複を防ぎ、負担を軽減するために結ばれたものです。このブログでは、二重課税を回避し税還付を受けるための申請書「Form 02/HT」について、申請方法や必要書類を詳しく解説します。
Form 02/HTとは?その目的と役割
Form 02/HTは、二重課税回避協定またはその他の国際条約に基づく税還付申請書で、特定の協定や条約に基づき課税を免除または還付するための公式な書類です。この申請書を提出することで、二重課税の発生を防ぎ、同じ所得に対する課税を軽減することが可能になります。
たとえば、日本企業がベトナムで業務を行い、現地で得た所得に対してベトナムと日本で課税される場合、DTAに基づく税還付申請を行うことで、税の重複を回避し、税負担を軽減することができます。
Form 02/HTの申請書に必要な情報と書類
二重課税回避協定というのは、国と国が協力して、同じお金に対して二つの国で重ねて税金を取らないようにする取り決めです。もし、日本で働いたお金がベトナムでも税金の対象になるような場合、この協定のおかげでどちらか一方の国でしか税金を払わなくてよくなります。税金の還付申請というのは、税金が重なって取られてしまった場合に「税金を返してください」とお願いするための書類です。
この申請には、一般的に次のような書類や情報が必要となります。:
居住証明書:これは「住んでいる国の人である」と証明するための書類です。居住国の税務署から発行されます。
契約書のコピー:ベトナムで仕事をしているときに結んだ契約書のコピーです。これには、仕事の内容や条件が書かれています。
ベトナム側からの確認書:ベトナムで働いている会社や人からの書類で、実際にその仕事が行われたことを証明します。これは税金の手続きでとても大切です。
委任状:もし誰かに代わりにこの手続きをやってもらうときに「この人にお願いしました」という証明書です。外国で発行された場合は特別な認証が必要です。
税納付書類のリスト:税金を支払った証明書をまとめたリストで、税金がいくら払われたかが書かれています。様式No.02-1/HTに基づいています。
その他の国際条約に基づく税還付申請
その他の国際条約に基づく税還付申請は、2021年財務省通達第80号(80/2021/TT-BTC)第30条第2項に規定されており、以下の情報と書類が含まれます:
その他の国際条約に基づく税還付申請書:その他の国際条約に基づく税還付を求める際に使用する正式な書類です。この申請書は規定された形式であり、さらに、国際条約の締結を提案した機関によって認証される必要があります。
税還付申請に関連する書類:税還付を証明および確認するために必要な書類が含まれます。以下がその詳細です:
国際条約のコピー:税還付の場合に適用される国際条約のコピーです。この条約は確認され、法的に有効である必要があります。
ベトナム側との契約のコピー:外国の組織または個人がベトナム側と締結した契約のコピーです。このコピーは、外国の組織または個人、または認可された代理人によって証明される必要があります。
契約要約:契約名、契約の業務範囲、契約における税義務などの重要な情報を記載した契約の主要条項の要約です。この要約は、外国の組織または個人、または認可された代理人によって証明される必要があります。
委任状:外国の組織または個人がベトナムの組織または個人に税還付手続きを委任する場合、その委任を証明する委任状が必要です。国外で行われる場合は領事認証を、ベトナムで行われる場合は規則に従い公証を受ける必要があります。
税納付書類のリスト:税還付に関連する税納付書類を詳細に記録したリストで、様式No.02-1/HTに基づいており、通達の附属書Iにて発行されています。
その他の国際条約に基づく税還付申請は、この条約が適用される場合の税還付を確認し解決するための重要な書類です。この申請書類は、税還付の正確性と透明性を確保し、国際条約および関連する法規の条項と規定に従った処理を保証します。