こんちはラボの菅野です。

今日は飲食店で利用される指標のFLRの説明です。

飲食店経営で避けて通れないのがFLR比率です。FLR比率とは、**材料費(F)、人件費(L)、家賃(R)**の3つの主要コストが売上に占める割合を表す指標です。この比率を管理することが、利益を確保し、持続可能な経営を実現する鍵となります。

この記事では、ベトナム特有の経営環境に基づき、FLR比率の重要性とその改善方法について具体的に解説しますね。基本を忠実に!!

ベトナムにおけるFLR比率の重要性

ベトナムでは、他国に比べて人件費が安いという特徴があります。とくにパートさんなんかは日本と時給を比較すると10分の1くらいだとも聞いています。

しかし、ホーチミンやハノイなど都市部では、生活水準の向上に伴い賃金が徐々に上昇しており、従業員のモチベーションを維持しながら経費を抑えるバランスが求められています。このあたりは製造業も同じかもです。

家賃についても、以前は低コストが魅力でしたが、近年では都市部を中心に値上がりが顕著です。

材料費の管理にも注意が必要です。多くの飲食店が、信頼性の低い仕入れルートや食品ロスの多さに悩まされています。あとは購買なのでベトナムでよくある不正(キックバック等)にはやっぱり注意しておかなければいけません。

このような状況下で、FLR比率をどのように管理すべきかが鍵となります。

FLR比率の理想値と現実的な目標

FLR比率は、以下の計算式で求められます:

FLR比率(%)=(食材費+人件費+家賃)÷ 売上×100

例えば、あるハノイのレストランの月間売上が10,000ドルで、以下のようなコストが発生しているとします:

  • 食材費(Food): 3,000ドル
  • 人件費(Labor): 2,000ドル
  • 家賃(Rent): 2,000ドル

これらのコストの合計は7,000ドルとなり、売上10,000ドルに対する割合は70%です。このように、FLR比率が70%であることが確認できますね。

この値は一般的な理想値である「70%以下」に収まっていますが、さらなる改善の余地があるかもしれません。あ、日本だと一般的に理想の「FLR比率」は70%以下だと言われているみたいです。

もちろん正解のないお話ではありますが、ベトナムでも、材料費と人件費を合わせて売上の60%以下、家賃を10%以下に抑えることが現実的な目標とされているという話も聞きます。

ただし、業態によって適正値は異なります。高級レストランでは材料費が高めになる一方、ファストフード店やデリバリー専門店では効率化によってコストを抑えることが可能なはずです。

FLR比率の改善に向けた取り組み

利益を向上させるためにはこの比率の現状を分析して、どこに問題があるのかを見つけ出してそこを変えていく必要があるとあるんですね。

FLR比率を改善するための具体的な取り組みを詳しく解説しますね。あたりまえのことですが実際にやるのは大変!!

1. 食材費の最適化

食材費はFLR比率の中で大きな割合を占めるため、以下の方法で最適化を図ることが重要です。

  • 食品ロスの削減: 在庫管理を徹底し、適切な発注量を維持することで、廃棄ロスを最小限に抑えます。

  • 仕入れ先の見直し: 複数の仕入れ先を比較検討し、品質を維持しつつコストを削減できる業者を選定します。

  • メニューの工夫: 原価率の高いメニューを見直し、季節の食材を活用するなどして、全体の原価率を下げる工夫を行います。

2. 人件費の効率化

人件費の削減はサービス品質に影響を及ぼす可能性があるため、以下の方法で効率化を図ります。

  • 業務の自動化: セルフオーダーシステムやPOSシステムを導入し、注文や会計業務を効率化することで、スタッフの負担を軽減します。最近だとスマートオーダーシステム「Capichi OI」というのもあります。これ人件費も削減できて、不正も防止できるんで一石二鳥なんですよね。ホールの店員さんは、お客様との雑談に時間を使うこともできるのでその点も実はメリットなんじゃないかなと

  • スタッフの適正配置: ピークタイムとアイドルタイムを分析し、適切な人員配置を行うことで、無駄な人件費を削減します。

  • 教育と研修の強化: スタッフのスキルアップを図り、一人当たりの生産性を向上させることで、効率的な運営を実現します。飲食店の教育、かなり大変だと思います!!でもリンランのお店にいって素敵な対応されると「またくるぞ!」という気持ちになりますね。

3. 家賃コストの見直し

家賃は固定費であり削減が難しい部分ですが、以下の方法でコスト削減を検討します。

  • 家賃交渉: 市場の賃料相場を調査し、オーナーと交渉することで、家賃の減額や条件の見直しを試みます。ベトナムでは大家さんからの突然の退去命令とかあったりなんでこの辺はかなりビジネスリスク。怖いですよね。

  • スペースの有効活用: アイドルタイムに店舗スペースを他の用途(例:テレワークスペース)として貸し出すことで、追加収入を得て家賃負担を軽減します。

 

ドラフトの管理会計のPL導入のすすめ【これが一番大事かも】

財務会計の結果は、経理担当者が税務の点(インボイスで損金になるかのチェックなど)も気にするため、どうしても遅くなりがちです。これはしょうがない部分もあると思います。そのため、主要な情報である売上、人件費、家賃、食材費をまずは集めて簡易的なPL(損益計算書)(エクセルでいいです)を作成することが重要です。例えば

  • 売上→日々のPOSのデータや売上管理表
  • 人件費→給与計算表(支払いがあるため翌月、10日くらいまでには確定)
  • 家賃→固定費です

これにより、経営者は迅速に経営状況を把握し、適切な意思決定を行うことが可能となります。これが本当に大事!意思決定が遅れればえらいことになります。

以下のリンク先で「飲食店様の簡易版PL」のドラフトを提供しますね。

その結果、FooDの比率があまりにも高くなってしまうなどあればそれは問題が生じているということです。やばいです。

ベトナムに進出している日系企業は、現地の市場特性やコスト構造を踏まえ、FLR比率の最適化に取り組むことで、持続的な成長と収益性の向上を実現できます。

以下も参考にしてください。

>>売上最小化、利益最大化の法則の5段階利益をあなたの会社に適用させる方法【管理会計の導入のステップ】