こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
毎月の月次決算書、「今月も利益がでてるぞ。うん、いい感じ!」
数日後、「社長…。資金が足りなくなってきました。借入が必要かもしれません。」
ガーン(汗)!
もし、あなたが、利益が上がっているのにキャッシュが減っていくという経験をしたことがあるなら…。
その理由を教えることができます。
逆に、赤字にも関わらずキャッシュが増えているというのであれば以下の記事がお役にたてます。減価償却費は、「費用なのにお金が減らない」という特徴があります。例えば、赤字100(すべて減価償却費だとする)であっても、これはキャッシュアウトしてないのでこの分お金が増えている場合があります。
>>ウォーレンバフェット がEBITDAを支持しない理由とは?
>>【図解あり】EBITDAとは? その意味とは?PLから10秒でキャッシュ・フローをざっくり読み取る方法をわかりやすく3つのステップで解説
本日は、お金の動き損益計算書と貸借対照表の関係についてお話していきたいと思います。
これを理解して頂ければ、お金が減っていく原因がわかり、すぐに対応できます。
そして、本社へも論理的に説明できるようになりますよ。
この記事のもくじ
勘定あって銭足らず…。
もしかしたら、聞いたことあるかもしれません。
儲かっているはずに、お金のない状態のことを言います。
なぜ、このようなことが生じるのでしょうか?
損益計算書、PLだけでは十分ではない。
PLだけを見ても、十分ではない。その理由は2つあります。
1つ目は、損益計算書の金額とお金の決済のタイミングが異なるからです。
お金のことを管理するために、儲かっているか?の指標である損益計算書だけを見ても不十分なんですね。
あなたの会社の日々の取引をイメージしてみましょう。
材料を仕入れします。しかし、支払いは1か月後、2か月後などのケースがほとんででしょう。
製品、商品を出荷して売上を計上します。多くの場合は1か月後、長い時には3か月後に回収なんてケースもあります。
2つ目は、損益計算書を通らない取引があるからです。
ここで、質問です。
「来月、借入金の返済を控えている。その分の費用が増えるから嫌なんだよな…。」
「消耗品を購入し使った。1000でVATの金額100。合計1,100の費用が計上される。」
どうでしょう?
イエスと思った方もいるのではないでしょうか?
しかし、答えはノーです。
借入金の返済をしても費用は増えません。VATの部分も、基本的には、損益計算書とは関係ありません。
あれっ?お金が減っている…。それなら貸借対照表のここに着目!
お金の動きを把握するためには、損益計算書だけ見ても不十分です。
貸借対照表の数値にも着目しなければいけません。
ベトナム子会社の場合は得に以下の部分に着目してください。
1)VAT(資産側)の残高に着目する。
VAT(資産)の金額が増加している。残高が以上に大きい。どんどん増えてきている。
その場合には、要注意です。資金がその分減っていると理解してください。
ベトナムに進出している会社様は、ベトナムで製造し、輸出している。もしくはEPEの会社に販売している会社が多くあります。
この場合、アウトプットよりインプットが大きくなってしまうケースがあります。
なぜならば、その場合は、仕入する際、インプットVATは支払うが、売上(アウトプット)を計上するときに0%でだからです。
「VAT還付」という言葉を聞いたことありませんか?
仮払税金(インプット)のほうが借受税金(アウトプット)よりも大きく、控除しきれないケースになります。その時、一定の要件を満たした場合には、還付(お金が返ってくる)されることがあります。
図にすると、こんなイメージです。
ちなみに間接税の仕組みについては ベトナムVATの仕組みを頭に焼き付ける。に記載しています。
VATの残高(資産側)が増加しているということは、一時的に資金の状況が悪化しているということになります。
対応としては、早めに還付することを考慮しなければいけません。
2)売掛金が増加し続けている。
売上が増加すれば、基本的には利益が増加します。しかし、会計上では、「売上代金の回収が約束されたであろう時期」に売上計上されます。出荷されると売上が計上されますよね。
しかし、代金回収はまだです。
海外子会社、ベトナムで大変なのは売上よりも回収のほうです。
どの会社も、支払いはしたくない、なるべく遅くしたいと思っています。
そのため、売掛金が増加している、場合には要注意です。
回収できてないということですから、キャッシュが減っていく傾向にあります。
3)棚卸資産が異常に増加している。
この場合も注意です。いくら売上が順調でもそれ以上にモノを作ってしまうとお金が減っています。
棚卸資産を作る。(お金が減る。)→販売→お金を回収という。流れです。
そのため、棚卸資産が増加すると、その分、お金が減っているのですね。
4)仕入債務が減っている。
この場合も、お金が減っています。仕入債務が減るということは、お金を払っているからです。
仕入債務の支払いサイトが短くなったのか?など、チェックする必要がありますね。
資金繰りのほうが大事な時もある!
経営のフェーズによっては、損益計算書よりも資金繰りの管理が大事というケースもあります。
>>海外子会社の社長がすぐ実践できる一番シンプルな資金繰りの方法について教えます!
特にその時には、損益計算書だけで見ても不十分です。貸借対照表にも注目し、適切な資金計画を立てなければいけません。
きちんと正しい月次決算書の見方を理解すれば、急に「資金ショート!」なんてすることはありません。
あなたの会社が、正しい財務諸表の使い方をマスターして健全な経営をすることを祈っています!
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