こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

「決算書…数字はとっても苦手…。親会社への説明は面倒だなー…。」

海外に社長として赴任したあなたは、このように感じることもあるのではないでしょうか?

でも、ベトナムにおいて社長(GD)として就任した以上、決算書や数値から逃げ続けることはできません。

本日は、社長に必要な会計の知識はいったい何か?というテーマでお話したいと思います。

経理を経験したことのない人や経理アレルギーがあった人でも、「出来る!」って思えるはずですよ。

決算書がわからないではダメ!会計の知識は、絶対必須のスキルに!

現状は、製造して現場を回していく、日本本社への出荷をしっかりする。5Sのレベルを上げる、でよかったかもしれません。

しかし、ベトナムのような発展が著しい国では、状況が著しく変わっていきます。例えば、賃金だって毎年10%以上がっています。今の状況のままがずっと続くという状況はあり得ないのです。

将来も継続的にうまく儲けていくためには、やっぱり、強化な財務体質が必要と言えますよね。

そのために、あなたが「決算書を読める」というスキルは必須です。「決算書が読めない。読めたほうがいい」というのは大きな間違いです。

なぜならば、決算書は、会社の実態を表した「健康診断書」だからです。会社に、なにか悪いことがあれば数値として現れ、悲鳴を上げているのです。

社長の仕事は、

①決算書を読んで会社の状態を読み取って(理解)

②対策を練って(戦略)

③部下に動いてもらうように(マネジメント)

することです。

一番最初の理解のところが出来なければ、その後の部分もできませんよね。

それでは、そのためにどのような会計知識が必要なのでしょうか?

真っ先に思いつくのは、「簿記」ではないでしょうか? 日商簿記検定なんて聞いたことあると思います。とても有名ですよね。

社長に必要な会計の能力とは?

「簿記」と「決算書を読める」の違いを見ていきましょう。

端的にいえば、「作る」と「読む」の違いです。

簿記は、基本的には、財務諸表を作るプロセスを学ぶ資格のことです。つまり、「作る」ほうですね。

財務諸表の元となる、損益計算書や賃借対照表などを作成し、あなたの会社の状態を明らかにすることが目的です。

まさに経理担当者の実務内容に直結する内容ですし、これを知らなければ経理業務はできません。

「仕訳?借方、貸方?」

例えば、あなたは、上記のような言葉を経理担当者の人から聞いたことがあるかもしれません。

これでアレルギー反応を起こしまった社長様もいることでしょう。

しかし、社長様にとって必要なことなのでしょうか?

繰り返しになりますが、経理が作成した財務諸表を「読み解く力」ですよね。記載されている数字の意味するものは何なのか、企業の経営状態はどうなのかなど、分析能力が必要なのです。

簿記に必要な細かい仕訳、貸方や借方なども覚える必要はありません。

このように、“簿記の能力”と“読み解く力”は異なっていると考えていいでしょう。

すなわち、実際に完成した決算書の数字がどのような意味を持つのかが読み解けるかどうか?簿記の知識だけがある人はその意味を把握できないのです。

例えば、決算書を“読み解く力”とは以下のことを言います。

・前月と比べて営業利益はどうなっている?粗利は?

・経常利益の同業他社の状況は?

・売掛金の回収状況は?回転期間は?

・人件費は増加している?売上に対する販売比率は??

・在庫の保有レベルはどれくらい?保有しすぎ?十分持ってる?

・資金に余裕ある?

誤解を恐れずに言えば、簿記の知識だけある人は、このようなことを詳細に考えることができないのですね。(必要がないのです。)

でもね。簿記的な知識でも、これだけは知っておかないと厳しい

会計知識の「作る」と「読む」の違いについて説明させて頂きました。

これまで、決算書には簿記の知識が必要なんだ!って思っていた方の誤解は解けたと思います。

経理の専門でない社長にとって「簿記」の知識を詳細に深める必要はありません。これは間違いありません。

しかし、私の経験上、簿記的な知識でこれは社長様も覚えていい方がいいかもという知識があります。これまで、何人もの社長様とお話させて頂いてこの基礎知識があるとないとでは大きな違いがあります。

それは、以下の2つです。

  • 取引には、2つの側面がある。
  • 会計の要素である5つの箱をイメージできる。

取引には必ず2つの側面がある。

という事です。

例えば、在庫が増えた。という事象があったします。簿記的な知識ない人は、「在庫が増えた。」という視点で終わってしまいます。

上述のように2つの側面があります。在庫が増えた。+(買掛金が増えた?もしくは、お金が減った?)という視点を持つことです。

この視点を持つだけで、あなたの決算書の読む力は、もう一つ上のレベルに行くことが出来ます。間違いありません。保証します!

会計の要素は、5つの箱。難しくない!

会計って難しそうに聞こえるかもしれませんが、以下の5つの要素しかありません。

  • 資産、負債、純資産
  • 収益、費用

参考記事

>>3つのストーリーと図でBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の読み方、そのつながりわかりやすく理解する方法を徹底解説!

>>ビジネスと関連するから会計はおもしろい!財務諸表をわかりやすく!【図解とパズル】カネ・モノ・ヒトとB/SとP/Lのつながりを学ぶ

あなたが、決算書の読み解くことによって、問題点を認識し、改善していくことによってよりよい経営を出来ることを祈っていますね!