こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

レッドインボイス。ホアドン。ベトナムにいるとよく聞く言葉ですよね。

本日は、レッドインボイスに具体的に何が記載されるか?を解説していきます。

レッドインボイスって聞くけど、実際中身をよく知らなかったという人がほとんどだと思います。

これを理解して頂ければ、レッドインボイスのチェックポイントが明確になり、ミスが防止できますよ!

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに赴任したばかりでいろいろ不安。
  • レッドインボイス、公式領収書の意味がわからない。
  • レッドインボイスの留意点を知りたい。

レッドインボイス(公式領収書)には、一体何が記載される必要があるか?

通達であるNo. 39/2014/TT-BTC(Article 4. Contents of issued invoices)に記載されています。

それぞれ見て行きましょう!

a) インボイスの種類 Type of the invoice

まずは、インボイスの種類を明確にする必要があります。

ベトナムには、大きく以下の種類のインボイスがあります。(実際は、もう少しあるようですが、実務上は、以下のみで問題ありません。)

  • ・VATインボイス (いわゆるレッドインボイス)
  • ・セールスインボイス(例:VATの申告方法で“直接法”を使っている会社など。この場合VATが別掲されません。これと輸出ですね。)

参考記事:>>VAT付加価値税の申告方法 【ベトナム税務】

インボイスの右上に記載されます。 VATインボイスの場合には、01GTKTで セールスインボイスの場合は、02GTTTが記載されます。また、輸出の場合のセールスインボイスは、

b) インボイスのひな形の種類情報と記号

ベトナムには、インボイスのテンプレートの種類が大きく3つありました。

①印刷インボイス②自社発行インボイス③電子インボイスです。

これについて区分できるようにしなければいけません。つまり、インボイスを見ると上記の3つのどのタイプのインボイスがわかるようになっています。

具体的には下記のようになっています。

E : electronic invoice (電子インボイス)

T : self-printed invoice (自社発行インボイス)

P : ordered invoice (印刷インボイス)

インボイスのバージョン情報も記載される必要があります。例えば001であれば、1stバージョンのインボイスのテンプレートです。例えば、住所変更などがあれば、インボイスのテンプレートが変更されますので2ndバージョンとして002となるようです。

また、会社名が区分できる記号(2文字)や年度(下2桁)もわかるように記載する必要があります。

例えば、マナボックスであればMB2016年に発行したのであれば、16と記載されます。

c) インボイスの綴り情報

紙ベースのインボイスは、綴りになっています。

規定上は、少なくとも2枚の綴りとされていますが、上限9枚と規定されています。

実務上は、3枚としている会社が多いようです。

①売主が保管、②買主に送付する分、③予備と言う感じですね。③の予備は、例えば、買い手がインボイスを紛失してしまった時に使用するようです。

abcについての、実際のインボイスを見てましょう。実物を見るとイメージできますよね。百聞は一見にしかずです。

下記は、電子インボイスのサンプルです。

Eと記載されていますね。

d) 7桁の連番番号

ベトナムにおいてレッドインボイスはとても重要です!

参考記事:>>インボイスは、お金と一緒だ!

そのため、連番にて管理する必要があります。

dd) 売主の詳細情報

売主の名前、住所、税コードの情報を記載する必要があります。

e) 買主の詳細情報

売主同様に買主の詳細情報を記載する必要があります。

g) 商品及びサービスの詳細情報

商品やサービスの内容、単位、数、単価を記載する必要があります。

金額については、数字とベトナム語で記載する必要があります。金額記載誤りを防止する趣旨でしょう。

また、実際出荷する場合にはものすごい量の商品を発送するケースもあると思います。その場合は、添付資料として「出荷明細」を添付し、レッドインボイスには、「出荷明細」参照と記載することが出来ます。

この場合の出荷明細は、システムから発行される「出荷明細」であっても問題ありません。

h) 買主と売主の押印・サイン インボイス日付

インボイスには、買主及び売主のそれぞれ代表者の署名が必要です。また日付も記載する必要があります。

i) 印刷会社の名称

インボイスの種類は3つでしたよね。

その中の一つとして、“印刷インボイス”があります。そして、この印刷インボイスは、税務署が発行したものと印刷会社が発行したものがあります。

後者の印刷会社が発行したものについては、その印刷会社の名前などの情報を記載する必要があります。

実際のサンプルでより具体的にイメージする。

下記をご覧ください!

実際のレッドインボイスは以下のようになっています。

本日は、ベトナムのレッドインボイスについて比較的細かい内容についてもお話させて頂きました。

普段なんとなく見てるかもしれませんが、こうやって理解すると、ちょっとした発見があるかもしれません。

あなたが、レッドインボイスを深く理解することにより、不測の損害を受けないことを祈っておりますね。

それでは、また!

ベトナム税務は、非常に複雑であいまいです。意見も分かれる場合もあります。マナボックスにはベトナム歴11年の日本公認会計士と実務経験豊富なベトナム人会計士が、ベトナムの税務の実務上の留意点についても相談させて頂きます。 問い合わせページより、気軽に問い合わせ頂けると幸いです。