ベトナムの国会は2019年11月15 日、2020 年の最低賃金を定めた政令90 号(90/2019/ND-CP)を公布しました。
- ベトナムでビジネスをしている。
- ベトナム進出を考えている。
- 人件費が気になる。
ベトナム2020年の最低賃金は?
同政令決めれたた地域別の最低賃金額は以下の通りです。
今回は、平均約5.5%の上昇率となっています。(昨年の157/2018 / ND-CPは、平均5.3%です。)
金額にすると、150,000 to 240,000 VND / 月増加ですので、月当たり700円から1,200円増加するということになります。
Article 3. Region-based minimum wagesによれば
- 第1種:442万VND (約2万2000円)
- 第2種:392万VND (約1万9000円)
- 第3種:343万VND (約1万7000円)
- 第4種:307万VND (約1万5000円)
となり、2020年1月から適用されます。
なお、上記の最低賃金が適用されるのは、職業訓練を受けていない労働者に対してです。訓練を受けていてスキルがある従業員については、上記より7%以上を上乗せしないといけません。
ただ、日系企業は、最低賃金よりは大きな金額で採用しているケースが多いですから、実質的に影響がないと思います。
上昇率5.5%は高いのか?
2018/8/14の日経新聞によれば……。
2019年の最低賃金を5.3%引き上げると決めた。
上昇率は3年連続で過去最低を更新する。東南アジアの他国との企業誘致競争が激化するなか、外資企業が進出しやすいように配慮した。ただ物価上昇も続いており、労働者の不満が高まりそうだ。
今回も5.5%なので、そこまで高くないのかもしれません。
過去の最低賃金を比較レビューしてみる。
以下の通りとなります。(単位はVND)
地域 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
第1地域 | 350万 | 375万 | 398万 | 418万 | 442万 |
第2地域 | 310万 | 332万 | 353万 | 371万 | 392万 |
第3地域 | 270万 | 290万 | 309万 | 325万 | 343万 |
第4地域 | 240万 | 258万 | 276万 | 292万 | 307万 |
年々伸びていますね。
参考記事:ベトナムの最低賃金の引き上げと経営への影響 No.141/2017/ND-CP
ベトナムという国の経済の成長と比例しています。
例えば、GDP成長率やCPI(消費者物価指数)です。
※消費者物価指数とは、消費者が購入する個々の商品の価格変化を総合したものです。
参考:https://www.google.com/publicdata/explore?ds=d5bncppjof8f9_
GDP
CPI
こうしてみるとGDPやCPIにおおむね比例しているということがわかりますね。
海外子会社の経営者が考慮すべきこと
ベトナムの人件費はこのまま上昇していきそうです。そうすると、単純に利益が圧迫されてしまいます。経営に大きな影響を与えてしまいますよね。
そのため、将来のための準備をしておく必要があります。
例えば、
- 実際の事例から学ぶ(中国の事例)⇒人件費の高騰による影響の教科書があります。
- 機械化できないか?考える。⇒人に依存しない。参考記事:ベトナムで「賃金を上げて!」とスタッフに言われた時に、まず、確認すべき指標とは?
- 業務効率化し、生産性を向上させる。⇒収益性維持。
などです。今からの準備が大事になると思っています。ゆでガエルにならないでくださいね。私も、この時期はいつも悩んでいます。
本日は、ベトナムの最低賃金について解説させて頂きました。