この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムで会社経営をしている
  • 棚卸資産を廃棄したり、減耗損が生じている
  • この点についての税務上も損金算入されるか。気になる。
  • 実務上どうやって対処したらいいか気になる。

こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

このような疑問やお悩みに解答していきますね。

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棚卸廃棄損や減耗損のベトナム税法上の決まりは?

No. 78/2014/TT-BTCのArticle6,2項によれば、

自然災害、火災等の不可抗力によって在庫に損失

(natural disaster, epidemic, fire or other force majeure events)

これって、きびしいー!ですよね。

この理由だけしかダメなの?って感じです。なお、使用期限切れの場合も認められるようです。ただ、この場合は、医薬品とか食品等の品目に限られます。

棚卸廃棄損や減耗損が生じる場合

あなたの会社での原材料や製品といった棚卸資産の廃棄損や減耗損はどのような場合に生じるでしょう?

イメージしてみましょう。

例えば、以下が考えられます。

  • 新製品が発表され、在庫が陳腐化して、今後は売れない
  • 工場や倉庫、店舗に売れ残り商品、製品などがあり、不良在庫となってしまった。
  • NG品として廃棄しなければならない
  • 災害などで破損してしまった

つまり、

①経済的な劣化(陳腐化)

②物理的な劣化(品質的な視点)

の2つに分類されます。

また、棚卸資産について継続記録法を採用し、実地棚卸をしている場合には、棚卸減耗損が通常生じます。

このように廃棄損や減耗損が、実務的には生じてしまいますが、ベトナムの場合、損金不算入の要件がとても厳しいです。

なぜならば、上記で記載した通り、”自然災害、火災等の不可抗力”のみとなっているからです。

日本の場合の税務上の取り扱いとの比較

日本との税務上との取り扱いと比較するとどのようになるでしょうか?

×→損金不算入となる、◯→損金算入認められる

 

ベトナム

日本

災害によって著しく損傷した場合

著しく陳腐化した場合

×

破損や型崩れ、棚ざらし、品質変化などによって、通常の方法で販売できなくなった場合で廃棄等した場合

×

(一定の要件あり)

棚卸減耗損

(処理ミス、盗難等)

×

(軽微な場合)

 

やっぱり、きびしい~! ベトナムでは、ほぼ、損金不算入ですね

 

考えられる実務上の4つの対応

このようにベトナムでは、棚卸の評価損や廃棄損についての損金算入要件がひじょうに厳しいです。

それでも、できる限り、損金算入したいですよね。

そこで、考えられる方法をピックアップしてみました。これは、私の意見であり、必ず損金算入として認められるわけではありませんのでこの点はご留意ください。

  1. スクラップとして売ってしまう
  2. ストーリーを作る(自然災害なんですよって。)
  3. 前払い費用として処理しちゃう
  4. インパクトを計算して諦めちゃう

上記についてそれぞれ詳しく説明していきます。

1, スクラップとして売ってしまう

 

廃棄損がだめなら、販売して、損益を確定させれば問題ないという考え方です。

赤字販売とはなりますが、実際に実現しています。この場合は粗利がマイナスとなります。

例:

  • 棚卸の取得原価 1,000
  • スクラップとしての販売額 700

この場合には、売上が700で売上原価が1,000となり、売上総利益がマイナス300となりますね。

ベトナムでは、幅広くスクラップとして販売できる可能性があると思いますので、これを検討してもよろしいかと思います。

 

2,ストーリーを作る(自然災害なんですよって。)

上記で記載した通り、ベトナムにおける税法上での損金算入の要件は、”自然災害”でしたね。

であれば、”自然災害”で、棚卸資産がだめになったという説明ができないか?ということを検討するのです。

もちろん、まったくのウソはだめですよ。”自然災害”ってフワってしてます。曖昧ですよね。

したがって、これを逆手にとってしまうのです。例えば、ベトナムの強い太陽にあたりすぎて、モノがダメになってしまったとか。

このことについて、きちんと書類や写真を残していれば損金算入に認められる可能性はあると思います。

3,前払費用として処理してしまう

廃棄とか対象となるのは、棚卸資産(原材料、仕掛品、製品)に限らず、消耗品もあるはずですよね。

消耗品にあたる場合は、ベトナムでは、前払費用として期間配分できます。例えば、3年で費用配分です。

参考記事;>>ベトナム、前払費用がわかりにくい3つの理由

この場合、実際にモノが、廃棄されたか?という事実とは関係なく費用処理され、損金にも落ちます。

もし、モノが、消耗品にあたるようなものであれば最初から、前払費用として処理してもいいかもしれません。

4,インパクトを計算して諦めちゃう

最後は、諦めるという方法です。

もし、金額が小さいなら、この方法がオススメです。あなたの時間のほうが大切だからです。

参考記事:>>経営者が、己の時給を知ると生産性が上がる理由

どのように金額的なインパクトを計算するのか解説しますね。

ずばり、廃棄損の金額*20%(法人税率)です。

これが、インパクトです。あなたの会社からでていくお金のインパクト感です。

例えば、5000USDであれば、1,000USDです。

もし、5,000USDの廃棄損の論点で、日本人のあなたのが10時間も悩んだら、どうでしょう?

いけてないですよね。なぜならば、日本人の費用は高いからです。

したがって、無視してしまう!という意思決定も合理的である場合もありますよ。

本日は、ベトナムにおける棚卸資産に関する損金性について解説させて頂きました。

あなたの会社が、棚卸資産についての税務上の取り扱いについて深く理解して、一番いい意思決定をできることを祈っていますね