こんにちは、すげのです。

本日は、経理人材についてのタスクの内容、レベルについて深堀していきたいと思います。

この記事はこんな人のために書いています。
  • 海外法人の社長に就任しているが、自社の経理人材になにを期待していいかわからない。
  • どんな経理人材が、優秀なのか?理解したい。
  • キャリアアッププランを示してあげたい。

こんな悩みのある方の疑問を解消します。

どんな業務も2種類に分類できる

誤解を恐れずに言ってしまうと、どんな業務も2つに分類されます。

それは……

定型業務(ルーチン業務)

付加価値業務(上記以外)

この2つです。

これが大前提となります。

大まかでありますが、このように分類できるということを大前提としています。

単なるブックキーパーとあるべき経理責任者(チーフアカウタント)との違いのまとめ【比較形式】

以下の視点で整理していきますね。

イケてる経理人材と単なるブックキーパー(オペレーター)との違いの視点

①経理業務
②税務業務
③仕組み化業務(見える化・標準化・文書化)
④ファイナンス業務
⑤マネジメント型、コミュニケーション型

①経理業務での業務は?

経理業務を大きく分類すると、以下の3つに分類されます。

1)基本的な取引における帳簿の作成(製造)

2)正確性や網羅性を担保するためのレビュー業務

3)論点のある難しい取引(複雑な取引、税効果会計など)における判断を伴う業務

です。

具体的に表として比較すると以下のようになります。

業務

スタッフ

(オペレーター)

経理責任者(部長)

1)基本的な取引における帳簿の作成(製造)

  • 書類に基づいて基本的な取引の記帳ができる(仕訳)(会計ソフトの知識)
  • 請求書発行、給与計算、発注処理
  • 財務諸表(BS,P等)の作成
  • ファイリングをできる

メインの仕事

出来て当然

2)正確性や網羅性を担保するためのレビュー業務

  • 正確性や網羅性をチェック
  • 監査支援、対応

3)論点のある難しい取引における判断を伴う業務

  • 問題の認識
  • 会計上の見積り
  • 税効果会計
  • 原価計算構築
  • 管理会計
  • 人事労務基礎知識

②税務業務での業務は?

税務の業務を大きく分類すると、以下の2つに分類されます。

1)税務申告書の作成(製造)

2)税務(法令、政令、オフィシャルレター)コンプラインススキル

です。

具体的に表として比較すると以下のようになります。

業務

スタッフ(オペレーター)

経理責任者(部長)

1)税務申告書の作成(製造)

  • 個人所得税の申告書作成
  • VAT(付加価値税)の申告書の作成
  • 法人税の申告書(基本)の作成
  • FCT申告書の作成

メインの業務

出来て当然

レビュースキルも必要

2)税務コンプライアンススキル

  • 税務スキームの理解と税務リスクの認識
  • VAT還付手続き
  • 税務調査対応
  • 節税対策、税務シュミレーション
  • 税務の法律についての助言

必要

③仕組み化の業務は?

これは、上記の経理業務及び税務業務に関連してきます。これについての基本業務(上記の表のブックキーパー)について、見える化・標準化して若いスタッフでもまわせるようにすることです。

海外、ベトナムでありがちなのが、基本的な業務なのにマネジャーが抱えこんでしまうことです。ブラックボックス化してしまうという問題が生じてしまいます。

「社長、わたしがいないと経理回らないでしょう」って言いたい感じです。自分の価値を高めておきたい。と一般的には言われています。

まあ、気持ちはわかりますが、本来の責任者の姿ではありませんよね。なぜならば、責任者は、付加価値業務をしなければいけないからです。

定例的・定型的な業務を、見える化、標準化して若いスタッフがその業務をできるような仕組みを構築すること

です。

具体的に表として比較すると以下のようになります。

業務

スタッフ(オペレーター)

経理責任者(部長)
  • 定例業務の見える化(リスト化)、文書化、マニュアル化
  • 雛形の作成

重要

④ファイナンスの業務は?

ここでは、ファイナンスの業務を以下の2つに分類します。(ファイナンスはもっと深いのですが、ここでは簡便的に定義します。)

1)財務分析を実施して問題点を認識するスキル

2)経営計画(予算)を作る(社長と一緒に)スキル

です。

具体的に表として比較すると以下のようになります。

業務

スタッフ(オペレーター)

経理責任者(部長)
  • 財務分析をできる。
  • 主要な経営指標を知っている。説明できる。
  • 利益計画書を作成できる。

⑤マネジメント・コミニュケーション業務

5つ目はマネジメント業務です。進捗管理やモチベーション管理ですね。

チームをマネジメントする。目標を考える。モチベーション管理する。

会社外の人とのコミニュケーションスキル

です。

具体的に表として比較すると以下のようになります。

業務

スタッフ(オペレーター)

経理責任者(部長)

全体の業務の工数管理をできる。(スケジュールと時間配分)

社内レクチャーをできる

 

お客様や仕入先との交渉

税務担当官との交渉

2軸マップで経理人の全体像をとらえる

経理業務についてのタイプを2軸にして4つに整理することもできますよ。

以下のようなイメージです。クリックすると大きくなります。

 

そして、ブックキーパーと経理責任者になにが求められるか?という視点では以下のようになります。

 

本日は、経理にはどのような仕事・タスクがあるのか?というの整理するとともに、職務のレベルによってなにが求められるか?ということを解説させて頂きました。

あなたの部下のキャリアアッププランへのアドバイスや経理責任者(チーフアカウタント)を採用する際に参考になればと思います。

それではまた!