この記事のもくじ
なぜ、”移動”が、経済に影響を及ぼすのか??
“移動”
これによって、ビジネスは生まれてきました。つまり、お金が生まれてきたのです。革新・イノベーションにも移動がキーワードです。
例えば、明治維新でも、移動がキーワードでした。藩をまたいで移動ができたことから明治維新が生まれました。それ以前は、藩をまたいで移動することが困難だった見たいですね。
第二次世界大戦後も、東京から地方に人が疎開しました。東京の文化や経済が地方に広がりました。また、海外(台湾とか満州)から、日本人が戻ってきて、新たなチャレンジをしました。こういったダイナミックな移動により高度成長が生まれたのです。
つまり、移動は、とても重要だという事を過去の事実が証明しています。
ご存知の通り、新型コロナウイルスにより、移動が大幅に制限されています。その影響をまともに受けているのが、航空業界(ANA、JAL)です。
イメージできますよね。
日本から、飛行機で、ベトナムに移動する人はいません(2020年4月現在)。
なぜ、減便・運休してコスト減らしても、航空会社の赤字が増えてしまうのか?
●固定費の負担がでかいから
一言で言うと、これです。固定費とは、稼働してなくても発生するコストのことです。
例えば、家賃などイメージするといいかと思います。営業活動や製造、つまり、稼働してなくても発生しますね。
飛行機を飛ばさなければ、コストも減りそうな気がしますよね。でも、そうではありません。
この場合、固定費がどれくらい影響が大きいか理解する必要があります。
航空会社の基本的なコスト構造について、説明します。
以下のようなイメージ(あくまでイメージ)です。
通常 | コロナによって減便 | |
売上 | 1,000 | 500 |
変動費(30%) | 300 | 150 |
固定費 | 500 | 500 |
営業利益 | 200 | △150 |
航空業界のコスト構造には特殊性があります。
それは固定費と変動費の割合でいえば、固定費のほうが圧倒的に大きいのです。
航空会社のコスト構造を理解する
航空会社の費用項目の大まかな内容は以下のようになります。そして、前述の通り固定費が大きいコスト構造なのです。
変動費 | 燃料費、着陸料、整備費、発券手数料、機内サービス費など | |
固定費 | 固定費 | 航空機の減価償却費・リース料、航空保険料、借入金利息、従業員の人件費 (運送に直接的に関連) |
運行間接費 | 一般管理費 輸送事業を支援する部署の運営に関する人件費・経費(より間接的) |
コロナショック!日本の航空会社が赤字で持つのは何か月??
本日、以下のニュースを見て衝撃を受けたので紹介します。
衝撃じゃないすか?
ANAが、資金ショートで倒産の可能性が低くない(コロナが続いて資金調達ができない場合)って信じがたいですよね。
ベトナムの航空会社も計算してみました。
私は、ベトナムで働いています。
そのため、ベトナムの航空会社はどうなのか?って気になりました。
先日以下のようなTweetを見ました。
出番は来るから、もう少し待っててね❤️✈️#ベトナム航空 #vietnamairlineshttps://t.co/L7VUL1JYqDhttps://t.co/HJtBKZJY1N pic.twitter.com/0Wq9WowYUZ
— ベトナム航空 日本支社 (@meets_vietnam) March 27, 2020
かわいいです!
ただ、一方で、恐怖を覚えました。というのは航空会社は、稼働しないと、キャッシュが燃え続けるビジネスだと理解しているからです。
赤字でキャッシュが持つのは、何か月?
前提条件は以下の通りとしました。
- SDは、vietstockというウェブサイトのFS 2019年1月から12月
- EBITDA率を利用してEBITDAを算出した
- 純売上からEBITDAを差しいひいた費用をキャッシュアウトのある費用と仮定した(実際のキャッシュフローは、営業利益にキャッシュの流出のない減価償却費を加算するなどして計算するため)
- 上記のうち固定費:変動費=2:1とザックリ仮定
- 資金著調達はしないと仮定
- 借入金の返済期限はこないと仮定
- 大幅なリストラなどそういう要素は考慮していない
- 為替レートは200(VND/JPY)
参考記事:EBITDAとは? PLから10秒でキャッシュ・フローをざっくり読み取る方法
結果は以下の通りとなりました。
こうすると、キャッシュベースだと、かなり厳しいという状況がわかります。しかも、有利子負債があります。上記の前提では、返済を加味していません。
この有利子負債の返済期限によっては、もっとキツイということです。
新型コロナで乗客半減のベトナム航空、政府に支援を要請
引用元:https://www.viet-jo.com/news/economy/200220195516.html
という記事もありましたし、資金的には、かなり厳しいということが読み取れます。
新型コロナウイルスによる、世界的な業界再編が進むことが予想される
国境をまたぐなという国の対応は、以下を意味します。
つまり、飛行機はほとんど要らないよ!という事と同意義です。
以下は、実際のニュースです。
業界再編(統合など)が進むのは明らかでしょう。
あとはそれぞれの国がどこまで援助するかどうか?です。
国の援助なしでは、多くの航空会社はすべて倒産することが容易に予想できます。
今後どうなるかは、見守っていきたいところです。