こんにちは、すげのです。

連日コロナウイルスのニュースですね。

ベトナムは、非常に厳しい封じ込め政策で、コロナウイルスの感染者の新規は最近はでていません。これは素晴らしいことです。

一方で、「経済の死」への影響も考慮する必要があります。

例えば、移動が減ったことにより、航空会社への打撃は半端ありません。売上は大きく減っていることが容易に予想できます。

参考記事:>>新型コロナウイルスショック!航空会社、移動がなければ、キャッシュは燃え続ける!最初に資金が尽きるのはどの会社?果たして、生き残れるのか?

企業の勢いが落ちると、国の売上である歳入(税収など)も減りますよね。

つまり、国の豊かさへの成長度が、ある意味、停滞または後退します。そんな背景もあり、ベトナムの歳入についての金額を調べてみました。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに進出している
  • ベトナムで働いている。ベトナムが好きだ。
  • ベトナム経済を学びたい。国の予算などをわかりやすく知りたい。
  • ただ、経済の専門家でも会計の専門家でもない。

こんな方の悩みを解決していきます。

“歳入”ってそもそもなに?

基礎的なことですが、前提条件ともなるので確認しましょう。

国の売上

わかりやすく言うと、このように表現できるかもしれません。国の入金のことです。キャッシュ・インです。一般会計歳入なんていったりもします。

その一般会計歳入の内訳は?

日本の場合は、大きく以下です。

  • 税収
  • その他の収入
  • 公債金(要するに借入金)

日本の場合は、この国の歳入は約101兆円です。(62兆円の税収と公債金33兆、その他6兆円)

こんな感じですね。財務省のHPより引用しました。歳入が収入で、歳出が支出です。社会保障が34兆円と大きな割合を占めますね。

引用元:財務省のHP

ちょっと金額が大きすぎてわかりにくいかもですね。単位が兆って……。こんな場合は一人当たりにすると、より自分事化します。日本の人口を仮に、ザックリ1億人としますと……。

1人当たりは、62万円の税金をはらっているという事になりますね。そうすると、なるほどねって自分事化します。

参考記事:>>財務諸表・会計数値が楽しく!簡単!たった一つのコツ、○○あたりにすると会計数値が身近に感じます。

ベトナムの場合の歳入は?

こちらは以下のような構成になっています。

1:税収(税金のことです。VATとか、CITとか)

2:税収以外

2020年度のベトナムの歳入(予算)は?

合計は、1,457,299ビリオンドンです。

でかっ!

って、いつもですが、ベトナムドンは、桁が大きいので、ピン来ませんね。500,000ドンは、2500円です。これをザックリ日本円にすると……7.29兆円となります。ザックリですよ。200(為替レート)で割りました。

日本の歳入の合計は、101兆円ですので、その差は、現時点では、大きいと言えます。

内訳は、以下の通りです。

内容

金額(兆円)
A:税収(法人税やVAT,PIT)

5.36

B:登録料・手数料等

0.39

C:上記の税収等以外(土地利用料・リースなど)

1・51

合計

7.29

ベトナムの”税金”の歳入の推移を分析してみる【4つの視点】

ベトナムの歳入のうち、税金についての歳入について分析してみました。

前提条件は以下の通りです。

ソースデータ:http://www.chinhphu.vn/portal/page/portal/English

換算:為替換算レートは、簡便的に200を利用して日本円にした。

2020年は予算金額

税収:主な税金は、CIT(法人税)とVAT(付加価値税)とPIT(個人所得税)

その他の税金として以下があります。(その他の税収としました)

  • Excise duty tax
  • Environmental Protection tax
  • Property tax
  • Agricultural land use tax
  • Non-agricultural land use tax
  • Resource tax
  • Import and export taxes

推移は以下の通り。(クリックすると大きくなります。)

このような感じになります。

VATがはやり大きいですね。そして、個人所得税は断トツで低いですね。

※コロナショック後は、2020年の税収は減ることが予想されていますが、それは反映していません。

次に以下の視点で、深堀りしていきたいと思います。

  1. 1人当たりにしてみる。
  2. 労働人口での一人当たりの個人所得税にしてみる。
  3. 日本と比較してみる。
  4. GDP成長率と比較してみる。

こうすることでよりいろいろな事実が浮き彫りになりますよ。

国民1人当たりにしてみる。

以下のような感じになりました。

 項目2017年2018年2019年

2020年

構成比率

VAT(付加価値税)

1.58

1.781.731.7933.4%
PIT(所得税)0.41

0.48

0.490.5610.4%
CIT(法人税)1.111.09

1.07

1.1822.0%
その他の税収1.601.631.63

1.84

34.3%

合計(兆円)

4.694.984.925.36100%
人数(万人)

9,460

9,5549,6469,734

国民の1人当たりの税収(円)

49,58452,08051,00555,097

国民一人当たりというかなりざっくりとはしていますが、なんとなく、ピンとくるのではないでしょうか?

労働人口あたりの一人当たり所得税を見てみる

労働人口別で見ると以下のようになります。(数字はある程度、ざくっと、丸めています。)

SD:Google public data とその他ニュース

 

2017

201820192020
PIT(兆円)

0.41

0.480.490.56
労働人口(万人)5,570

5,680

5,7505,800
1人当たりPIT(円)

7,365

8,5278,4909,611

低いですよね。

これは、ワーカーさんなどは、月当たり9百万ドン(4万5千円)以下の人もいるからです。9百万ドンというのは基礎控除額(税制改正によりアップデートされ随時変更されます)のことです。つまり、税務上計算するあたりの給与から差し引ける金額なので個人所得税が発生しないということになります。

ベトナム人の平均年収は年間30万円程度というデータもありますので、ほとんどの人が所得税を払っていないということも読み取れます。

参考記事:【図解!】ゼロから理解する「個人所得税の仕組み」日本とベトナムの比較表付き

日本と比較してみる。

次に日本と比較してみましょう。表にしました。人口については、数値をまるめております。

 

ベトナム(a)

2020年(予算)

日本(b)

平成31年

c=b/a(倍数)

税収合計(兆円)

5.3662.4911.65

個人所得税(兆円)

0.5619.9335.76
総人口(万人)9,734

12,600

1.29
労働力人口(万人)5,8006,730

1.16

国民1人当たり税収(円)55,097495,984

9.00

労働人口あたり PIT(円)9,611296,196

30.82

こうするといろいろわかってきます。例えば、労働力人口が日本少ないですね。高齢化社会と言われるのが数値として読み取れます。

ベトナムは成長著しいですが、税収の絶対額でいうと日本の方が11倍強です。

 

ベトナムにおける外国人駐在員の個人所得税はべらぼうに高い(年間で300万)程度です。ただ、個人所得税を比較すると、35倍超程度ですね。ベトナムはPITの税収がやはり少ないのです。

1人当たりのGDPは、約13倍の差がありますが、労働人口1人当たりのPITは30倍となっています。

 

GDP成長率と比較してみる。

次にGDP成長率と比較してみます。GDPと税収にも同程度の相関関係がある。という説もあります。

これは、なんとなく感覚的にもあっていると思います。国が豊になれば、経済活動も活発となり、税収も増えるというのが「うん!そうなりそう」ってなるかと思います。

では、実際はどうでしょうか?データを見てみましょう。(クリックすると大きくなります。)

GDP成長率は7%程度と、非常に高い水準ですが、税収はそこまで増えていないのですね。

これには、やや、違和感を感じます。(税金みんなはらってるのかな……。的な)

★本日のまとめ★ 感情を捨てろ!データはやはり大事

本日は、ベトナムの歳入をいろいろな視点で分析してみました。

「日本はだめだ……。」「日本は衰退している。」「日本人として恥ずかしい」

と感情的な面から、SNSでいろいろネガティブ発言する人がいます。日本人は、世界的に見て自己評価が著しく低い。私もそうですが。

ですが、やはりデータを見るべきです。一切の感情を捨てたうえでまずはデータを見ることが重要です。

これは経営にも通じます。

「データを見たうえで、判断する」

こうしないと経営判断が誤ってしまうからです。

感情的にならずに、まずは淡々と数値や事実を見る。ということをオススメします。

最後に、

日本はオワコンって言われています。失われた30年など。それは、データから見ても、事実のようです。GDP成長率みてもほとんど成長していない。

ただ!

日本は、這い上がれると私は信じています。

そのための答えが書いてあるのがシンニホン

じゃまオジにならないように、変化を楽しみ、若い人への投資!

上記に記載した通り、日本には、お金はありそうですよね。