こんにちは、マナボックスのすげのです。

新型コロナウイルス…。

これは、100年に一度のパンデミックとも言われています。ほぼ、全世界の人が、影響を受けていることでしょう。

一番の大きな影響は、

「移動の制限」

かと思います。

そして、今なお、ベトナムでは、外国人の入国が厳しく制限されています。ベトナムに出張されていた人も、日本に帰国すると、ベトナムに入国することが実質的に難しいです。隔離14日間あったりするからです。

先日、私の友人もハロン湾の側のホテルで14日間の隔離生活をしておりました。

そんな中、ベトナムに出張していた人が、ベトナムの居住者となるケースがあります。183日を超える場合ですね。

ベトナム長期出張者が、ベトナム居住者になった場合の論点

それでは、どのような論点が考えられるでしょうか?

  1. 個人所得税(PIT)
  2. FCT(外国契約者税)
  3. 法人税(CIT)

この3つが考えられます。それぞれ検討していきましょう。

ベトナムでの個人所得税はどうなるか?

ベトナムの居住者となるため、全世界所得が課税される

こちらが結論です。例え、日本での口座への支払いであろうが、ベトナムで課税されます。さらに、不動産収入などがあっても、課税されます(全界所得)

※なお、前提条件として、ベトナムでの支払いはありません。出張者の場合は、ベトナムでの口座を保有してないからです。

ベトナムの個人所得税率は、高いので、金額的な影響も経営上は考慮する必要があります。

参考記事:ベトナム個人所得税対策の完全マップ【動画編】36個の動画で解説

また、日本でも個人所得税を納税しているケースが多いでしょうから、結果的に二重課税になってしまっている状況がほとんどだと思います。この点は、ベトナムの場合、一方の国で、二重課税を避けるため、税額控除を検討することができます。(ここはややこしいですね。)

この点、ベトナムの会社が支払ったPITについて、あなたとしては、2つの選択肢があります。

  1. ベトナム側が、そのまま負担する
  2. いったんベトナム側で負担するが日本に請求する(ベトナム側でのPLインパクトなし)

この点が、次の論点につながります。

ベトナムのFCT(外国者契約者税)は?どう?

個人所得税をベトナム子会社が負担した場合、FCTが発生する可能性がある

通常の出向者、駐在者の場合のベトナム給与については、FCTが課税されることはありません。

しかしながら、出張者の立場は、駐在者様と比較して以下のような違いがあります。したがって、個人所得税をベトナム法人が負担した場合、技術支援料と同様にFCTが発生する可能性がある。

 

駐在者

出向者

労働契約書

○(ないケースもあり。出向契約書等)✖️

労働許可証・TRC

○(あり)なし

出向契約書等・覚書

△(基本ない)

したがって、PITを本社が結果的に負担するのか?FCTを申告・納税するのか?検討しなければいけません。

細かいかもしれませんが、出張者のPITをベトナムの会社が負担した場合の根拠条文を記載しておきますね。

103/2014 / TT-BTC

Article 13. Corporate income tax

a) Revenue subject to CIT
Revenue subject to CIT is the total revenue exclusive of VAT received by the foreign contractor or foreign sub-contractor, inclusive of taxes payable. Revenue subject to CIT includes the costs paid by the Vietnamese entity on behalf of the foreign contractor or foreign sub-contractor (if any).

 

ベトナムのCIT(法人税)の損金性はどうなるか?

個人所得税をベトナム子会社が負担した場合に、その損金性のために、必要な書類を準備する必要がある。

もし、あなたのベトナム現地子会社が、長期出張者の個人所得税を負担している場合には損金性を担保する際に、十分な書類を準備する必要があります。負担を明確にした契約書など。

⭐️本日のまとめ⭐️

本日は、日本から海外、ベトナムへの長期出張者が、コロナによって、滞在が延長したベトナムの居住者になってしまった!という場合について解説させて頂きました。

表としてまとめると以下の通りになります。

個人所得税

選択肢FCTCIT

居住者であれば全世界所得をベトナムで申告

ベトナム法人が負担発生する損金性については留意
日本本社から回収発生しないPLに掲載されないので該当なし

細かい点については、かならず依頼している会計事務所に相談してくださいね!

あなたが、ベトナムの税務を理解することにより、大きなサプライズを防止できることを祈っております。

それでは、また!