こんにちは、公認会計士のすげのです。
先日、衝撃的な情報を拝見しました。それは、メンタリストダイゴさんの月額収益がものすごいことになっているというのです。その月商の金額の合計がなんと…。
9億超え!!まじかー!
その内訳は以下の通りらしいです。
- YouTube及び動画関連収益: 約4000万
- ニコニコ月額課金収益: 約7000万(10万人)
- Dラボ会員収益: 約7億9000万
- 計月収 約9.1億円
キャピタルゲインと本の収益は含まれていない。コンサルも含まれていないようです。
22分くらいのところ。(課金継続率)
23分くらい(拡張プラン)
42分くらい(月商の説明開始です)
この点について、会計士の私は、ちょっとだけ疑問が湧いてしまいました。おそらく、会計士としての職業病でしょう。
本日は、ダイゴさんの月商について、「9億超え」について会計的な視点で解説していきたいと思います。
ちなみに、私は、ニコニコ動画にも入っていましたし、Dラボに入会していますよ〜。
ダイゴさんからいろんな知識を学び、「人生を変える」ことができています。まだまだ、稼ぐといった意味では、成功はしてないんですけど(笑)
特に、以下の2つは、20年前くらいに知りたかった!マジです。
- クロノタイプ(私は夜型!)
- 「脳を鍛えるなら運動しろ」
この2つは、まさに、ぼくらの人生を変える!知識ですよね。知らないと人生を損していることってあるんだなって認識しました。
これからも学んで、実践していきます。ちなみに動画も撮影しました。
この記事のもくじ
DaiGoさんの9億の内訳について考える
冒頭のうち、月額収益・月商と聞いて、「おやおや」って?思ったの以下の点です。
Dラボ会員収益
です。
なぜか?それは、以下のフレーズがあったからです。
「年会費」
っていう言葉が出てきたからですね。
Dラボ会員費の詳細は、以下のようになっているようです。
括弧内の金額は月額です。
ふむふむ。月額は、安いですね。一回分のランチ程度。安すぎる!
もう少し、情報を深堀りしていきましょう。
Dラボの収益の内訳を解説します
これ計算が非常にし辛くて。
今(10月)18日なので一応Dラボに入っている会員さんの、現在の会員の増加率及び退会率っていうのを加味しまして、この18日間が1カ月だったらどうなるのか(中略)これが10月いっぱいいったらどうなるの?ってことを一応元に計算しております。
と前置きした上で、現在の会員数が7万6068人、客単価が6,047円だとお話していました。
2020年10月18日時点で収益が4億5990万728円(以下を参照)だとし、これに退会率・増加率を加味して計算し直すと、30日換算で7億9219万3,282円、「約7.9億円」となるとお話しています。
DaiGoさんの独自VODサービス Dラボの実態が明らかに
— Toshi Kamei / とれひこ (@tolehico) October 18, 2020
・会員: 76,068人(10月18日時点)
・顧客課金単価: 6,047円
・売上: 459,900,728円
・トライアル離脱率 4.4%
・課金継続率 95.6%
・会員の7割が年間払い、かつ税別824円の拡張プランを契約 pic.twitter.com/Kzz1NopY0c
月商と聞いた違和感を感じてしまった理由とは?
なぜ、私が違和感を感じてしまったのでしょう?繰り返しになってしまって恐縮ですが、キーワードなのでもう一度確認しますね。
それは、「年会払い」という言葉があったからです。
年会払いとは、10月1日に1 年ごとに ¥9,889払えば、1年間見れる権利を得ることができるのです。
これは、逆にダイゴさん(プラットフォーム側)の立場からすると、¥9,889貰えば、その後1年間、サービスを提供する義務を負うのですね。
アパートの賃料も同様の理屈です。例えば、以下の例を見てみましょう。あなたはアパートのオーナーです。
- 期間:2020年1月から6月
- 金額:1月に60万円に受け取った。
この場合の1月の“月商”はいくらになるでしょうか?
、、、、、。
結論から申し上げますね。会計的な観点からすると、10万円が月商となります。いわゆる、売上収益です。
もう少し専門的に見ていきましょう。1月は以下の仕訳となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金預金 | 60 | 売上 | 10 |
前受金 | 50 |
そして、2月以降は、以下の仕訳になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前受金 | 10 | 売上 | 10 |
図解すると以下のようになりますね。
つまり、何が言いたいのか?と言うと。
Dラボ収益自体が、キャッシュベースで、月商(売上)として考えてしまっている。と言う点です。この点が、会計的な視点で言うと、あれ?って思ってしまう理由だったのです。
「毎月キャッシュで入ってくる」YouTubeおよび動画関連事業(企業案件など)、ニコニコ動画、そしてDラボの3つからの収益を今回の「月収」と定義
としているので、このことは認識した上で、ダイゴさんはお話しているとは思います。
ただ、会計的な視点での売上は?って言うのは気になりますよね。なぜならば、ダイゴさんは以下のように言っています。
自分が前に進んでいる感覚が感じられないのが怖いんですよ、そういう病気で。
なので、11月も同じ前提で、増加しているか?と言うためには、新規で、次の月も、8万人を獲得していかないといけないってなってしまう(と感じてしまうかも)からです。新規で毎月8万人はかなり難しいのかなっては感じます。
では、会計的な視点での月商はいくら?年商100億超えるのか?
会計的な思考であれば、月商は約2億
それでは、会計的な月商は、いくらでしょうか?ざくっと計算してみましょう。
前提条件は、金額丸めたり、ざっくりとさせてください。ざくっとです。
- 顧客課金単価: 6,000円
- 月額入金(見込み):7.9億円
- 推定加入人数:131,667人(7.9億➗6,000円)
- 会員の7割が年間払いで3割が月額のプラン(39,500人)
- 月額プランを600円
この前提条件でいくと、以下のようになります。
月額プランの売上の推定値
顧客課金単価 a | 売上入金 b | 推定会員人数 c=b/a | 年額プラン d | 月額プラン e | 月額の人数 f=c*e | 月額の単価 g | 月額の売上 |
6,000 | 790,000,000 | 131,667 | 70% | 30% | 39,500 | 600 | 23,700,000 |
月額プランの売上の推定値
売上入金 A | 月額会員の売上 B(hより) | 年会費の売上 C=A-B | 年の月数 D | 年間プランの月額売上 F=C/D |
790,000,000 | 23,700,000 | 766,300,000 | 12 | 63,858,333 |
これを前提とすると、ざっくり、64百万円となりますよね。月額の24百万円(23.7百万円なので切り上げ)とあわせると、88百万円となります。
比較すると以下のようになります。
項目 | 動画での金額 | 会計的な月商、月収、月額収益 |
YouTube及び動画関連収益 | 4,000万 | 4,000万 |
ニコニコ月額課金収益 | 7,000万 | 7,000万 |
Dラボ会員収益(13万人超) | 約7億9000万 | 8,800万 |
合計 | 約9.1億 | 約2億 |
となるわけですね。
年商100億を超えるための条件とは?
この9.1億円を元に、年商を計算して、100億超えるのか?みたいな話をしている人もいます。ただ、会計的な視点で言うと、いわゆる、売上は、100億円は超えません。
Dラボで、100億円を年商で超えるためには、ざっと、100万人の会員数が必要となると思います。なんかいけそうな気もしますけどね。
会計は発生主義で考える。
会計の特徴として、発生主義で考えるという点が挙げられます。
発生主義とは会計原則の一つで、現金の収入や支出に関係なく、経済的事象の発生または変化に基きその時点で収益または費用を計上しなければならないとするもの。
つまり、現預金の動きと売上は別だと言うことです。そのため、財務諸表3表の繋がりも理解する必要があるといえます。
>>3つのストーリーと図でBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の読み方、そのつながりわかりやすく理解する方法を徹底解説!
発生主義とは逆の概念として、現金主義というのがあります。これは、現金主義と、収益と費用を現金の受け渡しの時点で認識する会計原則のことです。
ファイナンス思考と言う側面で考えてみる。
もう一つファイナンス思考的な観点から見てみましょう。
ファイナンス思考とは、
「長期的な視点で、企業価値を最大化させること目的とした思考法」
のことです。
>>PL脳だと会社は倒産する ファイナンス思考が大切な理由とは?
こう言った視点からいうと、どうでしょう。ダイゴさんの場合の、価値・バリューはなんといっても以下だと思います。
ダイゴさんを信頼・信用している会員数
継続的に支払ってくれる会員数
いわば、ファンです。
この数が、10万人を超えているんですね。これに加えて、Youtubeの登録数も200万人を超えていますよね。
なお、Dラボのビジネスモデルは、サブスクリプションと言われるビジネスモデルです。
>>なぜ、月額制のサービス「サブスクリプション」は、魅力的なのか?経営管理的な視点で解説
このコミュニティの価値がヤバイってことです。これがあれば、いろんなアイデアを実行できて、企業価値をもっと高めることができるからです。実行という点がポイントです。アイデアに価値はありませんので。
そう言った意味だと、企業価値は、数百億という評価がされてもおかしくありませんね。
本日は、ダイゴさんの月収公開動画から、会計的な思考やファイナンス的な思考を解説させて頂きました。
参考になれば幸いです。