こんにちは、すげのです。

令和時代でさらに重要となった“ファイナンス思考”とは?

3つのストーリーと図でBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の読み方、そのつながりわかりやすく理解する方法を徹底解説!では、会計の基礎の財務諸表であるBSとPLの構造について、実際の例と図を加えながら説明させて頂きました。

今回は、会計のバックグランドがない人であっても、大事な思考“ファイナンス思考”の肝ついてお伝えしたいと思います。

“ファイナンス”って聞くと、ちょっと専門チックで難しそうですよね。

でも、内容をおさえてしまえば、特になんてことないです。

そして、この思考は、あなたの人生にとってものすごーく重要になると考えています。なぜならば、経営者としてだけでなくあなたの人生といった視点で、正しい判断ができるようになるような思考法だからです。

なぜ、失われた20年30年が、起きてしまったのか?


いきなりですが、こちらをご覧ください。

引用:8月20日のダイヤモンドオンライン

https://diamond.jp/articles/-/177641?page=2

こちらは、時価総額のランキングです。平成元年(1989年)と平成30年(2018年)のものです。

衝撃的!

じゃないでしょうか?

私は、これを見た時、かなりビックリしました。日本は経済大国!ジャパンアズナンバーワン! 

私が幼いころに言われたいた記憶がかすかにあります。このようにランキングにするとよくわかりますよね。30年ほど前であれば、世界時価総額ランキングの上位を日本企業が圧巻(なんと1位から5位を独占)していました。

しかし、30年後といえば、見る影もなくなってしまいました(涙)。トヨタさえ入っていない……。

日本の圧倒的な存在感は、バブル期を境に落ちてきました。よく失われた10年とか20年とか言われています。要するにこれは、この間、経済的に成長してない。経済低迷していた。ということです。

ベトナムに住んでいますと、その言葉の意味について身をもって理解できるのではないかと思います。例えば、ハノイの町並み、風景は日々変わっています。ビルは次々と建設していますし、メトロも完成に近づいています。まさに、成長中!ですよね。

逆に、先日、数年ぶりに昔住んでいた日本の街を訪れたのですが、まったく景色が変わっていませんでした(汗)。

なぜ、失われた20年が生じてしまったのか?

高齢化などの人口問題などいろいろ複雑な問題もありますが、大きな1つの理由としては、

ファイナンス思考が欠如

していたからだと言われています。

もし、ファイナンス思考がもっと重要視されていれば、I phoneは、日本の企業が開発していたかもしれません。

それでは、ファイナンス思考とはそもそもなんなのでしょうか?

解説していきますね。

ファイナンス思考の覚え方

これを理解するには、反対の概念に着目することが大事です。その反対の概念とはPL脳のことを指します。

PL脳ってなんだ?

あなたは、海外子会社を経営していてこんな会話をしたことはありませんか?

 

  • 「営業利益がプラスだ!やった!」
  • 「赤字だから、マーケティングコストを削ろう。人材は採用しない。減らす。」
  • 「死んでも、今期利益だせ!コスト削減だ。」

どうでしょう?

これこそ、PL脳の具体例といっても過言ではありません。

つまり、

 

PL脳とは、「売上や利益といった損益計算書(PL)のみ指標を目先だけで最大化することを目的とする考え」

です。

経理が作成した資料のうちPLしか見てない、、、、。(汗)

とドキっとされたのではないでしょうか?いろいろお話しを現地でさせて頂いているとPLしか見てなくて、BSを一切見ていないという社長様もいます。

ファイナンス思考とは?企業価値の最大化

PL脳と対局にあるファイナンス思考とは「①長期的な目線に立って考える。(戦略)そのうえで、②企業価値を最大化するといった思考法」の事です。

①長期的に!っていうところがポイントです。また、②企業価値っていうところもですね。企業価値とは、将来にわたって生み出すと期待されるキャッシュ・フローの総額の事をいいます。利益ではなくて、キャッシュ・フローですよ。

先に述べた、PL脳では、この最も大事な思考が抜けて落ちてしまっているんですね。もう少-し、具体例で理解を深めましょう。

あなたの部下の事業計画です。これを評価してください。

これについて、ちょっとだけ考えてみてください。

A案:頑張ってコストを500万円減らし、当期の利益が200万円増加!

 

B案:300万円マーケティングや人材投資し、当期の利益は△500百万円。赤字!しかも新規借入。しかし、3年後に新サービス、新規顧客の開拓が期待できるかも。

シンキングタイム!

 

………。

 

どうでしょう?

 

もし、あなたの答えがA案であるならば、これは危険です。それは、PL脳になっている可能性があります。

 

なぜならば、短期的な視点でPLばかり気にしているからです。

 

最近では、あの東芝も、経営ピンチに陥りましたよね。この大きな原因の一つは、PL脳です。東芝のような大企業は、任期がある社長であるケースがほとんどです。

もう少しいうと、「私が社長のあいだは、赤字を避けたい、、、、」「PLを良くして評価されたい。出世したい。」というマインドになってしまうということです。どうしても、短期的な視点になってしまうのですね。実際に東芝は、短期的な思考により不正会計までしていました。

PL脳がもたらす弊害とは?

確かに、高度成長期のような環境では、PL脳に即して経営を行うことが、日本企業の勝ちパターンでした。PL脳が機能していた時期もありました。

しかし、現代は、テクノロジーの発展がすさまじく、環境は常に変化しています。

今まで、ビジネスとして成りたっていたものが全く成り立たなくケースもよくあります。身近な例でいえば、タクシー⇒グラブ、ホテル⇒AirBnB、紙の書籍⇒電子書籍などなど

ファイナンス思考による成功事例(GAFA)

身近な事例で考えてみましょう。

冒頭での図でもあったように、世界時価ランキングは、Google( Alphabet Inc,)

 Apple, Facebook, Amazon,が上位を占めています。これらの企業は、みなさんもご存知ですよね。頭文字をとってGAFAと呼ばれています。

これらの会社が成功したのは、ファイナンス思考を重視していたからです。これら4つの会社に共通するのは、短期的にはPL上で赤字である意思決定をして、将来の成長に向けて果敢にチャレンジしているという事です。

 

例えば、アマゾンですが、創業以来、多額の赤字でした。この赤字の原因は将来ビジネスを獲得するための大規模な先行投資です。みなさんも利用しているかもですが、Amazon Primeというサービスがあります。

この開発には多額の資金をつぎこみました。当然赤字です。

しかし、その結果、一気に市場シェアを高め、今では1億人程度の会員数のようです。金額はでたらめですが、1億円つかって勝負しても10億円のキャッシュフローが入れば、それは成功だと言えますよね。

 

GAFAの経営の特徴をあらためて整理すると2つの点と言えます。

 

それは、

  • 短期的な赤字は気にしない。
  • 投資の目的が長期的で未来を見ている

です。

 

日本からGAFAが生まれなかった理由

ここまでお読みのあなたであれば、お気づきかもしれません。それは、PL脳に支配されている企業がほとんどだからと言われています。

企業の長期的な成長のチャンスが仮にありリスクを負い、必要とわかっていたとしても、目先の業績が悪化することを嫌って、積極的な投資、未来費用への支出を躊躇してしまうのです。

さらに、企業価値には貢献しないPL上だけでの業績数値を水増しする方法に陥ってしまうこともあります。

PL脳では、経済大国であることを維持、より成長という結果をもたらす事が非常に困難です。むしろ、下降、低迷してしまう。という結果になってしまいます。つまり、PL脳は、衰退していく経営であると言え、倒産へまっしぐらということになってしまうのですね。

3つの会計との関連

 

以下の考え方とも関連させてみましょう。

3つの”会計”の意味と社長様が最も留意すべき会計とは? 財務会計・税務会計・管理会計

管理会計は、社長のための情報で未来志向でしたね。そういった意味で、管理会計はファイナンス思考であると言えます。

7つの習慣との共通点

実はこれ、あの7つの習慣の4つの領域とも関連します。

4つの領域というのは、緊急度の高低、重要度の高低によってつくられる以下のようなマトリクスです。

  • 緊急度【高】&重要度【高】第1領域
  • 緊急度【低】&重要度【高】第2領域
  • 緊急度【高】&重要度【低】第3領域
  • 緊急度【低】&重要度【低】第4領域

 

海外、ベトナムで社長業をしていれば、業務に忙殺されて疲弊してしまっているという場合もあるのではないでしょうか?1日が電話対応、チャットに追われてしまい何もできなかった。締め切りが近い仕事に気づいて慌てて取り組む(汗)。(もっとほかのことやらなきゃいけないのに……。)

などなど、多くの海外子会社の社長は、第一領域、第三領域の仕事に振り回されています。というのも、業務の範囲が多岐にわたるからです。

 

しかし、本当に重要な活動は、第2領域です。

例えば、将来の計画策定、新しいサービス作り、マーケティング、マニュアル作成、豊かな人間関係の構築、さらには健康のための適度な運動、など差し迫って実施する必要はないのですが、将来の成長や豊かな人生を実現する上で重要な投資となる領域です。

 

まさにファイナンス思考!ですよね。

★本日のまとめ★

特徴のまとめ

 

ファイナンス思考

PL脳

財務諸表での評価基準

企業価値(将来のキャッシュフロー)

BS,PL,CF全部

PLは、気にしない。

 

PLの利益

時間

長期、未来

短期的

会計

管理会計

財務会計

未来費用(マーケティングなど)

積極的

消極的

7つの習慣

4つの領域

第2領域

第1,3領域

 

本日は、ファイナンス思考についてお伝えしました。かなり厳しい言い方になりますが、PL脳に陥ると会社の倒産リスクが高まります。逆に言えば、ファイナンス思考を実践すれば、会社の長期的な成長が期待できるはずです!

また、あなた個人の人生にとってもファイナンス思考は、今後ますます重要になっていくはずです。これを意識して日常を過ごすか?で数十年後のあなたの結果は大きく変わってくると考えています。

ぜひ、ファイナンス思考について考えてみてください!