こんにちは、マナボックスの菅野です。

あなたが、ベトナムなどの海外に長期で出張して、183日を超えてしまった場合など、個人所得税を日本側が負担した場合などはありませんか?

この記事はこんな人のために書いています。

ベトナム長期出張して183日を超えてしまった。または、ベトナムの税務上の居住者だ。そのため、グロスアップして個人所得税を支払ったが、これを日本の本社の負担にしている。その時の税務上の取り扱いについて知りたい。

なお、グロスアップについては、以下をご参照ください。

>>海外駐在員、グロスアップ給与計算の仕組み

理論的には、日本での課税対象になる

個人所得税は、本来は個人で支払うもの。それを日本の会社が負担する場合には、実質給与とみなされる。そのため、個人所得税を負担した場合には「国外源泉所得」として課税対象となる。

これが原則です。   

つまり、海外の個人所得税を日本で負担した場合、その金額は、“所得”と考えられるのです。例えば、200万円を日本の会社が負担したとしたら、その分のあなたの所得が増えることになりますので、原則的には社会保険料や住民税にも影響しそうです。

一方で、ベトナム側でグロスアップした個人所得税を負担する場合には、個人所得税の対象とはならないですし、損金算入も(書類等に不備がなければ)認められます。

>>グロスアップした個人所得税を会社負担……果たして税務上の処理は?【ベトナム個人所得税】

>>【ベトナム税務】グロスアップにより、会社が負担したベトナム強制社会保険は損金となるのか?

本日のまとめ

本日は、海外、ベトナム居住者になってしまった場合で、グロスアップした個人所得税の金額を日本の会社が負担した場合の日本の課税対象となってしまうか?という点をお話させて頂きました。

基本的には、「なってしまう」という結論です。

ただ、他の結論も模索はできそうなので、このような案件があれば、是非、専門家に相談することをオススメします。

あなたが海外税務を理解して、不測の損害を防止できることを祈っていますね。