こんにちは、マナボックスの菅野です。

あなたは、 ベトナムにおいて、以下の様な会話をしたことはありませんか?

法的代表者(サインする人)は、基本的には社長です。General Directorとも言います。法的代表者は国籍の制限はないが、ベトナムへの居住の要件があり、30日以上ベトナム国外に滞在する場合には、委任状を書面で提出する必要があります。

このベトナムに居住については論点があります。

第 12 条 企業の法定代表者

企業は,少なくとも一人のベトナムに居住する法定代表者を常時確保しな ければならない。企業が一人の法定代表者のみを有する場合は,その者はベ トナムに居住しなければならず,ベトナムから出国するときは,法定代表者の権限の行使及び義務の履行を他人に対して書面により委任しなければならない。この場合において,法定代表者は引き続き委任した権限の行使及び義 務の履行につき責任を負う。

引用元:ベトナム企業法2020 法律番号 59/2020/QH14

本日は、この点が、実務上に影響を及ぼす点について解説していきたいと思います。

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ベトナム法的代表者の居住の実務上の論点

こちら実務上は、日本の社長が、ベトナムの社長を兼任することはあります。この場合、以下の点が論点になるかと思います。

企業法上の“居住”の意味

ベトナム企業法に記載されている、“居住”についてです。こちら税務上の居住とは、異なると言うことは理解する必要があります。

こちらいろいろ見解があるかとは思いますが、「住所がベトナムにある」と解されています。したがって、日本の社長が、ベトナムの社長も兼ねる場合には、住所が必要となります。

ベトナム企業法上の居住と税法上の居住の意味は違う。企業法上は、住所がベトナムにあるか?という考えもある

ベトナムにいない場合、どんな実務上の論点が生まれるか?

コロナの状況もあり、ベトナムの社長(法的代表者)が、ベトナムにいないケースってよくあります。

その場合、以下の条文が論点になるんですね。

「ベ トナムに居住しなければならず,ベトナムから出国するときは,法定代表者の権限の行使及び義務の履行を他人に対して書面により委任しなければならない」

これです。

では、実際にはどんな風に論点になるのでしょうか?これは、以下に分類されます。どんな時に署名する必要があるか?と整理するとわかりやすいです。

  1. 契約書や税務申告書にサインするとき。
  2. 支払いなどを承認する時(インターネット)
  3. 支払いなどを承認する時(振り込み用紙など)

このように整理してみました。

このうち、契約書などの書面についての署名は、郵送して対応することも可能だったりします。もちろん、原則は委任状で法的代表者を委任しなければいけません。

次に、支払いという行為ですが、こちらもインターネット(オンライン)での振り込みであれば、ベトナム現地法人の社長がどこにいようが関係ありません。そのため、論点になることは実務上はないのかなと思います。

問題は、振り込みや資金移動を、振り込み用紙など窓口でする場合です。一定の場合、例えば、資本金口座からの資金移動などは、窓口で実施することが必要になる場合があります。

この場合については、銀行のポリシーによって、厳密に見られることがあります。例えば、現地代表者のビザ、レジデンスカード、ワークパーミッドなどを確認されることがあります。この時に、社長・現地代表者が、ベトナムに滞在していないと、銀行によっては、委任状を厳しく要求される場合があるようです。

ケース

委任状?

契約書などに署名

郵送などする等で対応できるかもしれない。
インターネットでの送金等

場所は関係ない

振り込み用紙などの窓口で送金・振り込み依頼

銀行のポリシーによる

本日のまとめ

本日は、ベトナム企業法の居住の意味と、実務上の論点について解説しました。

・企業法の法的代表者の居住は、税務上の居住とは意味が違う。住所があるか?という考えもある。

・法的代表者が、日本にいる場合で、ベトナムに滞在しない場合の実務上の影響はまちまち。日本にいながら対応できる場合もあるし、どうしても委任状が必要なケースもある。

※こちらベトナムの企業法の原則は、あくまで一定の場合、つまり、30日以上、ベトナムを離れる場合には、委任状が必要だということは理解しておいてください。ただし、それと同じくらい、法律と実務の解離もある場合があるということも認識しておくことが大事です。