みなさん、こんにちは。マナボックスの菅野です。

今日のテーマは『保税倉庫を利用した場合の外国契約者税は発生するのか?』というテーマでお伝えしていきたいと思います。

保税倉庫とは?

そもそも保税倉庫とはなんでしょうか?

「保税」の意味は、一時的に関税の徴収を留保することのようです。この保税ができる地域は事前に決められており、港湾・空港の近くにあります。

通常、海外から輸送された様々な物に関して関税が課されたのちに許可を受け、通関を完了するまでに時間がかかります。その一時保管場として「保税倉庫」が存在しているのです。

保税倉庫はベトナム国内でありながら外国のような扱いを受ける場所といえます。そのため、 輸入商品は通関されるまでは税金の支払いが済まされていないので「外国貨物」と呼ばれます。

つまり、保税倉庫とは、税関の監視で保税倉庫主が商品主(売主)と締結した保税倉庫賃貸契約書に従って、海外から輸入した商品もしくは国内から商品を入庫した商品に対してのサービスを一時的に保管、管理等をする地域のことです。

外国契約者税の対象となるケースとは?

海外から輸入した製品・商品を、保税倉庫を経由して、ベトナム国内の企業又はベトナム国内の非課税地域に位置する企業へ直接販売する場合、外国契約者税が課税されるという見解となっています。

上記のような取引の場合は、ベトナム国内地域で行われた取引とみなされるとの考え方によります。

例えば、日本の会社Aから商品を「保税倉庫」に入荷。その後ベトナムの法人Bに販売する場合には外国契約者税がかされます。

この点、郵送サービス等の引き渡し時の各種サービスに対してだけでなく、物品自体に対しても課税される点にも留意しましょう。

少しマニアックですが、オフィシャルレターもまとめておきます。

No: 5039/TCT-CS

このレターでは、以下のように回答しています。

外国の組織や個人が、国際輸送、通過、国境ゲート通過、物品保管活動を支援するための物品の倉庫として、または、加工以外の企業のために保税倉庫を使用する場合、FCTを支払う必要はありません。

しかし、外国の組織や個人が物品流通権を行使するためにベトナムで保税倉庫を使用する場合、規則に従って、ベトナムで生じた所得に対してFCTを支払う義務があります。

No5722/TCT-CS

Shibusawa Logistics Vietnam Co., Ltdが提示したように、Senko Sangyo Co.Ltdが海外から商品を輸入し、保税倉庫に保管し、顧客に直接販売する外国企業である場合、Senko Sangyo Co.Ltdは、海外から輸入した商品を保税倉庫に保管し、顧客に直接販売します。

非関税区にあるベトナム企業であれば、Senko Sangyo Co.Ltd会社はベトナム市場で営業活動や流通活動を行っているため、Senko Sangyo Co.Ltdはベトナムの外国契約者税が課税されます。

日本経済団体連合会に送付された財務省の2014年7月10日付ノートNo.116/BTC-CSTにおいても、ベトナムで商品の供給・流通を行う外国企業の事例が記載されています。 ベトナム領土内の保税倉庫、内陸港・・・がベトナムで恒久施設(PE)を形成する場合はベトナムにおける法人税の対象となる – 恒久施設(PE)の概念は文書に明記されています。

保税倉庫を通しても外国契約者税の対象とならない場合

以下の場合には外国契約者税の対象とはなりません。

  • 保税倉庫を利用して国際輸送・通過・仲介をサポート場合、
  • 他の企業による加工の目的で保税倉庫を利用する場合

直接ベトナムに販売していないため「ベトナム国内地域で行われた取引とみなされる」ことはないのでしょう。

5項 Any foreign entity using a bonded warehouse or inland clearance depot (ICD) as a warehouse serving international transport, transit of goods, or storage of goods to be processed by other companies.

保税倉庫やインランドデポ(ICD)を、国際輸送、貨物の通過、他社が加工する貨物の保管に供する倉庫として使用する外国法人。

引用元:通達第 103/2014/TT-BTC 号の第 2 条第 5 項