こんにちは、マナボックスの菅野です。
本日は「GAFAのような巨大な組織はなぜ法人税を納税したがらないのか?」というテーマでお伝えします。
よくニュースで以下のようなタイトルのトピックを見たことはありませんか?
GAFAの法人税逃れは日本だけの問題ではない税金を払わない巨大デジタル企業
売上高6兆円でも法人税ゼロ?Amazonが追徴課税を回避できた理由とは
租税回避のスキームなどについてこの記事でお伝えするつもりはありません。この記事では以下の観点から解説していきます。
- 投資(ROI)という観点
- 心理学的な観点
ファイナンス思考とも関連してきますのでこれを学んでいる方にもお役にたてると思います。
国に払うより、自社で世の中をよくするか?他社にお金を使いたい【投資という観点】
まずは、これです。
あなたは、役所などで、ストレスや怒り、やるせなさを感じたことはありませんか?
- 「この無駄な手続きは必要なのだろうか?」
- 「紙もったいなくない」
- 「え、意味なくない」
- 「人じゃなくてテクノロジーに任せて事務作業させたほうが絶対にいい」
税金は、その国の社会基盤を整備、アップデートしたり、教育・医療・警察・公園などなに利用されます。公的資金と呼ばれるように絶対に必要なお金であることは間違いありません。これは否定出きません。
これを踏まえつつ、別な言い方をするのであれば、国というサプライヤーにコストを払って、「国が豊かになる」リターンを得ているわけです。
あなたの会社が仕入れ先やサービスを受けるときに費用を支払いますよね。その費用の対価を必ず要求するはずであり、チェックもするでしょう。つまりインプットとアウトプットの関係である生産性を気にしているはずです。
税金の場合は繰り返しになりますがインプットは税金であり、アウトプットは国家が提供するサービスであるわけです。
このアウトプットがいけてなかったら?どうでしょう?支払いたくないですよね。
例えば、GoogleやAmazonのような最先端に関わっている組織にいる超優秀な人材に「研究開発費」として投資したほうが世の中がもっとよくなるような気がしませんか?もちろんこのお金の使い方が、社会性があるという前提はあります。
あたまのいい企業は国家が変なお金の使い方をするくらいなら、自分たちで投資して世の中を変えてやる!と思ってるかもしれません。
例えばFBのおかげで昔の友人と連絡をとりあえるようになったりAMAZONのおかげで日用品や気になる電子書籍がすぐに入手できるようになりました。Appleは私たちの生活を激変させたIphoneを作り出しましたよね。Googleのおかげでわからないことは大抵、検索して解決できるようになりました。Google先生と呼んでいる人もいますよね。
健康やお金の悩み「知っていれば解決できる」ことが多くあってそれを可能してくれました。
賛否両論があることこは承知ですがそれでも我々の生活にポジティブな変化をもたらしてくれたことは否定できないのです。
これをあなたの企業に当てはめると「未来費用」を使っていますか?というお話につながってきます。詳細は以下を参照ください。
>>PL脳だと会社は倒産する ファイナンス思考が大切な理由とは?
>>〜理論から実践〜取引と仕訳の関係を深掘りする【ベトナム勘定科目-未来費用】
損益計算書の構造を思い浮かべながら、この思考できるようになったらいいと思います。国に納税するよりももっと周りの人が幸福になったり社会が豊ににあるお金の使い道があるのではないかと思うわけです。
もちろん脱税はダメですよ。
貢献を見える化すれば税収が増える?
もう一つは貢献という観点です。以下の書籍がとても興味深かったので今日のトピックに関連するポイントを紹介させていただくと「自分のためでなく他人のために投資する」です。
人間は社会的な生き物であるので、他人のためのお金を使うと幸福度が増すそうです。税金も他人のためにお金を使っていると同意義ですよね。投資の神様のウォーレン・バフェットが自分の財産の99%を寄付すると誓った話は有名です。人に与えた時に幸福を感じるのです。
ただ、一点違うのが「納税」のお金はプールされてしまい自社の納税がどう使用されたかのか?がわかりません。
オレゴン大学でこんな実験をしたそうです。『Mind over Money 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実』により引用しました。
あるグループ(Aグループ)で参加者が1,000ドルを与えられ地元のフードバンク運営費に充てる税金として一定比率を徴収される。
もう一方のグループ(Bグループ)はフードバンクに寄付するか?寄付するならいくらにするか?自分で決めていい。
この結果、寄付が自発的であったグループはそうでないグループに比べてお金を払った満足度が10%も高かった。
だそうです。ポイントは「参加者がお金が何に使われるかを具体的に知っていた」という点です。これが一般的な納税とは違う点ですね。
納税して当たり前。脱税は悪。というのは当然なのですがもう少し心理学的な観点を賢く盛り込めば税収は増えるのかもしれません。
大きな税収を払ったことのついて「〇〇企業は〜〜〜の納税!△△に使用される!」というタイトルのニュースを見たことないですもんね。このように高額納税者に対して貢献や感謝をパブリックに伝えれば納税する方は多額の納税のインセンティブになるはずです。
ただ、人間にはネガティビティバイアスが備わっているから「脱税!」のニュースのほうが視聴率取れるのでどうしてもこちら側のネタに偏ってしまうのです。これは悲しい。
もちろん国家の予算がいけてるという前提がなければいけませんが。
今日のまとめ
本日はなぜ企業は税金を支払いを避けるのか?というテーマでお伝えしました。
- インプットとアウトプットの生産性、投資対効果(ROI)を気にすると国じゃなくて自社でやったほうが社会が豊になると思っているかもしれない・
- 税収する側の国は「心理」をきちんと学び有効に活かすことによって税収が増えるかもしれない。
というお話でした。あなたも予想以上の利益が出た場合、この会計的・ファイナンス的な思考はとても重要になります。
是非参考にしてください!