こんにちは、マナボックスの菅野です。

本日は、『ベトナムの収益基準と電子インボイスの関係』というテーマでお伝えします。

2022年よりベトナムでは電子インボイスが強制適用となりました。これによってどんな悩みが増えたか?について解説していきます。

ベトナムでビジネスをされている人で電子インボイスについての日付で会計事務所から指摘されているとか、経理の人から意味不明なことを言われているなどの悩みがある人のために書いています。

収益認識と電子インボイスの整合性に留意する

結論はこうです。

会社に残す「収益認識のエビデンス」と「電子インボイス」の日付の整合性に留意する

収益認識と言うと専門用語で難しく感じますが、要するに「売上にいつ計上するか?」です。例えば、リンランのスーパーでいつ売上がたつか?というと商品を買って受け取った時。そんなイメージで問題ありません。

税務上の売上がいつか?という論点があります。詳細は以下の記事に記載していますがまとめると以下のようになります。

>>ベトナムの収益認識基準を3つの観点で整理

 

サービス

モノ

法人税

サービスが完了した日通関手続・税関申告が完了した日

付加価値税

サービス完了した日、もしくはインボイス(前払いのケースなど)の日付通関手続・税関申告が完了した日

となります。

論点はサービス売上の場合の売上

電子インボイスの発行した日が「売上認識基準の日」となると理解しておくといいです。厳密には違った論点もあるのですが今は無視して構いません。

そうすると「サービス完了した日」と「インボイス」の日付が整合している必要がありますよね。ここが厄介なのです。サービス売上の場合のVATインボイスを発行する必要があります。

なぜか?というと「電子インボイス」が導入されたことにより融通が効かなくなったからです。具体的にどううことか?と言うと日付の柔軟性がなくなり硬直的になってしまいました。

サービス完了日と請求書の発行日の違いズレの原因

例えば、6月30日にサービス提供したのにインボイスを発行するのを忘れてしまい7月10日にインボイスを作成したとします。あなたは6月30日の日付で作成したいのですが、それができなくなったと理解するといいでしょう。

また実際には「金額の確定」という点がズレの原因となります。例えば月末までの稼働時間(残業時間など)に基づき、集計、計算して「金額」が確定するわけです。

つまり、収益認識のためには実際には以下の要素が必要となります。

  • サービス完了日
  • 金額の確定

売上を認識するのには金額の確定が必要だ!

当然と感じていただけると思います。例えばあなたがスナックに12月31日にいったとします。サービスを31日に受けたとして、あなたはたくさんのお酒やサービスを受けました。お店側はその計算が必要ですよね。

そのお金が決定しないと売上が認識されません。

そうするとどうしても両者にズレが生じてしまうわけですね。

ズレによる不都合、税務上の問題

紙面の場合は良くも悪くも融通が効いた状況でした。上記の例で言うと7月10日に6月30日の日付で作成できていました。いわゆるバックデート処理です。

これが出来なくなったので「サービス完了のエビデンス」(作業完了報告書)と「VATインボイスの日付」の整合性に留意する必要があります。

例えば、「サービス完了のエビデンス」が6月30日なのに「VATインボイスの日付」の日付が7月10日だとするとインボイス発行が遅れたという外観が生まれます。

そうするとVATという観点から6月に申告しなければいけなかったのに7月になっていませんか?という疑念が生まれます。これによりペナルティが発生する可能性が生まれてしまうわけです。

この点をどう解決するか?ですが、以下のコンテンツで解説しています。

>M-Lab_ベトナム電子インボイスの悩ましい問題とその解決方法【今だけ?】

 

 

まとめ【サービス完了日とインボイスの日付のズレ】

本日は、収益認識とインボイスの関係と留意点というテーマでお伝えしました。

業種によっては、「サービス完了日」と「インボイスの発行」(金額の確定)にズレがでるのが当然です。すなわち、「サービス完了日」に売上を認識(インボイスの発行)をすることができないのですね。

ただ、税務上の売上は「サービス完了日」であり、電子インボイスになったことによりバックデートの融通が効かなくなったと言う点で問題が生じていました。

この点はご留意ください。