こんにちはマナボックスの菅野です。

本日は『手当と社会保険の対象の関係』について解説していきたいと思います。これまでベトナムでいろいろな会社を支援してきました。その中で多く質問あるのが手当の割合を合理的増やして社会保険料を削減できないか?どの手当であれば社会保障の対象外なのか?です。

その根本的な考え方についてお伝えします。手当ごとに個別に判断するのではなく背後にある考え方です。

手当の対価が労働(スキルも含む)に対しての対価か?どうか?

まずこの視点で手当をグルーピングしてください。いろいろな手当がありますが、労働の対価かどうか?そうでないか?(福利厚生的、会社が負担してもいい費用を負担)で手当を分類すると2種類になります。

例えば、以下のような手当はどうでしょうか?

  • 役職手当
  • 資格手当
  • 言語手当

例えばマネージャーという職階であればそのレベルに求められる貢献(労働)が必要とされます。資格手当や言語手当であればその資格に見合った貢献(労働)が必要とされますよね。

一方で以下はどうでしょう?

  • 電話、通信手当
  • 食事手当
  • ガソリン手当、通勤手当
  • 住宅手当

例えば電話であれば労働の直接的な対価というより、労働を補助するための給付です。食事手当やガソリン手当、住宅手当もそうです。労働の対価というようりも福利厚生的だと理解できますよね。スタッフがきちんと労働できるように補助するための手当です。

ではどちらが社会保険の対象になりうるか?というと前者の「労働の対価」です。

対価が毎月経常的に発生するか?どうか?

続いてのフィルターはそれが「毎月発生するか?否か?」です。

例えば賞与やインセンティブであれば、毎月発生しませんよね。特定の月であるか?なにか条件を満たした時です。

毎月発生しないのであればそれは社会保険の対象外です。

ベトナムの社会保険庁からの回答

以下(ベトナム社会保険庁のF&Q)にによって社会保険の対象となる給付について回答されています。

>>社会保険庁からの回答

ポイントは以下の通り。

社会保険の対象額:給与と一緒に決定され、定期的に支払いのある安定している給付のみ、社会保険料の支払い計算の基礎

社会保険料の対象となる給付とは?

なお、この回答によれば社会保険料負担の対象となる給与手当の種類も具体的に羅列されています。

役職手当、地域手当、重量・毒性・危険手当、責任手当、年功手当、引っ越し手当(居住地や職場、不安定な生活環境など多くの困難を抱えて頻繁に変更しなければならない特定の職業や仕事をする人のための手当)及びこれらに類する手当

実務でよく発生する「言語手当」や「資格手当」は上記の羅列に含まれていませんが、明らかに「これらに類する手当」であると理解できるはずです。

社会保険料の対象とならない給付と制度

逆に社会保険の対象とならないの給付は以下の通り。

労働法第 103 条に規定されるボーナス、イニシアティブボーナス、昼食、ガソリン代、電話代、交通費、住宅費、育児手当、親族の死亡、親族の結婚、誕生日、労働災害、職業病にかかった場合の手当

具体列挙されていますが上記で示した「労働の対価」か?のフィルターや「毎月発生しているか?」で判断できますよね。

以下で動画でも解説していますのでよろしければどうぞ。

フローチャートでのまとめ

上記の点をフローチャートでまとめると以下の通りになります。

皆様のお役にたてれば幸いです。